全国のドクター9,189人の想いを取材
クリニック・病院 158,628件の情報を掲載(2024年4月28日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 西尾市
  4. 上横須賀駅
  5. うえだ整形外科クリニック
  6. 上田 英範 院長

上田 英範 院長の独自取材記事

うえだ整形外科クリニック

(西尾市/上横須賀駅)

最終更新日:2023/11/24

上田英範院長 うえだ整形外科クリニック main

2021年、西尾市一色町や吉良町方面の地域住民がアクセスしやすいようにと、院長の上田英範先生が開業した「うえだ整形外科クリニック」。上田院長は日本整形外科学会整形外科専門医の資格を持ち、野球の投球障害や肘の治療の経験を豊富に積んできた医師だ。膝・肩・腰の痛みといった整形外科全般の治療やリハビリテーションはもちろん、スポーツ障害の治療や骨粗しょう症の治療など幅広い診療を提供する。そんな上田院長に、日々心がけていることや同院の特色について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年10月11日)

整形外科全般に加え、スポーツ障害にも力を入れる

先生が開業するに至った経緯を教えてください。

上田英範院長 うえだ整形外科クリニック1

開業前は同じく西尾市内の西尾駅前にあるクリニックで勤務していたのですが、その際一色町や吉良町から来院される患者さんが非常に多いことに気づきました。この地域の整形外科医療を担うクリニックが足りていないのだと感じ、少しでも地域の皆さんの力になれたらと思ったのが開業のきっかけです。また、西尾市は野球が盛んな地域ですが、スポーツ整形外科の分野を専門的に診療しているクリニックは少ないという現状もあり、今までの私の経験を生かせたらと考えたのもきっかけの一つです。

貴院の患者層を教えてください。

午前中は膝や腰の痛みを中心とした慢性疾患を抱えた高齢の方が多いですが、午後になると小学校高学年から中学生のお子さんも多く来院されますね。当院ではスポーツ障害の治療にも力を入れており、実際に投球できるマウンドも院内に用意しています。リハビリを行う途中から実際に投球フォームを見たいと感じる場面が出てくるのですが、一般的な整形外科クリニックだとどうしても投げられる場所がないということを悔しく感じておりました。そこで、開業する際に、作ってしまえと。投球速度や回転数などを計測し、解析できる投球練習用ボールも用意しています。野球だけでなく、ドッジボールやサッカーでのケガや障害で来院される方も多いですよ。

投球マウンド以外にも、院内でこだわった場所はありますか?

上田英範院長 うえだ整形外科クリニック2

リハビリ室を広くしたことです。リハビリというと想像しやすいのがマッサージかもしれませんが、私はそれだと見込める効果が短期的だと考えています。マッサージをした直後は良くなったと感じても、しばらくすると戻ってしまい、永久にリハビリを脱却できないと思うのです。ですから、当院では体を動かす運動療法を主体として行います。リハビリしながら運動指導をし、患者さん自身の筋力を強くしたり体の柔軟性を高めたりすることで、痛みの軽減を図っていく。リハビリはずっと続けるものでなく、終わりをめざしていくものだと感じてほしいですね。そのためには広めの運動スペースが必要です。運動療法に力を入れたいということは、スタッフにも共有し統一しています。ただ、患者さんによっては運動を求めていない方もいるのでマッサージに変更するなど柔軟に対応することをスタッフにも心がけてもらい、一人ひとりに合わせたリハビリのご提案に努めています。

やりがいを感じるのはどのような時でしょうか?

やはり症状が改善し、「ありがとう」と言われる瞬間ですね。整形外科は、初めて来院されるときが痛い、動かないという一番悪い状態です。治療を続け、足をひきずっていた方がスムーズに歩けるようになったり、肩が上がらなかったのが動くようになったりなど、実際に変化を感じられる場面があったら、うれしいですし、患者さんのQOL(生活の質)に貢献できているという達成感や喜びにつながります。もちろん、それは私一人の力ではなく、他のスタッフも協力してくれることで成り立つものだと思っています。

超音波検査を積極的に取り入れ、より精密な診断を

クリニックの特徴を教えてください。

上田英範院長 うえだ整形外科クリニック3

超音波検査(エコー検査)を取り入れている点です。一般的な整形外科はまず診察、その後エックス線という流れですよね。ですが、エックス線だけだと骨に関することしかわからないというデメリットがあるんです。そこでわからなければ、従来次の選択肢はMRIでした。しかし、MRIとなると時間も費用もかかります。超音波検査であれば、その場で筋肉が腫れて炎症を起こしていることや靱帯の損傷がはっきりと見てわかるんです。エックス線では写らない骨以外の部分も見れますし、患者さんにもすぐ横で画像を見てもらいながら説明し、必要であればそのまま注射を打つことも可能です。

どんな場面でエコーは役立つのでしょうか?

