全国のドクター9,203人の想いを取材
クリニック・病院 158,615件の情報を掲載(2024年5月04日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 名古屋市守山区
  4. 神領駅
  5. 名古屋ニューロサージェリークリニック
  6. 林 純一 院長

林 純一 院長の独自取材記事

名古屋ニューロサージェリークリニック

(名古屋市守山区/神領駅)

最終更新日:2024/04/12

林純一院長 名古屋ニューロサージェリークリニック main

名古屋市守山区の開発が著しいエリアに位置する「名古屋ニューロサージェリークリニック」。院長の林純一先生は、脳神経外科を専門に約20年にわたりキャリアを積んだ医師だ。大学病院などでの勤務を経て「外来では診ることができない患者さんの生活を知りたい」と訪問診療に2年間従事。その後、2018年に同院を開業した。頭痛やめまいといった日常的な不調や悩みに応える一方で、これまで培ったノウハウを生かすべく、特に検査体制を充実させた。脳疾患治療のアフターケア、病変の早期発見に有用な脳ドックや認知症対策など、地域住民の暮らしに役立てるための医療を提供する。こちらの質問に対し、じっくり考え丁寧に言葉を紡ぎ出す林先生。医療に対し、誠実に向き合う姿を垣間見た。

(取材日2024年2月21日)

脳神経外科での勤務経験を生かし、地域の健康を支える

最初に、開業の経緯を教えてください。

林純一院長 名古屋ニューロサージェリークリニック1

クリニック名の「ニューロサージェリー」とは、長年私が専門としてきた「脳神経外科」の英語名です。脳疾患は生命の危機に関わることや、重い後遺症が残ることもあります。治療後に手足が不自由になり、遠くの病院には通いづらくなる方も多いものです。しかしながら、脳神経外科のクリニックは数が少ないので、近くの脳神経外科に通いたいと希望する患者さんのお力になれたらと考えていました。また、脳神経外科の医師は少なく、最後に勤務した病院では、救急に呼び出されれば非番でも夜中でも駆けつけてましたし、そのまま緊急手術を行い、夜が明け通常の外来勤務となることもありました。若い頃は体力もありましたが、年齢を重ねる中で思い描く勤務医としての診療スタイルを維持し続けるのが難しくなってきたこともあって、開業を決意しました。

クリニックづくりでこだわった点はありますか。

車いすでも快適に移動できるように院内をバリアフリー仕様とし、通路を広めに設計しました。待合室の椅子も、立ち上がる時に足腰に負担がかかりにくく、後ろにも手すりがついているものを選びました。今後は診察の待ち時間を短縮するため、AIを活用したオンライン問診も検討しています。ただ、こういった新しいシステムは便利な一方で、高齢者の中には使いこなしにくい方もいらっしゃいます。その辺りのバランスを見ながら受診環境を整えていきたいですね。

どのような患者さんがいらっしゃいますか?

林純一院長 名古屋ニューロサージェリークリニック2

頭痛やめまい、しびれを訴える患者さんが中心です。年齢層は小学校高学年くらいから、ご高齢の方まで幅広いですね。70代以上ですと、物忘れを相談される方も多いです。急性期病院で手術や治療、リハビリテーションを終えて、以降のフォローや定期的な画像検査を行う患者さんもいます。治療の技術的な面では、顔面けいれんや脳疾患の後遺症による上肢・下肢のつっぱりやこわばりのある方にはボツリヌス毒素製剤の注射なども行っています。片頭痛、認知症、高血圧や脂質代謝異常、糖尿病といった生活習慣病、風邪や発熱、気管支喘息、花粉症、不眠症、わきの多汗症にも対応しています。院内にCTとMRIの両方がありますので、スポーツや交通事故による頭部外傷で受診されるケースもあります。女性の割合が多いこと、守山区のみならず春日井市や尾張旭市、瀬戸市など名古屋市近郊の幅広いエリアから通院される方が多いことが特徴的だと思います。

充実した検査体制で、当日検査・診断も対応可能

CTやMRIなど、検査機器が充実していますね。

林純一院長 名古屋ニューロサージェリークリニック3

特に脳疾患においては精密な診断を行い、患者さんの不安を払拭することが大切だと考え、CTやMRIはそのために導入しました。頭の中は聴診器で確認することができませんが、撮影すれば一目瞭然です。当クリニックのMRIの撮影にかかる時間は最短10分程度ですが、画像がきれいに見えるので脳内をしっかりと把握できます。一方、頭部外傷や骨折が疑われる時は、CTのほうがわかりやすい画像が撮れますね。患者さんの症状や状態を診ながら、それぞれの特性を考慮して使い分けています。大きな病院で画像診断をしてもらうためには、予約から1週間以上かかることや、結果説明も後日になる場合が多いでしょうが、当院では早ければ当日から数日で検査ができて、結果もその日のうちに説明しています。問診の結果だけで「多分こうだろう」と予測がつくとしても、医師である以上、検査に基づいた診断をするのが最低限必要だと思います。

