全国のドクター9,190人の想いを取材
クリニック・病院 158,623件の情報を掲載(2024年5月01日現在)

  1. TOP
  2. 千葉県
  3. 市川市
  4. 本八幡駅
  5. 青葉メディカルケアクリニック
  6. 岩倉 芳倫 院長

岩倉 芳倫 院長の独自取材記事

青葉メディカルケアクリニック

(市川市/本八幡駅)

最終更新日:2024/04/01

岩倉芳倫院長 青葉メディカルケアクリニック main

千葉県市川市の「青葉(あおは)メディカルケアクリニック」は、本八幡駅から線路沿いに歩いてすぐの建物の2階にある内科の診療所だ。身近なかかりつけ医でありつつ、岩倉芳倫院長が大学病院で積み重ねてきた内分泌・代謝に関わる深い学識と豊富な臨床経験をもとに、ホルモンの異常に発する甲状腺・副腎・下垂体などの多くの病気、さらには糖尿病・高血圧・腎臓や尿の病気など、広範囲の内科疾患に対して適切な治療方針の提供に努め、長年の病に苦しめられてきた患者のために寄り添っている。血液や尿などの検査データの分析を得意とするほか、不定愁訴の診断と治療にも強みを見せる院長に、内分泌・代謝内科とはいかなる診療科でどんな治療を行っているのか、そして患者に期待したい姿勢について語ってもらった。

(取材日2023年7月14日)

甲状腺疾患などホルモンの異常による幅広い病気を診療

内分泌・代謝内科とはどのような疾患を診る科なのでしょうか?

岩倉芳倫院長 青葉メディカルケアクリニック1

簡単に言うと、ホルモン分泌の異常による疾患が対象です。これを聞く限り、ピンポイントで狭い領域に思えるかもしれませんが、実はまったく逆で、内科の疾患にかけてはオールマイティーだと言えます。内分泌・代謝・栄養を制する者は健康を制す、と考えて診療しています。私は日本内分泌学会内分泌代謝科専門医の資格を持っていますが、これには糖尿病も甲状腺疾患も、さらには骨粗しょう症の診療経験も必要となります。他にも副腎疾患、下垂体疾患、二次性高血圧、電解質異常など、対象疾患を挙げれば切りがありません。内分泌・代謝内科があるのは大学病院か総合病院がほとんどで、診療所である当院は珍しいと思います。ですが、ホルモンは体のバランスを精密にコントロールしている非常に重要な物質だけに、私たちホルモンを専門とする医師という存在をぜひ知っていただきたいですね。

診療の特徴や、患者の傾向について教えてください。

血液や尿のデータから、ホルモンが正常に働いているかを調べ、バランスが崩れているところを見つけて治療につなげていきます。ホルモンと直接関わる甲状腺や副腎などはもちろん、高血圧も糖尿病も内分泌疾患と関わりのある場合が多いので、データをきちんと読み取れれば、すべき治療が決まってくるわけです。これにより患者さんは治療の意義・目的がわかり、治療期間も大体わかってきます。当院を受診される患者さんは、糖尿病と甲状腺の病気が多く、副腎疾患や骨の病気で来られる方も目立ちます。骨の異常は整形外科というのが一般のイメージだと思いますが、骨折を予防する観点から、今では内科でも骨を診ることが増えてきて、特に内分泌・代謝内科では骨の代謝を詳しく調べることで、より的を絞った治療につなげられるよう努めています。

先生はどうして内分泌・代謝に興味を持ったのですか?

岩倉芳倫院長 青葉メディカルケアクリニック2

私はもともと、小さい頃は小児科志望で、学生の頃は外科を志望していました。しかし、学年が上がり勉強していくと徐々に内科に興味が移ってきて、特にホルモンや電解質、血圧などの数値の異常を患者さんの状態と照らし合わせ、治療の道筋を決めていくスタイルが自分に合っていると感じました。医師になりたての頃にも、患者さんの尿のデータを分析するのがとても勉強になりましたね。そして、重症の患者さんを診ていくうちに、予防の重要性を強く認識するようになり、内分泌・代謝学を本格的に学ぶことになりました。

体に無理をさせてきた分、厳しい食事療法にも耐えて

こちらでは糖尿病の患者にどのような治療を行っていますか?

