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杉原 暁美 理事長の独自取材記事

すぎはら小児科・アレルギー科

(札幌市手稲区/手稲駅)

最終更新日:2021/10/12

杉原暁美理事長 すぎはら小児科・アレルギー科 main

JR函館本線・手稲駅南口から徒歩1分のメディカルビル3階にある「すぎはら小児科・アレルギー科」。日本小児科学会小児科専門医と日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を持つ杉原暁美理事長が2017年に開業したクリニックだ。一般的な風邪の症状から食物アレルギーやアレルギー性鼻炎、喘息まで幅広い診療に対応。患児とその家族の気持ちに寄り添う杉原理事長の丁寧な診療が、厚い信頼を集めている。謙遜で物腰がやわらかく、話す言葉の一つ一つから優しい人柄が感じられる杉原理事長に、診療に対する思いをたっぷりと語ってもらった。

(取材日2021年3月6日)

頑張る子どもたちを支えるために小児科の道へ

そもそも、なぜ先生は医師の道を志したのですか?

杉原暁美理事長 すぎはら小児科・アレルギー科1

実は最初から「医師になりたい」と強く思っていたわけではなく、子どもの頃はお花屋さんになりたいと思っていたこともありました。でも、高校生になり将来の進路を具体的に考えるようになると、「私には人よりも秀でた特技があるわけではないけれど、何か人の役に立つような仕事をしたい」と思うようになったのです。その選択肢の一つとして挙がったのが、医師という仕事でした。

小児科を専門にしようと思ったのはなぜですか?

学生時代に実習でいろいろな診療科を回ったのですが、患者さんと接していく中で、子どもが頑張っているのを応援したいと思うようになりました。最初は治療がつらくて泣いてばかりいた子どもが、元気になって退院していく姿を目の当たりにして、もっと力になりたいと思ったのがきっかけです。卒業後に勤めたのは宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)の小児科でした。在籍中の赴任先で盆地のため寒暖差があり、喘息の発作が出やすい地域がありました。当時は今のステロイド吸入を中心とした治療法が普及しておらず、喘息のコントロールは難しかったので、秋になると真夜中でも多数のお子さんが列をなして吸入のために来院することもありました。そのことに心がとても痛み、なんとか良くしてあげたいと強く思ったのが、小児のアレルギーを専門とするきっかけになっています。

長年勤務医としてご活躍されていた中で、開業をしようと思ったのはどうしてですか?

杉原暁美理事長 すぎはら小児科・アレルギー科2

開業前は10年以上にわたって総合病院に勤務していました。総合病院は、大きな病院だからこそできることも多いのですが、その一方で組織が大きすぎて自分の理想とするような患者さんとの関わり方が難しかったり、思うような薬が使えなかったり、いろいろな診療面での縛りも多かったのです。私自身はもう少し患者さんと向き合う時間を取りたいと感じるようになり、自分の思い描く診療をするために開業を決意しました。

開業にあたってこの場所を選んだ理由を教えてください。

私はもともと宮崎県の出身で、30歳まで海が身近な場所で暮らしていたのですが、結婚後、主人の仕事の転勤で和歌山、北海道という感じで北へ北へと移動してきたんですよ。北海道では、最初の1年間を苫小牧で生活し、その後縁あって札幌市手稲区に移ってきました。ここは、札幌の中でも一番海に近いエリアで、日本海と太平洋とでは海の雰囲気は少し違いますが、それでも生まれ育った宮崎となんとなく雰囲気が似ているんですよ。手稲山もすぐそばに見え、四季を感じながら生活できるのもすてきだなと思って、この地で開業することを決めました。実際にここで暮らすようになって、手稲エリアは北海道の中でも歴史がある地域なのですが、その歴史を大切にしながらも新しい人を受け入れてくれるような、温かみのあるところだなと感じています。

チーム医療で一人ひとりに合った治療を提供

こちらのクリニックの患者層や目立つ主訴についてお尋ねします。

杉原暁美理事長 すぎはら小児科・アレルギー科3

メインは幼児や小学生のお子さんですが、当院ではワクチン接種も行っていますので、乳児のお子さんも多いですね。主訴としては、一般的な風邪症状だけでなく、長引く咳や鼻水、繰り返す湿疹といった訴えが目立ちます。また、近頃は新型コロナウイルスの影響でストレスを抱えているお子さんも増えていると感じます。頭痛や腹痛で、学校に行けなくなってしまったり、人と関われなくなってしまっているお子さんが増えています。本人はストレスと思っていなくても、ちょっとした風邪をきっかけに抱えたストレスが表面化することも少なくありません。患者さんの多くはインターネットで検索したりクチコミで来院されますが、当院では気になるお子さんは、保健センターや学校と連絡を取り合っているので、保健師さんや学校の先生に紹介されて来院してくださるケースもあります。

