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浅見 哲 院長の独自取材記事

浅見眼科手術クリニック

(大府市/共和駅)

最終更新日:2023/02/22

浅見哲院長 浅見眼科手術クリニック main

黒と白のモダンな外観が印象的な「浅見眼科手術クリニック」。共和駅から徒歩1分、名古屋南ICから車で5分ほどとアクセスの良い立地にある。浅見哲院長は、名古屋大学医学部附属病院や眼科専門病院、市民病院などで長年多くの手術に携わってきた。同院では豊富な経験を生かし、合併症が予想されるような手術や、一般クリニックでは難しいとされる手術にも対応する。「目の手術は不安が大きいので、患者さんが前向きに治療に取り組めるように丁寧な説明を心がけています」と患者の気持ちを大切に考える浅見院長。少しでも緊張をほぐしてもらうため、院内にはアロマの香りが漂い、待合室ではピアノの生演奏も。穏やかな口調ながらも「患者さんのためにできることはすべてやりたい」という真摯な思いが伝わってきた。

(取材日2022年12月6日)

目をトータルに診療し複数の疾患もワンストップで対応

開業までの経緯とクリニックのコンセプトを教えてください。

浅見哲院長 浅見眼科手術クリニック1

大学病院では、他の病院では対応が難しい疾患の治療も多く行い、非常にやりがいがありました。しかし患者さんとじっくり向き合える理想のクリニックをつくりたいという思いと、これまで積み上げてきた手術の技術と経験を生かしたいという思いが強くなり、2021年「手術」の文字を入れた当院を開業しました。患者さんにリラックスしていただけるように院内は白とグレーを基調とした落ち着いた色彩に。待合室の白いピアノは当初インテリアのつもりだったのですが、現在は演奏者に来てもらい、生演奏を披露しています。患者さんは高齢の方が多いので日本の歌謡曲や演歌がとても好評です。また院内各所ではさりげなくアロマが香るようにしています。目の病気の方が来られるので、香りや音楽で少しでも気持ちを楽にしていただければと思っています。

手術に注力されているこちらのクリニックの特徴とは?

緑内障や網膜、角膜などの治療は専門性が高く、これらの疾患にすべて対応する医療機関はそれほど多くありません。しかし複数の病気があったり、異なる病気が続けて発症したりすることは結構あるのです。例えば、白内障と網膜の治療後に眼圧が上がって緑内障の治療をしなければならないケースや、もともと角膜が弱い方が術後に角膜が白く濁ってしまう水疱性角膜症になり角膜移植が必要になるケース、また網膜剥離は術後に再発すると重症化しやすいといったこともあります。病気それぞれに得意とする医療機関がありますが、当院では複数の種類の手術に対応可能なので、ワンストップで適切な時期に適切な治療を受けていただくことができます。

開業して約1年半、遠方から来られる方も多いそうですね。

浅見哲院長 浅見眼科手術クリニック2

患者さんの紹介もあり、名古屋市南部や豊田市、岡崎市などの三河地域、知多半島、岐阜県からも来られています。当院は合併症が予想される難しい白内障の手術も対応しており他院からの紹介も多いです。私は網膜硝子体が専門なので網膜疾患はもちろん、緑内障の患者さんも多数いらっしゃいます。緑内障の手術は1回では終わらないことも多く、劇的な見え方の改善が見込めるものでもありません。わかりやすい結果を出すのが難しいため、手術を行うクリニックは少ないのが現状で、困っている患者さんのためにもさまざまな手術に対応できるようにしています。クリニック名に「手術」と入っていますが、近隣の方は結膜炎でも来られており、目の心配事は何でも相談してくださればと思っています。

先進の機器と丁寧な説明で安全・安心な手術をめざす

こちらでは先進の機器を導入されているそうですね。

浅見哲院長 浅見眼科手術クリニック3

はい、手術には3次元映像システムを導入しました。目は小さな臓器なので、細部までしっかり確認することが重要で、解像度の高い立体的な映像により精密な手術を行うことができます。また通常、手術は強い光を当てて行うのですが、このシステムでは弱い光で鮮明な画像が得られるので目への負担軽減につながります。さらに一般的には55インチ型の大きなモニターをキャスターつきの台に装着して使いますが、当院では天井からつるしています。手術中に床置きモニターを動かすのは、ベッドや医師の立ち位置によって難しいのですが、天井からつるせば片手で動かすことができます。さらに手術の機械は2台用意しています。万が一不具合が起きたとき、手術中の患者さんを待たせないだけでなく、合併症が起こるリスクを抑えるために徹底した体制を整えているのです。