岩倉芳倫院長 青葉メディカルケアクリニック3

当院での2型糖尿病の患者さんに対する治療は、基本的に“薬ファースト”ではありません。内分泌代謝科専門医として、ホルモンの観点からその人がなぜ糖尿病になったのかを考え、それを踏まえた食事療法を中心に進めながら、必要であれば薬も使うというスタンスをとっています。その際、糖尿病という1つの病気だけを対象にしないで、広い意味での生活習慣病、あるいは栄養障害の一環として捉えるため、食事療法の目的はただ血糖値を下げることをめざすだけにとどまりません。エネルギーを考慮した脂質やタンパク質のバランス、あるいはビタミンなどの栄養素にも着目し栄養指導をしていきます。患者さんには食事療法に前向きな気持ちを持ち、継続して取り組んでいただく必要があります。そうではない場合、思うようにいかないことがあることも前もって認識していただく必要があります。

食事療法のポイントと、先生が患者に栄養指導をする時の心がけについて教えてください。

一言にまとめるなら、糖質制限をしっかり行う食事療法です。これまでは糖質と脂質とタンパク質をおよそ5対3対2の割合でとるような、“バランスの良い食事”が奨励されてきました。しかし近年、糖質制限の期待できる効果を示すエビデンスが出てきた結果、医療者の間では三大栄養素の割合も糖質を控える方向に見直されつつあります。私の栄養指導は患者さんから見て、かなり厳しいだろうと思います。病状が重い方の場合、例えば「あなたはこれまで、ご自身の内蔵にパワハラしていたようなものです。それに長年気づかないで疲弊させてしまったんです」などと、あえてショックを与えるような言い方もします。それだけ栄養の見直しが大切だからです。

エイジングケアへの取り組みにも力を入れているそうですね。

岩倉芳倫院長 青葉メディカルケアクリニック4

はい。ただ、正面切ってエイジングケアをしているというよりも、診療科の特性から、治療全体にそうした考え方が反映されているという感じです。例えば、糖尿病や高血圧、腎臓病などの患者さんには、常に危機感を持って日々の食事や生活と向き合っていただかなければならないので、栄養指導も自然と細かい内容に及びます。普段の診療からエイジングケアに即したコメントをつけ、患者さんが参考にできるようにしています。

ほかとは違うデータ分析で不定愁訴の原因の特定を

不定愁訴専門の外来を設けているのも目を引きます。

岩倉芳倫院長 青葉メディカルケアクリニック5

不定愁訴に関しても、内分泌・代謝や腎臓のデータをたくさん診てきた経験が役立つと考えています。患者さんの中には、甲状腺疾患じゃないか、あるいは副腎、下垂体、腎臓の病気じゃないかとご自身で見当を付けて受診される方も多く、調べてみるとそうではなく別の箇所に問題があることが大半なのです。健康診断の結果がどの数値も正常範囲であったとしても、私が普段行っているデータの見方に照らすと、バランスがおかしいと感じる部分があるかもしれません。数値が正常範囲の下限や上限にある項目などを見逃さずにピックアップすることで、患者さんの不調の原因を探るようにしています。その多くは栄養障害やバランスの偏りであることも事実で、食事・栄養についてのアドバイスをしております。

データで異常を見つけられれば、早期治療につなげられそうですね。

疲れやすいとか、倦怠感、朝起きられない、睡眠障害、頭痛、動悸、むくむ、などの症状にはほとんど対応できると思います。データが正常範囲に収まっていることで、体調が優れなくても年のせいや更年期だとか、単なる疲労やストレス・自律神経で済ましてしまうことが多いですが、この段階でデータのおかしい部分に気づくことができれば、その原因を指摘し、指導し、場合によっては薬でも改善を図ることができると考えています。できれば、前の先生のところでCTや心電図などいろいろ検査して異常なしと言われていた方が、それを前提に進めていけるのでやりやすいかもしれません。

読者へのメッセージをお願いします。

岩倉芳倫院長 青葉メディカルケアクリニック6

私は小さい頃、血液の病気で長くは生きられないと医師に診断されていたそうです。地元のこども病院にかかりっきりだったのは覚えていて、気づいたらお医者さんになりたいと思うようになっていました。その後は剣道などのスポーツに打ち込んで、今も変わらない負けず嫌いな性格が形成されました。だからでしょうか、なるべく患者さんの病気・不調の原因を私が見つけて、私の手でなるべく治していきたいと考えて日々診療しています。ですから、私は患者さんにも、病気を治したい、健康になりたいという本気の姿勢を求めています。生活習慣病やホルモンの病気は一朝一夕に改善が望めるものではないからこそ、真剣になっていただきたいのです。もし患者さんが私にいい加減なことを言っても、データはうそをつきません。当院では“データから考える医療”で、本気の方に本気でお応えしていきます。厳しくてもやり抜く覚悟のある方、心よりお待ちしています。

Access