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山口 敏紀 院長の独自取材記事

やまぐち内科クリニック

(広島市南区/広大附属学校前駅)

最終更新日:2023/03/16

山口敏紀院長 やまぐち内科クリニック main

広電1号線の県病院前電停から徒歩1分の場所にある「やまぐち内科クリニック」。近代的で清潔感のある建物は白を基調にした外観で、看板の前に植えられているオリーブの木が印象的だ。山口敏紀院長は、父親が開業していた産婦人科の建物を改築してこのクリニックを開業。院内も広く、院内に用いられる配色やトイレつきの個室など、院長のこだわりが随所に見られる。消化器内科を専門する山口院長は苦痛に配慮した内視鏡検査で胃がんや大腸がんの早期発見に取り組むほか、内科疾患や生活習慣病にも対応。穏やかな口調のドクターで、どんな質問にも丁寧に答えてくれる様子から、真面目で誠実な人柄が垣間見える。地域に根差したクリニックをめざす山口院長に、開業のきっかけや診療での心がけなど、さまざまに話を聞いた。

(取材日2022年12月7日)

背中を見ていた父親と同じ場所で開業

お父さまは産婦人科医でいらっしゃったとか。先生が医師をめざされたのは、お父さまの影響でしょうか。

山口敏紀院長 やまぐち内科クリニック1

やはり父の影響が大きいですね。影響といっても何か明確なものがあったわけではありません。深層心理に刷り込まれたといいますか……、心のどこかでは常に父に憧れていたんだと思います。患者さんに感謝される父の姿は私も誇らしく感じていましたから。ただ、父と同じ産婦人科へは進みませんでした。産婦人科は父が一人で診療していましたので、常に忙しそうで休みがない父の姿をいつも見ていたからかもしれませんね。ですが、だからといって消去法で内科を選んだ、ということではないんですよ。医学を学んでいくうちに、内科の中でも特に消化器内科に興味を持ったんです。消化器の診察では内視鏡やエコーを使いますよね。それを医師自らが行うことが面白いと思ったんです。手技が必要な診察や治療は私にとって魅力的でした。

お父さまと同じ場所で開業されたことについても、お伺いできますか?

よく「お父さんから同じ場所で開業するようにお願いされたんですか?」と聞かれるんですが、父がはっきりと言ったわけではありません。これもおかしな話で、開業するにあたって、他にいろいろな場所を見ていました。でも私の気に入るところがなくて。結局、父と同じこの場所で開業することにしました。今思えば父も私も思い入れのある土地ですから、同じ場所で開業できて良かったと思います。それに、患者さんの中には父を知っている方も多いです。この場所でお子さんを産んだ方や、父に取り上げてもらった方もいらっしゃいます。そういう患者さんのお話を聞かせてもらうと、地域とのつながりをひしひしと感じますね。

勤務医としても長くご経験を積まれていますよね。開業に至ったきっかけをお聞かせください。

山口敏紀院長 やまぐち内科クリニック2

大学を卒業後、広島大学病院や広島市立舟入病院などに勤務しましたが、ターニングポイントとなったのは庄原赤十字病院です。庄原市の基幹病院なので、救急搬送されて来る患者さんをはじめ、内科に関わることならなんでも診察していました。地域柄か、患者さんも良い方ばかりで、外来の楽しさも知ったのもこの病院です。次に勤めたところが呉医療センター・中国がんセンターだったのですが、庄原赤十字病院とはまた違う医療や技術に触れることができました。がんの症例も随分診ましたね。勤務医としていくつかの病院に勤めたことで、一通りの知識や技術が会得できたという感触がありました。じゃあ次に何をしようかと、開業を考えた始めたのが2015年頃のことです。それから3年後にこのクリニックを開業しました。

身体の不調を、体だけでなく心の面からもサポートする

昔の建物を改築するにあたって、こだわった点や自慢できる部分はありますか?