クリニックの特徴について教えてください。

喘息の発作のコントロールできないお子さんの場合、内服と吸入を組み合わせて治療するのが一般的ですが、当院ではそれでも良くならない場合には、注射による治療も行っています。また、ダニによるアレルギー性鼻炎のお子さんには「舌下免疫療法」といって、アレルギーを起こす成分を毎日、少量摂取することで体が反応しなくなるようにしていく治療も行っています。そのほか、食物アレルギーで除去していた食物が食べられるようになったかを確認する「食物経口負荷試験」や、アトピー性皮膚炎のお子さんのスキンケア指導、肥満のお子さんの食事や生活の指導も行っています。また、吸入器の使い方や、アナフィラキシーが起こった場合の自己注射薬の使い方も丁寧に説明しています。その子により良い治療をスタッフと一緒にチーム医療として追求しているのが特徴です。

小児のアレルギー疾患にはどのように取り組んでいますか?

杉原暁美理事長 すぎはら小児科・アレルギー科4

お子さんや家族のやる気を引き出すことが大事だと考えています。そのためにクリアできるゴール設定を行います。例えば、喘息なら入院をしなくて済むように今晩の発作増悪を防ぐことだったり、薬を使いながらでも夜間ぐっすり眠れるようになることや発作なく運動ができるようになることだったり。お子さんごとに状況に応じて目標を設定します。最終的には薬を使わなくても元気に過ごせることがゴールです。目標達成のために今の状態を評価する目的で各種検査を行うこともありますし、環境整備や治療を継続することの大切さを伝えています。

相手の頑張りや不安をしっかりと受け止め、認める

診療の際に先生が大切にしていることは何ですか?

杉原暁美理事長 すぎはら小児科・アレルギー科5

「相手の気持ちに耳を傾けて認める」ということですね。実は、私自身が子育てを経験するまでは、処方された薬を飲んでいないお子さんの親御さんに対して、「どうしてきちんと薬を飲ませないのだろう」、「薬をしっかり飲ませないと良くならないのに」と思うこともありました。でも実際に自分が親になってその大変さを知り、子どもの性格によってはどんなに頑張っても薬を飲ませることが難しいこともあるし、日々の生活の中で毎日続けることが大変だということもわかっています。大変な思いをしながら治療を頑張っているお子さんや、悩んでいるお母さんの思いを、しっかりと受け止めて認めることで、より良い医療につなげたいと思っています。子どもとのより良い関わり合い方を学ぶセミナーに通って得た「子育てコーチング」の学びが仕事にも生きています。

設備面で何かこだわったことがあれば教えてください。

小さなお子さんたちに楽しく安全に過ごしていただくために、診察室と待合室を風邪症状のあるお子さんとそうでないお子さんに分けています。また、当院では玄関で靴を脱いで上がってもらうのですが、あえてスリッパの用意はありません。スリッパが脱げて小さなお子さんがケガをしないように配慮しています。また、家庭のリビングにいるようにリラックスしていただきたいと思っています。来院すると靴下を脱いで過ごすお子さんもいます。お手洗いには小さなお子さん用の手洗い器やスリッパを設置するなど、ママ目線でそろえた設備や備品が他にもあります。北欧の自然をイメージしたデザインで大人も落ち着ける空間となっています。また、時間のかかる食物経口負荷試験時には退屈せずにゆっくり過ごせる個別のスペースがあります。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

杉原暁美理事長 すぎはら小児科・アレルギー科6

「こんなことで受診してもいいのかな」と悩まれるようなことでも、気軽に受診できるクリニックでありたいと思っています。これからも皆さんに親しまれるクリニックをめざして頑張っていきますので、遠慮せずに相談に来ていただけたらと思います。特に、アレルギーかどうかわからないけれど、症状が長引いているという場合はぜひ一度ご相談にいらしてください。

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