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塚原 康生 院長の独自取材記事

塚原クリニック

(吹田市/北千里駅)

最終更新日:2022/04/07

塚原康生院長 塚原クリニック main

阪急千里線・北千里駅前の北千里医療ビルにある「塚原クリニック」は、塚原康生院長を中心に、胃腸外科、乳腺外科、肛門外科を3本の柱として診療しているクリニックだ。胃がんと乳がんの検診などを行い、地域の基幹病院と連携を取りながら病気の早期発見と治療に努めている同院は、外科治療に関わってきた塚原院長の経験をもとにした、丁寧な検査と説明が特徴。「病気に対する不安を取り除き、病院での治療を効率的に受けられるようにすることが開業医の役割」と話す塚原先生に、クリニックの診療内容や検診の重要性について話を聞いた。

(取材日2022年3月11日)

胃腸外科、乳腺外科、肛門外科の診療と検診に尽力

まずはクリニックの紹介をお願いします。

塚原康生院長 塚原クリニック1

私自身は胃がんを専門としていますが、このクリニックでは、胃腸外科、乳腺外科、肛門外科の診療と、市が実施する検診をいくつか行っています。胃腸外科では、胸やけや胃の調子が悪いという患者さんに投薬治療や胃・食道内視鏡検査をし、下血などの患者さんについては緊急の場合、直腸やS字結腸の大腸内視鏡の検査をします。肛門外科では、肛門周辺の痛みや出血したなどの症状の患者さんに、肛門鏡検査や投薬治療、肛門周囲腫瘍の排膿などを行っています。女性の患者さんでも気楽に当院で治療や検査を受けていただきたいです。乳腺外科では、乳腺のしこりや違和感で診察に来られる方に向けた乳腺の外来のほかに、吹田市の乳がん検診を木曜日、金曜日に実施しております。

ご専門の胃がんの治療についてお聞かせください。

かつて胃がんは、進行がんでしか見つけることができませんでした。時代とともに検診が行きわたり、内視鏡による診断能力が向上してきたことで、早期がんでの発見・治療ができるようになりました。大きな病変や転移した病変に対しては化学療法をしてから手術を行うことで、救命率の向上にもつながっています。腹腔鏡手術の技術も進歩し、以前のような大きな手術をせずに治療できるようになってきています。私自身、内視鏡を使った診断や早期がんの内視鏡による切除術、開腹手術を数多く執刀し、術後の再発や手術ができない患者さんに対しての化学療法、終末期の緩和ケアなど、胃がんに関する幅広い治療に携わってきました。これまで培った経験から、胃の粘膜の状態、ピロリ菌感染の有無、術後の経過などさまざまな要素を考慮し、必要な検査や適切な治療方針の提案が可能ですので、胃に不安がある方はご相談ください。

乳がんについてはいかがですか?

塚原康生院長 塚原クリニック2

体の外にできる乳がんの手術は、おなかや胸の中の腫瘍を切除する手術に比べると、体への侵襲が少ないというのが、さまざまながん治療にあたってきた私の印象です。ただ、女性にとっては手術後の精神的な負担が大きいのではないかと思います。だからこそ、ステージ1までの早期がんの段階で発見し、治療することが大切だと考えています。ステージ1はしこりの大きさが直径2cmまでで、1円玉くらいの大きさです。その段階であればいろいろなアプローチができますので、診断が怖いからといって放置したり、民間療法に頼ったりせず、専門の医療機関を受診してください。

どんな病気も、早めの受診・検査が重要

新型のマンモグラフィを導入されたそうですね。

塚原康生院長 塚原クリニック3

当院では乳がん検診の精度管理を行っており、更に精度を高めるために2019年に新しいマンモグラフィを導入しました。今までのアナログ機器に比べ、デジタル処理された高画質画像は鮮明ですし、撮影直後に診療室のモニターで画像の確認ができ、時間も大幅に短縮されました。機器がレベルアップしたのであれば当然、扱う人の技術も更新しなければなりません。マンモグラフィ撮影を行う臨床検査技師のスキルの維持と、私自身も診断能力が衰えないように、研鑽を怠らず一定レベル以上の診断が常にできるように心がけています。

