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肥後 智樹 院長の独自取材記事

肥後歯科口腔外科クリニック

(京都市南区/桂川駅)

最終更新日:2023/05/01

肥後智樹院長 肥後歯科口腔外科クリニック main

JR京都線・桂川駅から徒歩圏内にある「肥後歯科口腔外科クリニック」は、日本口腔外科学会口腔外科専門医である肥後智樹院長が2016年5月に開業、2022年に移転。虫歯や歯周病などの一般歯科、親知らず抜歯・口腔がん診療のほか、高血圧や糖尿病など全身疾患のある人や自閉症スペクトラムなど障害のある人たちの診療にも注力。症状や健康状態によって通院先を変えずに、同院内で治療を完結することに努める。口腔外科を受診するメリットや患者に接する際に心がけていること、親知らずなどの外科手術で工夫していること、感染対策などについて肥後院長に聞いた。

(取材日2021年7月1日/情報更新日2023年3月9日)

虫歯治療から親知らず抜歯・口腔がん診療まで対応

開業までの経緯をお聞かせください。

肥後智樹院長 肥後歯科口腔外科クリニック1

大学卒業後は滋賀医科大学医学部附属病院の口腔外科学講座に入局し、研修を終えて大学院に進学しました。医学博士の学位取得後、京都第二赤十字病院など複数の病院へ出向したのち、滋賀医科大学医学部附属病院に戻って歯科口腔外科の助教、講師、また外来医長、病棟医長、医局長などを務めました。口腔外科を選択したのは、大学時代の実習で手術を見学したことがきっかけです。一般的な歯科治療に比べ、例えば炎症や病変がある場合、手術によりそれを取り除くことが図れるなど“結果が見える”処置が多いことに興味を持ちました。父が開業していたこともあって、同じように地域医療に貢献できたらという思いがあり、2016年5月に開業に至りました。

貴院の特色と、口腔外科を受診するメリットを教えてください。

歯周病や虫歯などの診療はもちろん、一般歯科では対応が難しい親知らずの抜歯や炎症への対応、口腔外科小手術、有病者治療、口腔がんの診療などが可能であることが当院の特色です。ご紹介をいただき、親知らずの抜歯などの外科的処置への対応もしております。当院では局所麻酔で対応できる外科的処置のほとんどが院内で行えますし、虫歯が見つかればその治療も可能。痛みを最小限に抑えながら細菌の塊であるバイオフィルムを除去するための機器を導入するなど歯科衛生士による歯周病のケアにも力を入れており、外科的処置から一般歯科、定期ケアまで一貫して対応できるのがメリットです。

患者さんに接する際に心がけていることはありますか。

肥後智樹院長 肥後歯科口腔外科クリニック2

「患者さんは自分の家族」という思いを持って診療しています。これは私の恩師の先生からずっと言われてきた言葉で、スタッフを含めてこのような気持ちで診療に臨んでいますね。また私たち歯科医師が考える最良の治療のほか、考えられるいくつかの治療法を提案した上で、最終的に患者さんに選んでいただけるよう丁寧に説明するように心がけています。お子さんの場合はまずは訓練がてら歯ブラシを自分で持ってもらって、どんなふうに歯磨きをしているのかを見せてもらうなど、少しずつ慣れてもらうことから始めます。最初から治療をしようとすると難しいことが多いのですが、慣れるとすぐに治療させてくれる子も。子どもたちが「できる」環境をつくり、無理やり治療するようなことはありません。

親知らず抜歯は工夫満載。有病者・障害者診療にも注力

親知らずの抜歯で特色はありますか?

肥後智樹院長 肥後歯科口腔外科クリニック3

極力手術時間を短くできるよう努めるほか、エックス線だけでなく歯科用CTも用いて適切に診断し「このケースであれば手術時間はこれくらい」という見通しもお伝えするようにしています。また親知らずが神経に近いと抜歯後に麻痺やしびれが起こるリスクがありますが、抜かねばならない親知らずを放置することはできません。どんなリスクが考えられるか、過去の似た症例ではどれくらいで回復したか、例えば麻痺が出たらこんな薬を飲むなどを含めてしっかりお伝えして、必ず同意を得てから行っています。そのほか腫れを抑えるための縫合をしたり、痛みが出る前の服薬を指導したりといった工夫もしていますね。治療音へのストレスを軽減し少しでもリラックスできるよう抜歯を行う個室にはスピーカーを設けています。患者さんご自身で好きな音楽をお持ち込みいただければ術中に流すことができますし、患者さんご自身のイヤホンを使用していただくことも可能です。

