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恒川 宜子 院長の独自取材記事

よしこクリニック

(堺市北区/なかもず駅)

最終更新日:2022/10/21

恒川宜子院長 よしこクリニック main

大阪メトロ御堂筋線のなかもず駅から徒歩1分のクリニックステーションにある「よしこクリニック」は、2020年4月に開業。耳鼻咽喉科の女性医師である恒川宜子院長が耳・鼻・喉の症状を中心に診療にあたり、補聴器に関すること、睡眠時無呼吸症候群のほか耳鼻科領域以外の悩み事相談も受けつけている。治療期間の見通しや推奨通院頻度、現在の状態などを明確に伝える「はっきりと、わかりやすい」診療をモットーに、患者に誠心誠意向き合っている恒川院長に、「通院処置」「鼻うがい」の重要性、診療の際に心がけていること、前向きに通院・治療に取り組んでもらう工夫などを聞いた。

(取材日2021年8月16日)

ウイルス感染対策にもなる、「鼻うがい」を推奨

先生が耳鼻科を専門に選んだ理由や開業の経緯、こちらの特色を教えてください。

恒川宜子院長 よしこクリニック1

父が耳鼻科の開業医で、幼少時は実際に働いているところは見たことがなかったのですが、進路を決める際には自然と同じ道を志していました。私が父と同じ耳鼻科を選んだのは、老若男女すべての方を対象に、自分で病気を見つけて自分で手術・治療もできるから。最初から最後まで診られるところが魅力的だなと思いました。研修後は大阪市立大学医学部附属病院や大阪鉄道病院、医療法人双恵会 耳鼻咽喉科 恒川医院ほか、さまざまな病院・クリニックで経験を積んだのち、2020年4月に当院を開業しました。現在、お子さんを中心に幅広い年齢の方にお越しいただいており、鼻水・鼻詰まり・中耳炎など、日常生活で困る症状に重点を置いて診療しているのが特色です。

患者さんに接する際に心がけていることはありますか。

「病だけでなく、人を診る」。これは父からも常に言われていたことで、私が最も心がけていることです。患者さんの訴え一つにしても局所ばかりを診るのではなく、その方の既往症や内服中の薬、職業含めどのような生活習慣を持っているのか、そういった患者背景に原因が隠れていることもあるので「その人を知る」ことが大切だと考えています。説明の際は難しい言葉では伝わらないので、例え話を使うなどわかりやすい説明も心がけています。鼻水が前ではなく後ろに流れる後鼻漏(こうびろう)という症状であれば、「お化粧の上からさらに化粧品を塗られたら気持ちが悪いので、一度洗い流しましょう」など、メイクに例えて鼻うがいの大切さをお伝えするようにしています。

「通院処置」「鼻うがい」の重要性について教えてください。

恒川宜子院長 よしこクリニック2

鼻水は“何か”に反応して出てくることが多いのですが、その“何か”に反応する場所が粘膜です。汚い鼻水がいつまでも粘膜につきまとうことは良くないですし、飲み薬のみでは満足できないことも。また鼻の突き当たりにある「上咽頭」は耳や喉にもつながる重要な場所で、ウイルスなどが付着しやすい場所でもあります。上咽頭をきれいに洗い流すことが風邪やインフルエンザなどの感染症予防にもなるため、鼻うがいは当院で積極的に推奨しています。受診時の鼻処置・ネブライザー吸引で鼻内および上咽頭粘膜をケアし、自宅では鼻うがいをしていただくことで、患者さんの状態や季節によっては内服薬いらずで過ごしていただける期間も見込めることがあります。そのためには成人の患者さんなら週1回、お子さんでしたら週2回など通院間隔を狭めに設定し、こまめなご来院を推奨しています。

アレルギーや補聴器、睡眠時無呼吸症候群など幅広く

花粉症を含むアレルギー性鼻炎について、知っておくべきことはありますか。

恒川宜子院長 よしこクリニック3

花粉症は鼻水・鼻詰まり・くしゃみというイメージが強いですが、それがなければ問題がないというわけではありません。前から鼻水が出なくても、後ろに流れる「後鼻漏」で喉のイガイガ感や咳を引き起こすことがあり、俗にいう「エヘン虫」も症状の一つ。季節性の花粉症だけでなく、通年性のアレルギー性鼻炎でもこうした症状があれば治療をお勧めしています。また「風邪がずっと治らない」と受診する患者さんもいらっしゃいますが、風邪が何ヵ月も治らないということはまずあり得ません。長引く風邪症状があればアレルギーも疑い、まずは耳鼻科に来院いただきたいですね。診察の上、やはりおかしいとなればすぐに内科をご紹介させていただきます。