肛門外科では、便秘の治療にも注力されていると聞きました。

残念ながら「便秘だから」と受診する人は少なく、民間療法や市販薬に頼っている人が多いのではないかと思います。悩んでいる人も多いので、病気だと認識されていないんですね。しかし、食事をして、排泄するまでが生き物の自然な営みなんです。もちろん、排便の間隔は「これが正しい」という決まりがあるわけでなく、人それぞれですが、おなかが苦しいとか不快感があるという状態はやはり不健康です。便秘になる原因はさまざまあり、それは診察してみないとわかりません。ストレスなどを原因とした一時的な便秘であればいいのですが、慢性的に便秘の人は一度受診し、診断を受けて改善につなげてほしいなと思います。また、痔も同じこと。別の病気が見つかる場合もあるので、いずれにせよ「まずは受診」ですね。

いずれの病気も、気になったら早めの受診・検査がポイントですね。

塚原康生院長 塚原クリニック4

誰だって病気にはなりたくないですし、病気だと診断されることは怖いと思います。しかし、だからといって放置して良いことはありません。これまで病院で多くの手術を経験しましたが「もっと早くに診断されていたら、治療できていたら」と思うことはたくさんありました。だからこそ、皆さんにはそんなつらい思いをしてもらいたくないのです。日々の暮らしの中で「おかしいな?」「変だな?」と感じることがあれば、気軽に受診していただきたいです。どんな小さなことであっても「こんなことで相談に来たの?」と軽くあしらうようなことはありません。ですから、安心してまずは相談していただきたいです。

クリニックを通して検査や受診の大切さを伝えたい

手術など外科治療に関わってこられた経験が、診療で生かされる場面も多いそうですね。

塚原康生院長 塚原クリニック5

患者さんの多くは手術に対し、大きな不安を抱いています。長年、手術を行ってきた外科医師の立場から、患者さんには正しい情報を丁寧に説明し、「心配しないように」と、過度な不安を払拭するようにしています。また外科医同士のつながりから、精密検査や手術が必要となる場合には、手術の内容や術後の経過まで予測しながら、症例に合う病院をスムーズに紹介することができます。主に大阪大学医学部附属病院や大阪府済生会千里病院を疾患や状況によってご紹介していますが、疾患によって他の病院もご紹介します。ご自宅に帰られた後の術後ケアや経過観察に精通しているのも、外科医師の強みですね。

診療で大切にしていることは何ですか?

一つは患者さんの気持ちに寄り添うこと。病院の診療を「冷たい」と感じる人は多いかもしれませんが、実際に現場にいた立場から言うと、とにかく忙しいんです。自分の未熟さもあったかもしれませんが、お一人お一人に十分な時間をとって、お気持ちまでじっくりお話を聞く時間が取れませんでした。だからこそ、クリニックで診療している今は、患者さんの気持ちを大切にしたいと思いますし、不安にもとことん寄り添いたいと考えています。また、しっかりと検査し、病気の早期発見をすること。早期に発見すれば助かることが望める命はたくさんあります。そのためにも、クリニックを通して検査や受診の大切さを伝えていけたらと思っています。

それでは最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

塚原康生院長 塚原クリニック6

新型コロナウイルスの流行もあり、ストレスを感じながら暮らしている人が多い時代です。だからこそ、慌ただしい日々の中でさまざまな不調を「ストレスのせいだろう」と見逃していることも多いのではないでしょうか? 数日で回復するような不調であれば心配はありませんが、数週間・数ヵ月と続く症状はやはり心配です。自己診断せず、サプリメントや市販薬、民間療法に頼りすぎず、気軽に一度受診してください。どんな些細なことでも構いません。自分の体を一番よく知っているのは、やはり自分自身。「おかしいな」「つらいな」は体からのサインです。そのサインはどこから来ているのかを一緒に探し、健康になるお手伝いができればと思います。ご来院をお待ちしています。

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