池田 紫 院長、山ノ井 睦 先生の独自取材記事
むらさき乳腺クリニック五反田
(品川区／五反田駅)
最終更新日：2024/04/15
五反田駅より徒歩1分。カフェのような落ち着いた空間を演出する「むらさき乳腺クリニック五反田」。フライトアテンダントから転身し、昭和大学病院ブレストセンターで乳腺外科を研鑽した池田紫（いけだ・むらさき）院長が2018年に開業した。2021年に婦人科医の山ノ井睦（やまのい・むつみ）先生を加え、婦人科診療を開始。乳腺外科と婦人科の同日受診も可能になり、女性を総合的に診る体制が整った。乳がん、子宮がん、子宮頸がんなどを早期発見し、高度医療機関に紹介すると同時に、がんサバイバーの心身のアフターフォローにも力を注ぐ。がん関連の診療だけでなく、「女性が何でも気軽に相談できる場」であることを大切にし、その一環としてスタッフは全員女性に。今回は池田院長、山ノ井先生の両医師に同院の特徴や診療への想いを聞いた。
（取材日2023年10月3日／更新日2024年3月26日）
女性を総合的に診る、女性のための健康相談窓口
まるでホテルのロビーやカフェのような院内ですね。
【池田院長】当院は女性が納得のいく人生を送れるようにサポートすることをめざしています。ですが、そもそも乳腺外科や婦人科の受診にハードルを感じている方もいらっしゃるでしょう。それを解消するため、患者さんが気軽に足を運べてリラックスできる、医療機関らしさと離れた空間づくりをめざしました。五感すべてで心地良いと感じてもらうため院内は、木目を基調として照明の色合いやアロマの香り、BGMにまでこだわっています。バリアフリー設計になっていますから、車いすやベビーカーユーザーの方もご利用いただきやすいはずです。待合室には棚の配置を利用して、ほかの患者さんから見えづらいスペースを確保しているのですが、そちらはお子さんのお世話にもご利用いただけます。小さなお子さんのいる方にも気兼ねなくご来院いただければと思っています。
乳腺外科ではどんな診療をされていますか？
【池田院長】乳がん検診や乳がん術後の治療と経過観察、乳がん治療の後遺症であるリンパ浮腫のケアなどがん関連の診療に注力しています。乳がんは早期発見できれば、根治が視野に入れられるだけでなく、手術や放射線以外にも抗がん剤、ホルモン剤など治療の幅が広がります。ところが大学病院時代には、重症の乳がん患者さんがクリニックから送られてくることが多く、「もっと早期に見つけていれば」と悔しい思いを何度もしました。そこで当院では、胸の状態、生活習慣、家族歴、乳腺濃度レベルからがんリスクを評価してその方に適した検査、検診プランをご提案し、早期発見につなげています。ほかにも、乳腺炎などの授乳期トラブルなどお胸周りのお悩みに幅広く対応しています。
婦人科の診療内容についてはいかがでしょう。
【山ノ井先生】月経困難症から更年期障害まで幅広く診ています。例えば、月経痛を痛み止めや低用量ピルでコントロールを図るということも、大切な選択肢としてご提案していることの一つ。低用量ピルについて不安に思われる親御さんもいらっしゃいますので、服用が将来的に妊娠にもたらすとされるメリットなども丁寧にご説明しています。また婦人科では、子宮がん・子宮頸がん検診にも注力しています。がんの早期発見のためには定期検診が欠かせませんので、「次も行こう」と思ってもらえるように検査の痛みへの配慮は惜しみません。検査に使用する器具は小さめのものを使用し、性交渉経験がない方などには経肛門超音波か経腹超音波でも対応できます。がん検診は生理中でも問題なく行えますので、ご本人さえよろしければキャンセルしていただかなくとも大丈夫です。
乳がん検診と子宮がん検診の同日受診も可能
こちらの強みはどういった点にあるのでしょうか？
【池田院長】乳腺外科と婦人科の両科を同じ日に受診できること、乳がん検診と子宮がん検診を同日に受けていただけることは患者さんのメリットになると思います。より専門的な検査や治療が必要と判断したら、スピーディーに昭和大学病院などの連携先をご紹介して、患者さんの安心につなげています。ほかにも、マッサージ室で乳がん治療の後遺症であるリンパ浮腫に対してリンパドレナージなどを行えますし、トレーニングルームで、尿失禁や性機能障害に関わる骨盤底筋を鍛える運動など指導できる点も当院の特徴ですね。当院のスタッフは全員女性で、中には鍼灸師の資格を持つメンバーもおり、多彩なスタッフがチームで女性をトータルサポートしていることも知っていただければうれしいです。受付スタッフとの会話を楽しみに受診してくださる方もおられるんですよ。