目の手術というと少し怖いイメージがあります。

まず自分の病気について、患者さん自身がきちんと理解されることが大事ですので、なぜこの治療が必要なのか、できるだけ丁寧に細かく説明するように心がけています。その工夫の一つとして、診察室の患者さんの目線の高さに大きめのモニターを設置し、そこに目の状態や検査結果を写しながら説明を聞いてもらい、理解を深めていただくようにしています。痛みの軽減にも努めており、麻酔は点眼で表面麻酔をしてから慎重に球後麻酔の注射をします。手術中にも患者さんに痛くないかどうか確認をしていますね。特に不安が強い方には笑気ガス麻酔を用います。また手術中は患者さんのリクエストされる曲をBGMに流しています。緊張しすぎて血圧が上がってしまうと目の奥で出血するリスクがあるので、少しでも安心していただけるようにしているのです。

先生はタンザニアでのボランティアに参加されたとお聞きしました。

浅見哲院長 浅見眼科手術クリニック4

もともと海外ボランティアに関心があって、長くその活動をされている先生と知り合うことができ、2018年、2019年に活動に参加しました。タンザニアは眼科の医師が少ない国で、当時は人口6000万弱に対し、眼科の医師は50人に満たないくらい。眼科医療が普及していなくて失明する方も多く、私たちは現地の眼科の医師や学生に講義を行ったり白内障手術の技術指導をしたりしました。皆さんとても熱心で、充実した日々を送りました。ただ、現地の方々に学びたいという強い思いはあっても、手術機械をそろえたり物品を海外から購入したりすることはハードルが高く、難しい問題が山積していてジレンマも感じました。

明るいスタッフとともに患者が落ち着ける場に

先生が眼科の医師をめざされたきっかけはありますか?

浅見哲院長 浅見眼科手術クリニック5

父が矯正専門の歯科医師で医療の世界が身近だったというのはありますね。医学部を選んだのは、卒業後の選択肢が多いほうが良いと思ったことが一因です。学生の時は手技に興味があったので整形外科が良いかなと考えていましたが、大学卒業後、眼科の手術に力を入れている病院に研修医として勤務したことから眼科の面白さに気づきました。その後、各地から患者さんが集まる病院の先生のもとで学んだのですが、その先生はどんな患者さんの話にもゆっくりと耳を傾け、完治の望みが少なくとも全力で治療を行っておられました。その姿が今も私の心にあり、患者さんと向き合う時の心構えとなっています。

眼科の魅力とはどのようなところですか?

目は小さな臓器ですが、一般的に思われている以上に精密な組織でさまざまな病気があります。よく知られている白内障や緑内障だけでなく、網膜の病気、角膜の病気はたくさんあり、その手術をそれぞれ極めるというのは長い時間がかかり、とてもたいへんなことなのです。そうした点で眼科はとても奥が深く、やることは尽きないですね。今は眼科を選んで本当に良かったと思っています。もっと治療後の経過を良くするにはどうしたら良かったのか、答えが出るまでずっと考え続けることもありますが、症例数をこなしていく中で、自分が何より手術が好きだということもわかり、「これは天職だ」と思うようになりました。

今後の展望についてお聞かせください。

浅見哲院長 浅見眼科手術クリニック6

当院の名前から、「手術」を覚悟してとても緊張して来られる患者さんもおられますが、最初にお話ししたように香りや音楽でほっとしていただける空間にしているので安心していらしていただきたいですね。またスタッフが明るくユーモアのある人たちなのもありがたく、いつも和やかな雰囲気です。患者さんには優しく声がけしていて、雑談したり他たわいないことで笑いあったり、さりげなく気持ちをほぐすようにしてくれています。「ここはフレンドリーでいいね」と患者さんにも言われました。これからも、患者さんが安心して相談でき、適正な時期に適正な治療を受けられるクリニックとして、近隣クリニックや病院ともしっかり連携していきたいです。目の病気で困っている方々のため、できることはすべてやりたいと思っています。

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