補聴器の専門的な外来も設けていると伺いました。

新規の方からすでに補聴器をお持ちの方まで幅広くお越しいただいております。ご自身で相談に来られる方、またご家族の勧めでご来院いただくことも多いですね。当院では補聴器作製をいきなりお勧めするのではなく、まずはレンタルで2週間のお試し期間を設け、「思ったより使いやすい」「意外に煩わしかった」など実際の装用感をご自身で確かめていただきます。また単に聞こえづらいといった場合だけでなく、「後ろからの音を聞き取りやすく」等といった指向性を持った補聴器をお求めのケースにも、専門のスタッフと調整しながら対応させていただきます。医師の診断を受けず広告を見て購入した、ご家族が買ってきたなど、ご自身に合っていない補聴器で困っている方も少なくありません。すでにある補聴器をご持参いただければ調整も可能ですし、どうしても合わなければオーダーメイドをご提案いたします。

睡眠時無呼吸症候群の診療にも力を入れているそうですね。

恒川宜子院長 よしこクリニック4

日中の倦怠感や熟眠感の欠如などの症状をもとにご自身で調べて来られる方、患者さん本人に自覚がなく家族に無呼吸を指摘されて来院される方の2パターンがあります。当院ではファイバースコープで喉の奥まで確認した上で、就寝中の無呼吸を測定できる簡易機器を2日間お貸しし、取得したデータを解析して治療適応があるかどうかを判断します。睡眠時無呼吸症候群の診療は内科のイメージが強いかもしれませんが、耳鼻科で診療を受ける違いはファイバースコープでの診察の有無です。鼻からカメラを入れて喉の奥(気管の入口)まで診て、解剖学的な所見が取れるというのが内科との違いかなと思います。

「誠心誠意向き合いたい」。耳鼻科以外も気軽に相談を

小児患者が多いとのことですが、診療で気をつけていることを教えてください。

恒川宜子院長 よしこクリニック5

お子さんの場合、いきなり診察するのではなく、まずはお名前や年齢を聞くなどの雑談をしてお子さんと仲良くなることから始めています。初めて来院した時は泣いていたとしても、そのうちに全然泣かずに1人で座って処置を受けられるようになるなど成長されていくものです。上手にできたらご褒美のラムネをお渡ししているのですが、それを目当てに頑張って来る子も増えてきました(笑)。最初は機械を怖がることも多いため、指に機械を当ててみたり実際に手を吸って見せたりして、徐々に慣れていってもらえるような工夫をしています。泣いてしまうお子さんでも、繰り返すうちに必ず慣れていきます。最近では遊びに来る感覚で来院してくれる子も。いつも来ていればいざという時に抵抗なく治療に取りかかりやすいというメリットもありますので、私も大歓迎しています。

通院・治療を前向きに継続してもらうための工夫はありますか。

検査の結果などをモニターに表示して患者さんにお見せするようにしています。エックス線画像や聴力検査など前回の結果と重ねて比較ができるので、変化などがわかりやすく患者さんの納得度も上がると思います。実際に良くなっていてもご本人が気づいていないケースもありますが、定期的に検査をして成果を認識できれば治療に対する意欲も湧いてくるでしょう。また治療途中で通院が途絶えてしまうことがないよう、当院では「週○回来てください」「治療期間はこれくらいです」など見通しを立て具体的に伝えるようにしています。

地域の方々にメッセージをお願いします。

恒川宜子院長 よしこクリニック6

診察は受けたけど「結局何だったのかな?」とならないように、まずは結論からお伝えするようにしています。それが少しきついと捉えられることもありますが「はっきりしていてわかりやすい」と言ってくださる方もいらっしゃいます(笑)。また診察の際、耳鼻科以外の相談をされる方もいらっしゃいます。高齢の方であれば「関節が痛い」「他の病院でこう言われたけれどどうしよう」などさまざまな悩みをお持ちかと思います。気になることがあったら些細なことでも何でもお話しください。患者さんにとって初めてのクリニックは、医師がどんな人物かも含めて来院自体が一大イベント。患者さんから頂く「来て良かった」という言葉に日々気持ちを新たにしながら、患者さんに対し誠心誠意、向き合う気持ちを大切にして診療に努めていきたいと思います。

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