口腔がんの診察にも力を入れているそうですね。

大学病院時代から口腔がん治療に携わり、日本口腔外科学会口腔外科専門医の資格を持っています。また、口腔がん治療にあたるために、医科・歯科共通の専門知識も培ってきました。当院では口腔粘膜を撮影する専用機器を導入しています。口腔がんの診断にあたっては細胞診や病理検査を行い、手術などが必要な場合は病院をご紹介させていただきます。口腔がんの症状として多いのは舌などの粘膜にできる口内炎で、一般的に2週間治らなければ検査が必要だとされています。かかりつけ歯科医院からのご紹介のほか、なかなか治らないためホームページで調べてご来院くださる患者さんも多いですね。当院では普段の診察日にも検診を行っていますが、年1回、11月に検診の日を設定し口腔がん検診を実施しております。

有病者・障害者診療とはどんなものですか?

肥後智樹院長 肥後歯科口腔外科クリニック4

高血圧や糖尿病の方、心臓の手術を受けた方など全身的な疾患がある方のほか、自閉症スペクトラムなど障害のある方のための歯科治療です。例えば血をさらさらにするためのお薬を飲んでいたり血圧を下げるための薬を飲んでいたりすると、大きな病院に紹介されることも多いんです。私は勤務医時代から全身のことについて学んできましたし、必要があればその方の内科の主治医に連絡を取り服薬も含めて指示を受け処置を行っています。また障害者歯科については1年のうち3ヵ月間、京都歯科サービスセンターに出向し治療にあたっています。そちらで治療を担当させていただいた方が、わざわざ当院にお越しくださることもあります。なお当院には口腔外科を専門とする非常勤の歯科医師が3人おり、私が出向中も当院での診療は行っています。

安心・安全をめざし最大限の感染対策を

外科的な治療となると、やはり恐怖心の強い方もいると思います。

肥後智樹院長 肥後歯科口腔外科クリニック5

当院では簡単な手術でも同意書を取ってから行います。同意書には患者さんが不安に感じることも書かれていると思いますが、どうしてもそれを説明しなければなりません。そのため例えば手術のリスクはどのくらいの頻度で起こるのかなど、丁寧にご説明させていただきます。また過去に他院で親知らず抜歯が長時間かかったと不安がる方も多いため、「今回こういうケースなので、短時間で済みますよ」など状況をお伝えして不安が和らぐようお声がけしています。またどうしても不安が強い方には大きな病院に紹介し、入院して抜歯を行うなど、患者さんに合った治療を提案できるよう努めています。

感染対策について教えてください。

開業当初より、歯を削るなど診療に使う器具はヨーロッパ基準のクラスB滅菌器を使用し、歯を削るときやお口の中の水などを吸引するためのバキュームなどは消毒液を循環させて清潔を保つように感染対策はしています。また、現在は昨今の状況を踏まえ、マスク・ゴーグルに加えフェイスシールドや防護ガウンも着用して診療にあたっています。またスタッフには人の集まるところへの外出は避けるよう伝えるなど、できる限りのことをしております。

スタッフさんも高い意識を持って感染対策を行っているのですね。

肥後智樹院長 肥後歯科口腔外科クリニック6

スタッフたちは感染対策についても、普段の診療についても本当によくやってくれています。院内では何か一つでも困ったらすぐに解決できるように「何でも聞いてほしい」と伝えていますし、非常勤の先生方も含めて聞きやすい雰囲気を整えるようにしています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

十分な治療時間の確保などのため、予約が先になってしまうこともあるので、今後はチェアを増やすなど規模を拡大していけたらと思っています。歯科医院への受診を思い立っても、行動に移すのはなかなか難しいのではないでしょうか。しかしまずは一度ご来院いただいて、当院の雰囲気を見てお話しさせていただいてから治療する・しないを決めてもらえたらと思っています。わからないことがあれば何でも聞いてもらって結構ですし、不安に感じることは何でもおっしゃってください。当院でできる最大限の対応をご提供させていただきたいと考えています。

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