全国のドクター9,189人の想いを取材
クリニック・病院 158,628件の情報を掲載(2024年4月29日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 中央区
  4. 日本橋駅
  5. サルスクリニック日本橋
  6. 早期に始めたい慢性腎臓病治療と自宅でできる透析治療・腹膜透析

早期に始めたい慢性腎臓病治療と
自宅でできる透析治療・腹膜透析

サルスクリニック日本橋

(中央区/日本橋駅)

最終更新日:2021/10/12

サルスクリニック日本橋 早期に始めたい慢性腎臓病治療と 自宅でできる透析治療・腹膜透析 サルスクリニック日本橋 早期に始めたい慢性腎臓病治療と 自宅でできる透析治療・腹膜透析
  • 保険診療

慢性腎臓病(CKD)という病気を知っているだろうか。腎臓の障害や腎機能低下が3ヵ月以上続く状態を指す慢性腎臓病は、国内でも数多くの患者が存在するといわれている。「徐々に進行する慢性腎臓病ですが、早期発見により適切な治療を行うことで、一定の腎機能の回復と維持が期待できます。しかし、自覚症状がほとんどないため、治療に結びつかない方も多いのです」と語るのは、医療法人社団ときわ理事「サルスクリニック日本橋」の上條由佳先生。日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析学会専門医として専門性の高い診療を展開する上條先生に、早期発見と治療が重要となる慢性腎臓病とクリニックで実施している腹膜透析について詳しく話を聞いた。

(取材日2021年7月16日)

早期発見・早期治療が鍵となる慢性腎臓病を、多職種でトータルサポート

Q慢性腎臓病とはどんなものですか。
A
サルスクリニック日本橋 日本腎臓学会腎臓専門医の上條先生

▲日本腎臓学会腎臓専門医の上條先生

老廃物をろ過して尿を作る腎臓の機能が60%以下に低下したり、タンパク尿など尿検査異常が3ヵ月以上継続する状態が、慢性腎臓病(CKD)とされます。糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症などが含まれ、慢性に経過する腎臓病の総称といえます。多発性のう胞腎のように遺伝的要素が強いものや感染症、薬剤によるものもありますが、低下した腎機能を元に戻すことは難しく、進行を止められない状態になり生命の維持が難しくなると、透析や腎移植が必要になります。自覚症状はほとんどなく、いつの間にか進行していたというケースがほとんどです。

Q腎臓疾患と生活習慣病の関わりについて教えてください。
A
サルスクリニック日本橋 早期発見と治療が重要となる慢性腎臓病

▲早期発見と治療が重要となる慢性腎臓病

腎臓は2つありますが、1つあたり約100万個の糸球体といわれる非常に細かい血管の塊から成り、1日に大型ドラム缶1本分もの血液をろ過するといわれています。高血糖、高血圧の状態が続くとこの細かい血管にダメージが加わり、結果として腎機能が低下してしまうのです。慢性腎臓病の患者さんは年々増えており、毎年4万人程度の方が新規に透析治療を開始されていますが、最も多い原因は糖尿病、その次が高血圧や動脈硬化によるものです。腎臓病の管理には生活習慣の管理が欠かせず、喫煙や多量の飲酒、運動不足、ストレスなども、慢性腎臓病のリスク要因となっています。

Q慢性腎臓病には治療の段階があると伺いました。
A
サルスクリニック日本橋 要望にあった選択肢を提示し、納得して治療に進んでほしいという

▲要望にあった選択肢を提示し、納得して治療に進んでほしいという

慢性腎臓病では腎臓の機能を測るeGFR値というクレアチニンを年齢、性別等で調整したものを基準として、病態を5段階に分けてそれぞれのステージに合わせて治療計画を立てます。比較的軽度の機能低下であるステージ1から3まででは、失われた腎機能の回復と維持をめざす治療を行いますが、ステージ4を超えた状態になると、腎機能の維持を目的にした治療、腎機能低下に伴う貧血など全身の管理が中心になります。さらに機能低下が進んでいくと、腎代替療法が必要になるため、血液透析、腹膜透析、腎移植の中から患者さんの状況に合わせて選択できるよう準備を進めていきます。またすべてのステージにおいて血圧や塩分、食事の管理は重要です。

Qこちらでは腹膜透析が受けられるそうですね。
A
サルスクリニック日本橋 長期的な目線で一人ひとりに合った治療法を見極めている

▲長期的な目線で一人ひとりに合った治療法を見極めている

腎臓の働きを補う治療の一つである腹膜透析では、腹膜を使って血液を浄化します。血液透析では1日おきに透析クリニックに通い、手術で育てた血管(シャント)に直接針を刺して4〜6時間かけて血液をろ過しますが、腹膜透析では、腹腔内に挿入されたカテーテルをを通じてご自宅や職場などで透析液を貯留・交換することで透析します。通院が月に1回程度で済むこと、透析による症状も感じづらいこと、仕事なども続けやすく生活を維持しやすい治療法です。交換や消毒、異常時の受診などご自分で、ご家族と協力しながら、もしくは往診医や訪問看護など在宅医療連携を利用しながら行うこともできますので興味のある方はまずご相談ください。

Qどのようなタイミングで受診すればいいのでしょうか。
A
サルスクリニック日本橋 早めの受診・相談を呼びかけている

▲早めの受診・相談を呼びかけている

自覚症状がほとんどなく、病状の進行に気づかないことが多いのが、慢性腎臓病の恐ろしいところ。健康診断を定期的に受け、タンパク尿や尿潜血などの尿検査異常があれば、必ず腎臓内科を受診してさらに精密な検査を受けていただきたいと思います。尿検査異常で発覚しやすい糸球体腎炎は早期であれば治療可能です。また、尿の色の変化や泡立ちなど、観察して異常があればご相談ください。その他、むくみやめまい、全身の倦怠感などの症状も腎臓疾患に付随して起こることがあります。これらの症状は腎臓疾患以外に起因することもありますが、当院では一般内科診療も行っておりますので、気になることがあればぜひ一度ご受診いただきたいと思います。

ドクターからのメッセージ

上條 由佳先生

慢性腎臓病について聞き慣れない方もいらっしゃると思いますが、実は国内では成人の6人に1人が罹患しているとされている、とても身近な病気です。近年、生活習慣病との関わりで腎臓疾患が見つかる方も増えていますが、腎機能低下を抱えていらっしゃる方は潜在的にまだまだ多いと感じています。自覚症状のないままに進行し、気づいた時には深刻な状態になっていたというケースも多いので、早期に病気を見つけ、適切な治療に結びつけていただきたいと思います。心理的・社会的影響も大きいとされる慢性腎臓病ですが、当院では医師はもちろん、看護師、栄養士、心理士などのタッグで支援しますので気軽にご相談ください。

Access