こちらでは脳ドックも受けられるそうですね。

脳疾患は40代くらいから徐々に増え始めますが、若くして病変が見つかることはそう多くはありませんので、50代になったら脳ドックの受診を意識するのが良いのではないでしょうか。特に喫煙される方や60代以上の方は、病変が見つかったり病変進んでいたりするケースもまま見られます。当院の脳ドックメニューは20~40分程度で撮影が終わりますので、仕事が忙しく時間が取れない方も検査を受けやすいと思います。また、脳ドックで頸動脈プラークをMRIでカラーイメージングして描出することもできます。これらの検査結果について所見だけを知らされるのではなく、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医でもある私が読影を行った上で、できるだけわかりやすい言葉で説明し、生活上のアドバイスも行います。さらに精密な検査が必要と判断した場合には、大学病院などに紹介もします。

開業前に訪問診療をされていたんですね。

林純一院長 名古屋ニューロサージェリークリニック4

医師としてどういった方向性で歩んでいくかを考えるべく、一度脳神経外科のメスを置き、訪問診療の現場を経験しました。最後の病院を辞めてから丸2年以上、訪問診療を行いました。患者さんが病院の外来に来る時は、よそ行きの姿で来院されますよね。ところが、実際にご自宅を訪問してみると、患者さんの生活や背景は外来受診の時の予想とはまったく違うんです。外来で顔を見せてくれる方はある意味で「日の当たる場所」にいます。しかし、現実には脳疾患後に寝たきりになってしまった方、一人暮らしで介助を受けることもままならない方、経済的に通院したくてもできない方もいらっしゃいます。そんな患者さんのことや、医療の表面から見えない現実も知っておかないといけない、いつかきっと役に立つだろうと考えて、訪問診療の世界に飛び込みました。当院でも通院が困難になった高齢者施設に入居中の患者さんを対象に訪問診療を実施しています。

患者を不安にさせないよう、検査結果の伝え方にも配慮

患者さんと接する際に、気をつけていることを教えてください。

林純一院長 名古屋ニューロサージェリークリニック5

画像診断を使うと詳しく診ることができますので、時には想定外・目的外の病変が見えてしまうこともあります。将来的に、患者さんが不利益を被る可能性があるのなら、早く知りたいと思うのが当然でしょう。では、ありのままをそのまま伝えても良いかといえば、そうも言いきれません。お伝えすべき病変はお伝えしますが、ありのままに話すことで患者さんを不安にさせてしまうなら、検査をした意味がないともいえると考えます。ですので一人ひとりの顔を見て、伝え方などに配慮しています。枝葉末節は伝えないほうが良い方、難しいことを言われたくない方、反対に丁寧に細かく説明してほしい方もいます。訪問診療に携わっていた時に、さまざまな患者さんと接しコミュニケーションを積み重ねていたことも、今のこのスタンスに影響しているかもしれません。

医師を志した理由について伺います。

出身は京都で、父は映画会社に勤めていました。2度にわたって映像化された社会派医療ドラマの主演俳優と父のツーショット写真が家に飾られていました。その頃は、子ども心に「白衣ってかっこいいな」と思っていたくらいでしたね。浪人時代、本格的に進路を考え始めた頃、通っていた予備校の化学の先生が、医療の道に進むきっかけをくれました。柔和な人柄で、たいへん魅力的な先生で、僕の医学部志望はこの先生の影響が決定的でしたね。

クリニック独自の取り組みや、今後の展望をお聞かせください。

林純一院長 名古屋ニューロサージェリークリニック6

当院は、名古屋市立大学や藤田医科大学の医学部の学生を実習生として受け入れています。後進の育成に貢献できる上に、私自身も彼らから学ぶことが多く、初心に帰って医療に向き合えています。また、最近は買い物をしていると、患者さんから声をかけられることが増えてきました。開業から6年がたち、かかりつけ医として地域の皆さんに親しく思っていただけているようでうれしいです。今後も地域の先生方と手を取り合って、地域医療に貢献していきたいと思っています。予防接種や健康相談など、お気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

脳ドック 1万5400円~

Access