山口敏紀院長 やまぐち内科クリニック3

クリニックですので、清潔感のある明るい院内にしてほしいと業者さんにお願いしました。当クリニックの自慢は、やはりトイレつきの個室ですかね。大腸の内視鏡検査を受ける患者さんが下剤を飲む時に過ごしていただく場所です。下剤を飲むのがつらいという患者さんも少なくないので、プライバシーを守ることで少しでも患者さんの不安や負担を減らせればと、トイレつきの個室を3室つくりました。待ち合いのトイレを使うよりもリラックスできますし、気分的に楽だと思うんです。また、当院には人工肛門や人工膀胱の方のためのオストメイト専用トイレもありますので、オストメイトの患者さんも安心して来ていただければうれしいです。

内視鏡検査は緊張すると思います。患者さんの不安な気持ちに寄り添った診察をされているんですね。

そうですね。やはり患者さんの中には検査や診察を嫌がったり怖がったりする方もいらっしゃるので。内視鏡検査に関しては、鎮痛剤なども使いながら、患者さんが楽に検査を受けられるようにしています。消化器内科の受診理由で多いのが、健康診断で便潜血が見つかったという患者さんです。健康診断で引っかかった場合、不安な気持ちが大きいでしょうから、可能な限り患者さんの気持ちに寄り添った診察ができたらいいなと思っています。それから、消化器内科を受診する患者さんは若い方も多いんです。当クリニックは30代から40代の患者さんが多いですが、中学生や高校生の患者さんもいらっしゃいます。受験のストレスで胃痛を抱えている方や、過敏性腸症候群の方も少なくはないですね。そういった方には、対症療法だけでなく、心の面からもサポートしていくようにしています。

心の面のサポートとは、具体的にどのようなことをされるのですか?

山口敏紀院長 やまぐち内科クリニック4

原因がストレスや精神的なものからくる体の症状は、薬などで対症療法を行ったとしても根本的な解決にはなりません。そういった場合は精神的な問題も考慮し、患者さんの話を聞きながら、心身ともに患者さんに負担のない治療を心がけています。看護師さんやスタッフにも患者さんへの配慮を伝えています。私が口を出さなくても、看護師さんたちは常に患者さんに対して優しく丁寧に接してくれていますけどね(笑)。クリニックのスタッフには感謝しています。身体的な問題も精神的な問題も、当クリニックで対応できない場合は、専門の病院や医師を紹介しています。そのほうが患者さんのためになりますから。

父の代から続く場所で地域に根差した医療を

この辺りは住宅地ですが、患者さんは近隣にお住まいの方が多いのでしょうか?

山口敏紀院長 やまぐち内科クリニック5

先ほど、消化器内科を受診される患者さんは若い方が多いと話しましたが、内科を受診する患者さんは近所にお住まいの方が多いですね。飛び込みでいらっしゃる患者さんも少なくないです。高齢の患者さんや、生活習慣病のかかりつけの医として当クリニックを選んでくださっている方も多いですよ。やはり長年地域で親しまれてきた父の産婦人科と同じ場所に開業したのが良かったのだろうと思います。地域の方々に頼りにしてもらえるというのはうれしいです。皆さんの健康を支えるかかりつけ医として、もっと地域の役に立ちたいと思っています。

地域に貢献するクリニックをめざしていらっしゃるのですね。

もちろんです。中山間地域の基幹病院に勤めていた時、患者さんからとても頼りにしてもらっていました。私も、これだけ頼られているなら患者さんの期待に応えたいと思って頑張りました。この時の経験がなかったら、こんなに地域貢献について考えなかったと思います。地域に根差す医療とはどういうものか、地域に貢献するためにはどうしたらいいのかを考えるきっかけをくれました。この地域には高齢の方も大勢住んでいらっしゃいますので、かかりつけの医師として、いずれは可能な限り訪問診療もしていきたいと考えています。父がしてきたように、私もこの地域に貢献したいんです。県外の大学卒業後はすぐに広島に戻ってきましたし、やっぱり私はこの地域が好きなんだと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

山口敏紀院長 やまぐち内科クリニック6

患者さんが感じる不安や痛みはできる限り減らしていきたいと考えながら、日々診察にあたっているつもりです。ストレスで胃がきりきり痛むなど、消化器疾患は精神的な問題が関わっている場合も多いので、ゆっくりお話を聞かせてもらえたらと思います。とにかく丁寧に対応したいというのが私のモットー。病気のことでお伝えするならば、やはり早期発見と早期治療のためにも、定期的に検査を受けていただくことが大事です。医療機関に対して苦手意識を持っていたり、なかなか受診への一歩が踏み出せなかったりする方もいらっしゃると思いますが、そういう方こそ当クリニックを受診していただければと思います。お気軽にお越しいただければうれしいです。

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