先生方が大切にしていることは何でしょう。
【池田院長】がんを発見して高度医療機関に紹介することを重視しながらも、がん以外の病気や不安のある患者さんの行き場をなくさないことも同じように大切にしています。検査で異常が見つからなくても、患者さんが不安を抱くに至った症状が続くこともありますから、必要に応じて他科をご紹介するか、あるいは私たちが注意深くお話を伺って、生活上のストレスや間違った習慣がないかを見極め、解決方法を模索していくんです。患者さんの人生をひもときながら診療ができるのはクリニックならではですね。
【山ノ井先生】大切にしているのは心のケアです。婦人科の内診ではデリケートな部位を診られるわけですから、女性同士でも恥ずかしい気持ちがあって当たり前。性交渉の経験がない方だけではなく、閉経後も痛みを感じやすくなっていますし、出産経験の有無にも配慮が必要です。女性一人ひとりの心と体に寄り添った対応をしていきたいと思います。
ご経歴ついてもお聞かせください。
【池田院長】かつてはフライトアテンダントをしていたのですが、ある時、機内で具合が悪くなったお客さまに対して何もできなかったという苦い経験をして、医師をめざしたんです。日本医科大学卒業後は昭和大学病院の乳腺外科に入局し、2010年からは同大学ブレストセンターで数多くの乳がん患者さんを診てきました。シンガポールに留学し、ホルモン剤や分子標的治療の効果の研究に携わった時期もあります。
【山ノ井先生】産婦人科医をめざしたのは、女性の健康に人生を通じて関われる科だったからです。女性であることが生きると思ったことも大きかったですね。札幌医科大学卒業後は製鉄記念室蘭病院、札幌医科大学附属病院産婦人科、NTT東日本札幌病院産婦人科、日鋼記念病院産婦人科、成城木下病院などを経て、「女性が納得できる人生を送れるようにサポートする」という池田院長の理念に共感し、2021年7月から当院に勤務しています。
がん治療後の人生の軌道修正まで、とことん支える
先生方はどのような休日をお過ごしですか？
【池田院長】犬と公園を散歩したり、ジムで体を動かしたり、お花を生けたり、友人や家族とレストランで食事やお喋りを楽しんだり、タイミングがあれば犬を連れて小旅行に行くこともありますね。やりたいことがたくさんあって、いくら時間があっても足りないくらいです（笑）。
【山ノ井先生】私は小説や漫画が好きなので、休みの日には読書をすることが多いでしょうか。あと今は、子どもの習い事の付き添いをする時間が大半を占めていますね。
池田院長に、今後の展望について伺います。
【池田院長】検診の重要性をますますアピールしていきたいです。乳がんの正しい知識の習得と理解を促進するピンクリボンフェスティバルでは、毎月19日を「ピンクの日」と制定し、「ブレスト・アウェアネス（乳房を意識する生活習慣）」を広める啓発活動を行っています。当院でも毎月19日はスタッフ全員がピンクのアイテムを身につけるなどしていますが、今後も受検を促すきっかけづくりをしていきたいと考えています。
最後に、お二人から読者にメッセージをお願いします。
【池田院長】女性特有の悩みを相談するのは、女性医師相手だとしても勇気が要ることです。だからこそ当院を、勇気を出して一歩を踏み出してくれた患者さんが本音を話せる温かい空間にしたい。スタッフたちとともに、がんサバイバーの方の治療後の人生の軌道修正のサポートまで、患者さんが豊かな毎日を過ごせるよう全力で取り組んでいきます。
【山ノ井先生】病気の早期発見のためにも、若いうちから乳腺外科、婦人科のかかりつけを持っていただければうれしいですね。乳がんや子宮がんは子育てや仕事で忙しい世代ほどリスクのある病気なので、ぜひ時間をつくって検査を受けてください。女性の健康を生涯にわたって守るため、婦人科と乳腺外科で力を合わせてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とは●乳房検査
マンモグラフィ8000円
乳腺エコー4000円
●婦人科検査
経腟エコー5000円
頸がん検査8000円
経腟エコー + 頸部細胞診1万2000円
子宮体がん検査8000円
●レディース検診
マンモグラフィ + 乳腺エコー + 経腟エコー + 頸がん検査2万2000円
マンモグラフィ + 乳腺エコー + 経腟エコー1万6000円
●ブライダルチェック
問診・血圧 + 経腟エコー + 頸がん検査 + おりもの検査（淋病・クラミジア・カンジダ・トリコモナス）+ 血液検査セット（貧血・血糖・甲状腺・風疹抗体・B型肝炎・C型肝炎・HIV・梅毒）2万5000円
