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林 正幸 院長の独自取材記事

糖尿病・甲状腺木場内科クリニック

(名古屋市港区/道徳駅)

最終更新日:2021/10/12

林正幸院長 糖尿病・甲状腺木場内科クリニック main

2018年5月に開業した「糖尿病・甲状腺木場内科クリニック」のクリニック内は、車いすで来院する患者のためにバリアフリーとなっている。院長の林正幸先生は、名古屋大学大学院医学系研究科博士課程修了、社会保険中京病院時代(現・中京病院)から約20年近く糖尿病・内分泌内科の勤務医としての経験に基づき、同クリニックでは糖尿病や内分泌代謝科、総合内科の専門家として患者へのアドバイスと個人に合わせた治療を行っている。待合室は、外からのプライバシーは守られつつ明るく開放的な印象で、ウォーターサーバーも設置され患者が自由に使える。患者との対話を大切にしているという林院長に、糖尿病との付き合い方や診療に対する思いを語ってもらった。

(取材日2019年7月24日)

専門性を生かし、患者一人ひとりに向き合う診療

勤務医時代のお話を聞かせください。

林正幸院長 糖尿病・甲状腺木場内科クリニック1

名古屋大学医学部を卒業後は社会保険中京病院で研修医を勤め、名古屋大学大学院医学系研究科へ進むために社会保険中京病院を離れますが、同大学院の博士課程修了後に再び社会保険中京病院の内分泌代謝科医長として戻りました。その後、独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院へと病院名が変わりつつ、最後は内分泌・糖尿病内科診療部長、糖尿病センター長を勤めさせていただきました。糖尿病の治療は、データを見て診断、治療効果も数字で出てきます。そして、比較的元気な患者さんが多く、話をすることが好きな私には合っていたようです。開業についてはあまり考えていなかったのですが、当時の上司が独立開業したことがきっかけとなり、私自身の開業についても意識するようになりました。また働くことが好きなので定年を迎えることなく、自分の好きなペースで仕事ができるというのも魅力に感じていました。

開業するにあたりクリニックづくりでこだわった部分を教えてください。

限られたスペースを「いかに快適な空間にできるか?」を考えました。まず患者さんが過ごす待合室は、車いすの人も多く来院されるので不自由なく通れるように広くゆったりとしました。トイレもバリアフリーにして広くきれいにしようと思いました。そして、診察室を2部屋にすることにより、糖尿病の患者さんへの栄養相談や注射の指導をできるようにもしています。またオープンで患者さんが話しやすい雰囲気づくりをめざしていることもあり、スタッフを採用する時も、患者さんへ優しい接し方ができることや、電話や受付の対応を重視しました。病院という場所柄、どうしても患者さんはストレスを感じやすいので、少しでもそのストレスを減らすことができるようにクリニックのハード面やソフト面で工夫をしました。スーパー隣接で駐車場も完備しており、通いやすい立地になっています。

来院する患者の年齢層や主訴はどのようなものが多いですか?

林正幸院長 糖尿病・甲状腺木場内科クリニック2

一番多いのは糖尿病の患者さんです。糖尿病の患者さんは中京病院や中部ろうさい病院からの紹介で多く来院されています。私のクリニックで対応が難しい重度の糖尿病の患者さんは、こちらから中京病院や中部ろうさい病院へ紹介するのですが、逆に症状が安定してきた糖尿患者さんのフォローアップとして私のクリニックをご紹介いただいています。基本的に近隣の地元の60~80代の高齢者が多いです。40代前後の若い糖尿病患者さんはインターネットで検索して来院されています。次に多いのは、クリニック名にも入れている甲状腺の患者さんは健康診断でひっかかり来院される40~50代の女性の方が多いです。もちろん、高血圧だけの患者さんをはじめ、風邪や便秘、不眠症など一般内科の主訴で来院される患者さんもいらっしゃいます。