スポーツで突き指や捻挫をした場合にも役立ちます。エックス線には写らないけれど、やけに腫れているという部分を見ることができるのです。エコーで靱帯の損傷もわかるため、その場合は捻挫でもギプスをします。「捻挫でギプス?」と思われるかもしれませんが、回復具合や痛みの取れ具合が良いことが期待できるんですよ。それから、できものができた時なども今まではMRIをするしかなかったのですが、より簡単に検査できるようになりました。今後はリハビリ室にもエコーを置き、理学療法士も使えるようにしていきたいと考えています。

他にも特徴的な機械はありますか?

上田英範院長 うえだ整形外科クリニック4

骨密度を測定する装置です。骨粗しょう症は骨折するまで症状がなく、気づかない人が多いのですが、骨折してからでは遅いこともあります。股関節だと手術になったり、あるいは寝たきりになってしまったりすることもあるため、その前に発見して治療を促すようにしています。お痩せになられている50代以上の方はリスクが高いため、こちらから提案するようにしていますし、院内掲示でも啓発しているので患者さんのほうから骨密度を測定してみたいと声をかけていただくこともありますね。

信頼される医師であるために大切にしていること

日々の診療にあたり、意識していることはありますか?

上田英範院長 うえだ整形外科クリニック5

患者さんに対し、いつでも誠実であること、きちんとお話しすることです。医師を志した頃から「名医ではなくとも、信頼される医師でありたい」と思っており、そこをめざしてこれまでもやってきています。同じ症状で続けて通われている患者さんに「いつもの薬出しておきますね」で終わらせるのではなく、毎回しっかり触診し、変わりないかをきちんと診させてもらうことを意識しています。患者さんは「診察してほしい」と来院してくださっているわけですから。また、どうしても電子カルテを見がちになってしまうので、私自身は患者さんの目を見て話せるよう、当院では専属スタッフに電子カルテの入力は任せています。

人と人とのコミュニケーションを大切にしているのですね。

基本的に整形外科では、できる治療はどこも大きくは変わりません。ですが、当院へ来たら気持ち良く対応してもらえる、笑顔で応対してもらえると感じていただけたらうれしいですね。そのために、診療以外の部分でのおもてなしの心を大切にしていますし、スタッフ同士でもホスピタリティーの心を忘れずにということを朝礼やミーティングでも共有しています。とはいえ、スタッフが当院に対し不満を抱えながら働いていたら患者さんに良いサービスは提供できないと思っています。まずはスタッフが満足して働けるよう、1対1のミーティングを週に1回実施し意見を言いやすい環境をつくること、あとは当たり前ですが、日々感謝を伝えることを忘れないようにしています。

今後の展望を教えてください。

上田英範院長 うえだ整形外科クリニック6

中期的な展望としては「西尾市の整形外科といえば当院」と地域住民の方々に思っていただけるようなクリニックにしていけたらと思っています。また、病気になる前、もしくは治療後に健康を維持してもらえるような環境をつくり、患者さんに満足してもらえたらという想いがあり、将来的にはフィットネスやジム、接骨院など医療以外の分野にも進出したいと考えています。そのためには、まずは土台を当院で築いていくことをしっかり意識していきたいです。

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

お子さんの野球では、指導者や親も気づかないうちに投球障害などの症状が進んでしまい、長期間の投球・運動中止、あるいは手術になることもあり得ます。それを未然に防ぐためには定期的な検診が必要です。今後は野球のクラブチームなどでの検診など院外活動にも力を入れていきたいと考えていますので、そういった場面でもお目にかかれたらうれしいです。来院される患者さんには、「ここに来て良かった」と思っていただけるようなサービスを提供し続けられるクリニックでありたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

Access