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でべそ、鼠経ヘルニア、切れ痔
気になる子どもの症状は小児外科へ

渚たなのファミリークリニック

(枚方市/枚方市駅)

最終更新日:2024/04/08

渚たなのファミリークリニック でべそ、鼠経ヘルニア、切れ痔 気になる子どもの症状は小児外科へ 渚たなのファミリークリニック でべそ、鼠経ヘルニア、切れ痔 気になる子どもの症状は小児外科へ
  • 保険診療

子どもの発熱や腹痛、目にものもらいができた、ケガをした……。そんなときどの診療科を受診したらいいのだろうか。子どもに関することなら小児科と考えがちだが、内科・外科領域にかかわらずオールラウンドに対応する小児外科も頼れる選択肢だ。「渚たなのファミリークリニック」は、“鼠経ヘルニア”や“でべそ”“切れ痔”など子ども特有の症状に対応。小児外科学会小児外科専門医である棚野晃秀院長によると、「大人になれば自然に治るだろう」と言われることも多いケースでも、早期に見つけて対処することで、将来複雑な手術や、見た目だけで手術を行わなくてはいけなくなる可能性の回避にもつながるなど多くのメリットが期待できるという。多岐にわたる小児の病気に対応する小児外科について、他の診療科との違い、小児特有の病気について聞いた。

(取材日2023年6月29日)

でべそ・鼠経ヘルニア・切れ痔など気になる子どもの症状は、内科・外科各領域の専門家がいる小児外科へ

Q小児科と小児外科、外科はどのような違いがありますか?
A
渚たなのファミリークリニック 小児外科は内科・外科領域にかかわらず、オールラウンドに対応

▲小児外科は内科・外科領域にかかわらず、オールラウンドに対応

大人の領域はもちろん、小児外科は内科的診療から手術までオールラウンドに対応する点が、小児科との大きな違いです。骨や脳神経領域を除くほとんどの分野に対応し、一次医療として眼科・耳鼻咽喉科・皮膚科などの各疾患の診療も行います。子どもは大人の縮小版ではなく、年齢によっても発症する病気が異なったり、先天的な疾患から発症頻度の少ない“がん”にも対応するため、主に “がん”を扱う成人外科とも大きく違います。現代の医療は細分化され、医師の専門分化が進んでいますが、子どもの病気は救急疾患が多いため、救急科・麻酔科・集中治療も含めたすべての小児医療に一貫して対応できる知識と技術を有すのが小児外科の特徴です。

Qどのような症状、疾患を診ていただけますか?
A
渚たなのファミリークリニック でべそ、便秘や切れ痔、鼠経ヘルニア、虫垂炎など幅広く診療

▲でべそ、便秘や切れ痔、鼠経ヘルニア、虫垂炎など幅広く診療

特に多いのは、“でべそ”“便秘や切れ痔”“鼠経ヘルニアいわゆる脱腸”“虫垂炎いわゆる盲腸”などです。他院を受診した際に「大きくなれば自然に治ることがあるから」といわれる疾患もありますが、早く見つけて適切なタイミングで治療を開始することが重要です。気になることがあればまずは小児外科を受診してください。鳩胸の診療や、便秘と深い関係性がある“夜尿症”などのご相談も増えています。喉の奥にある扁桃腺が大きくなるアデノイド扁桃のほか鼻水・咳といったアレルギー疾患など、小児の疾患はほぼすべての領域に関して診察させていただき、場合によっては高次の医療機関で専門的に診察・治療継続ができるようご紹介しています。

Q子どもの排便後、血がついていることがあり心配です。
A
渚たなのファミリークリニック 患者や家族のバックグラウンドに合った治療を提案

▲患者や家族のバックグラウンドに合った治療を提案

“便が硬い”“生まれつき肛門が狭い肛門狭窄”などが理由で肛門が裂け、出血するのが“切れ痔”です。治ったり再発したりを繰り返すことで“見張りイボ”というトゲのような突起物ができることがありますが、これ自体は何ら問題はありません。最も注意すべきは排便時に痛みから、トイレを嫌って便秘になり、腹痛を訴え、便秘解消のための浣腸治療でまた裂肛するという点です。こうした悪循環を断ち切るためには早期に切れ痔を見つけて対処することが大切です。乳児期・幼児期・学童期などの年齢や、保護者の方の負担を減らすため、ライフスタイルを加味しながら、軟こうや内服薬を用いてその子に合った治療を行い排便コントロールをめざします。

Q子どものおへそが出ているのですが、治療したほうがいいですか?
A
渚たなのファミリークリニック 穏やかな口調で丁寧に説明してくれる棚野院長

▲穏やかな口調で丁寧に説明してくれる棚野院長

臍ヘルニアいわゆる“でべそ”は赤ちゃんに見られるへその緒がつながっていた穴が生後に閉じきる前に、皮膚越しに腸が飛び出した状態です。生後1ヵ月前後から大きくなり始め、寝返りを打つ前の生後3~4ヵ月くらいまではどんどん大きくなり、1歳くらいまでにその多くは縮小します。「大きくなれば自然治癒が望める」と言われますが、実は5~10%は“でべそ”が残ったり、期間が長かったゆえに皮膚が伸びて“臍醜形”になり手術適応になることもあります。成長後に対処する場合は手術が必要になるため、生後3~4ヵ月までに医療用テープによる圧迫法を始めることが大切。肌が敏感なお子さんでも対処法はあるのでまずはご相談ください。

Q鼠経ヘルニアとはどのような病気でしょうか?
A
渚たなのファミリークリニック 早期治療が重要なため、早めに相談してほしいと語る棚野院長

▲早期治療が重要なため、早めに相談してほしいと語る棚野院長

“脱腸”とも言われる鼠経ヘルニアは、足の付け根部分に腸などがポコンと飛び出す病気です。お母さんのおなかの中にいるときに閉じるべき袋の根元が閉じ切らずに残ってしまった袋に腸などが出入りするもので、赤ちゃんの3~5%ほどに起こると言われています。脱出した腸が戻らなくなる嵌頓(かんとん)という状態になると緊急手術が必要になるほか、鼠経ヘルニアは男の子であれば精巣・精管、女の子であれば卵巣・卵管に影響を及ぼすことがあります。現在は腹腔鏡を用いた低侵襲手術が主で、手術さえしてしまえば再発はしにくいです。足の付け根に膨らみがある場合は受診していただき、診断がつけば適切な時期に治療を行うことが大切です。

ドクターからのメッセージ

棚野 晃秀院長

小児外科では、大人の外科領域はもちろん、子どもの病気に関して、ほとんどの領域を診察しています。子どもの病気は救急疾患以外にも慢性疾患や精神疾患も多いために、小児外科専門医はそうした知識を認識しています。小児科や外科とは違った、“小児外科”という分野があることをより多くの方に知っていただきたいですね。お子さんの症状で何か気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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