膝の痛みは原因と症状を見極め
個々人に合った治療が必要
東京神田整形外科クリニック
(千代田区/神田駅)
最終更新日:2024/01/15
- 保険診療
体重を支えて立つ、歩く、走るなどの動作をする上で、重要な役割を担うのが膝の関節だ。膝の軟骨は衝撃を和らげるクッションとなり、関節を動かしたときに骨が摩耗しないように関節面を覆っている。それだけに、加齢により膝の軟骨がすり減り、慢性的な膝の痛みに悩む中高年は多い。「東京神田整形外科クリニック」にて、膝の痛みの原因の一つである変形性膝関節症の治療に注力しているのが田邊雄院長だ。同院では、膝の痛みの原因を徹底的に追究しその患者に適した治療を提供するため、理学療法、ヒアルロン酸注射など、手術以外のさまざまな選択肢をそろえている。「膝の痛みを治したいという強い願望を患者さんと共有して、ゴールをめざしたい」という田邊院長に話を聞いた。
(取材日2022年4月5日)
目次
慢性的な膝の痛みを和らげ、思うように動かせるようになることをめざす。さまざまなアプローチを用意
- Q加齢による膝の痛みは仕方のないことなのでしょうか?
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A
膝の軟骨は、増えたり減ったりするものではなく、長く使うほど少しずつ摩耗していくため、50代以上になると軟骨がすり減り、膝の痛みを訴える患者さんが急増します。加齢による影響をなくすことはできませんが、今はさまざまな治療法が開発されており、痛みを軽減したり、以前から楽しんでいたスポーツがまたできるようになったり、日常生活で支障なく歩いたり動いたりというところまで回復をめざすことは不可能ではありません。また、若くても、スポーツ選手や、かがんだり重い物を持ったりする職業など、常に膝を酷使するような状況にあると、同様に軟骨が損傷を受けやすくなりますので注意が必要です。
- Qリハビリテーションにも通っているのですが改善しません。
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A
膝の痛みの原因はさまざまです。例えば、骨の痛み、軟骨の痛み、半月板の痛み、靭帯・腱の痛み、筋肉の痛み、滑膜の痛みなどが考えられ、それらの要因が複雑に重なり合っていることも少なくありません。変形性膝関節症と診断された場合は、軟骨や半月板など関節内の痛みと表現されることが多いですが、実際には筋肉、腱、関節包など関節外の痛みが原因になっていることも。痛みの種類が異なるならば、それらに対する治療法も当然異なるべきです。長期間にわたって通院やリハビリテーションを続けていても改善しないという場合、正しく原因が診断されているのか、病態に応じた治療が行われているのかを検討する必要があるでしょう。
- Qこちらのクリニックでの診療について教えてください。
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A
例えば変形性膝関節症は加齢による軟骨の損傷、もしくは劣化、変性です。加齢は誰にも戻せませんが、痛みの緩和をめざすことで、ご自身の思うように動かせるようになることも期待できます。患者さんによって「痛くなく思ったように動かせる」ところが異なるため、まずは一緒に「めざすゴール」をすり合わせます。その上で各種検査を行い痛みの原因を特定し、それぞれに合わせたオーダーメイドの治療を行います。当院では湿布・内服薬治療から、物理療法、リハビリテーション、注射療法など、手術以外のさまざまな選択肢を提供しています。また、新しい治療に精通する横田直正先生も診療に参加されています。
- Qリハビリにも力を入れていらっしゃるそうですね。
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A
はい。50代はもちろん、60代、70代、80代でもリハビリで痛みや症状の改善を図ることができます。当院は、200平米を超える広いリハビリ室を備えており、10人の理学療法士が在籍しています。関節に負担の少ない範囲で筋肉を鍛えたり、可動域を改善するための動作を行うことで、自分で対処することもできますが、自己流の動きが関節に負担をかけないのか、正しく鍛えられるのかというと難しいことも多いでしょう。そこは理学療法士の指導のもとでリハビリを受けながら行っていただくと安心だと思います。理学療法士が中心となって作成した、自宅でできるリハビリの動画なども紹介していますので、役立てていただけたらと思っています。
- Qどのようなタイミングで受診すべきなのでしょうか。
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A
「膝が痛い、動かしづらい。どうにかしたい」と感じた時が受診のタイミングです。まずは受診してみることで、ほとんどの方にとってプラスになるでしょう。また当院には、非常勤ですが膝の新しい治療を専門に学んでいる横田先生が在籍していますので、治療法についてのご相談にも対応しています。インターネットにもさまざまな情報が掲載されていますが、どの情報が正しいかわからず困惑する方もいるでしょう。膝の痛み、特に変形性膝関節症に関しては、最近研究が進んでいます。ぜひ、信頼できる医師のもとでエビデンスをもとにした情報を得ていただきたいです。