性格や生活環境に合わせたオーダーメイドの治療計画

初診の患者さんを診療する際に心がけていることを教えてください。

林正幸院長 糖尿病・甲状腺木場内科クリニック3

患者さんも私もお互い初めての対話になるので、「どんな希望があるのか」をしっかりと聞くことを心がけています。紹介状をお持ちの患者さんに関しても、紹介状の内容はもちろんのこと、それ以外に「心配なこと、気になる健康面のことはないか」を聞いていきます。特に糖尿病の患者さんには、「どれくらいの血糖値をめざしているのか」なども聞いています。また、高齢の患者さんの多剤服用に留意して、今まで飲んでいた薬の再確認や不要な薬があれば減薬なども行っています。予約なしでも来院可能ですが、予約してから来院していただくと待ち時間が短くなります。初診の患者さんでも電話で診療予約が取れますので、電話でご予約の上、お薬手帳か現在服用している薬をご持参いただきご来院ください。

糖尿病の診療方針、治療計画についてお聞かせください。

基本の診療方針は患者さんに寄り添うことです。患者さん一人ひとりの性格や生活環境、経済的状況は異なります。例え、理想の治療計画を完璧に作ったとしても、その治療計画にストレスを感じて患者さんが治療を放棄してしまったら元も子もありません。糖尿病を治療する中で、患者さんが治療を自己中断してしまうことがあります。これを避けるために「厳しめの管理が良いか? 緩めの管理が良いか?」など、患者さんの希望と症状に合わせて治療計画を立てます。まさにオーダーメイドの治療計画です。また、管理栄養士や看護師とともに食事や運動療法、フットケアなどもサポートしています。

糖尿病患者へのフットケアとは具体的にどのようなものでしょうか?

林正幸院長 糖尿病・甲状腺木場内科クリニック4

糖尿病の患者さんは足壊疽のリスクが高くなってきます。足の血流が悪くなったり、しびれや感覚が鈍くなるなどの神経障害が進んで傷をつくりやすくなります。足白癬、いわゆる水虫が原因で足壊疽になることもあります。そして、高齢になってくると自分の足の爪が上手に切れない、深爪になってしまうという人も出てきます。そのようなことから、足のケアを必要としている患者さんが多いのが現状です。当クリニックではそのような患者さん向けに専門の看護師がフットケアをお手伝いしています。

糖尿病患者の抱えるさまざまな問題をサポート

クリニックで行っている禁煙治療や眼科との連携についてお聞かせください。

林正幸院長 糖尿病・甲状腺木場内科クリニック5

糖尿病の患者さんにとって、血圧やコレステロール値と同じように喫煙が心筋梗塞の高いリスクになります。糖尿病に限らず、喫煙は百害あって一利なしなので禁煙治療を行っております。保険適用の治療なのでぜひご相談ください。また、糖尿病の患者さんはさまざまな合併症のリスクが増えてきます。その中でも3大合併症の一つに、糖尿病網膜症があり最悪の場合は失明に至ります。これを防ぐためにも血糖コントロールが必須になってくるのですが、当クリニックでは近隣の眼科と連携して、6ヵ月から1年に1度、糖尿病の患者さんの網膜に出血がないかチェックを行っています。症状が出てからではかなり進行してしまっているので、早期に対処できるように心がけています。

高齢の糖尿病患者の抱える問題とは?

糖尿病患者において中高年は内臓脂肪の多いメタボリックシンドロームの方が多いのですが、老齢期になると、低栄養による痩せすぎが問題になることがあります。サルコペニアやフレイルは、痩せすぎると筋肉量が低下し、つまずいたり転倒しやすくなり、骨も弱くなり骨折もしやすくなります。また認知症リスクも高くなってくるといわれています。患者さんの中には「食べなきゃいい」と考える人もいます。適正な必要エネルギー、栄養素を取ってもらうように指導をすることが大切ですが、「牛乳が飲めない」など食の好みも千差万別なので、当クリニックでは患者さんが実際に実行しやすい食事療法を話し合いながら提案しています。

糖尿病の治療中の方やそのご家族へメッセージをお願いします。

林正幸院長 糖尿病・甲状腺木場内科クリニック6

糖尿病治療の進歩は目覚ましいものがあります。最近発表された海外の論文では、血糖値以外にも脂質や血圧などの治療をしっかり行った糖尿病患者の寿命は、健常人よりも良かったという報告もあります。これは、糖尿病患者さんにとって一つの希望につながるのではないでしょうか。当クリニックでは、寿命の延伸と健康増進をめざしています。従来、入院が必要であった比較的重症な患者さんに対しても、外来通院で注射剤を使用することによって治療していくことも可能になってきています。もし糖尿病の治療法でお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご来院の上ご相談ください。

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