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浅野 昇悟 院長の独自取材記事

あさの内科

(各務原市/六軒駅)

最終更新日:2021/10/12

浅野昇悟院長 あさの内科 main

岐阜県各務原市にある「あさの内科」は、名鉄の六軒駅から徒歩約15分の場所に位置する。銀杏並木で知られる「いちょう通り」沿いにあり、車での通院にも便利だ。浅野昇悟院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医資格を持ち、病院や基幹病院にて糖尿病を専門に診療を行ってきたが、2015年に「生まれ育った地域の医療に貢献したい」との思いから、このエリアで開業した。現在は、糖尿病の治療をはじめ、子どもから高齢者まで幅広い患者の診療を行い、在宅医療にも注力する。患者一人ひとりとのコミュニケーションを大切にし、誠実に治療に取り組む浅野院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2020年3月23日)

患者の立場に立ち、気持ちに寄り添った診療を大切に

各務原市出身の先生から見て、このエリアはどんな地域ですか?

浅野昇悟院長 あさの内科1

岐阜県各務原市は愛知県との県境に位置し、かつては旧中山道の宿場町として栄えた歴史がある町です。航空機や自動車に関わる物作りも盛んで、公園も多いので暮らしやすく、ファミリー層も増えています。私は愛知県の藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)を卒業後、大学病院、豊川市民病院に勤務し、その後、各務原市の東海中央病院で診療を行っていました。地元に戻った時に、以前と変わらず雰囲気が良い町だなと思いましたし、住民の方も自分たちが暮らす地域を盛り上げようと頑張っている。そんな姿を見て、地域の健康づくりの役に立ちたいと思い、2015年に開業しました。

クリニックは来院のしやすさ、居心地の良さにもこだわったそうですね。

病院は決して楽しい場所ではないので、患者さんの立場になって、少しでも心地良く過ごせるように配慮しました。院内は、すっきりとした清潔感ある空間にし、待合室は天井を高くしてゆとりと開放感を大切にしています。待ち時間の長さも患者さんのストレスにつながるため、電子カルテを導入し、受付からカルテが準備されるまでの時間短縮を図りました。いちょう通り沿いに開業したのも、この道路は地元では有名なので場所がわかりやすいと考えからです。実は「あさの内科」という院名にも、私のこだわりがあります。浅野という医師が診療を行う医院だとわかるし、名前を出すことで、責任を持って医療に取り組む姿勢も伝えたいと思いました。

診療のモットーは? 特に糖尿病の患者さんには、どのようなことに留意していますか?

浅野昇悟院長 あさの内科2

診療の時に心がけていることは、患者さんの目を見て話をすることと、患者さんの気持ちに寄り添うことですね。特に糖尿病の方は、日常の中で食生活の改善や運動に取り組むことが大事なのですが、ずっと頑張り続けることはなかなか難しい。「食べ過ぎてしまった」「運動できなかった」という場合も、「検査の数値が良くなかった要因が自分でわかっているのだから、そこを改善しましょう」と伝え、あまり厳しくはしません。食欲は本能ですし、私も食べることが好きなので、つい食べ過ぎてしまう気持ちも理解できますから。また、急に来院しなくなったり、薬をきちんと飲まなかったりすることも悪化につながります。患者さんがそうならないように、治療に取り組むモチベーションを維持できるように、「一緒に頑張ろう」というスタンスを大事にしています。

糖尿病治療や訪問診療など、幅広い医療に対応

糖尿病を専門にした理由は?

浅野昇悟院長 あさの内科3

生活習慣病の患者さんは日本だけでなく、世界的にも増えています。その中でも糖尿病の患者さんの数が多く、世の中に必要な医療だと思いましたし、この分野の治療は性格的にも合うと感じたからです。糖尿病は慢性的な疾患なので、患者さんと長い期間関わります。定期的な通院で検査を行い、話を聞いて、患者さんの体調や生活の変化などを考慮して薬を変えたりしながら血糖をコントロールしていきます。ですから、治療には患者さんとの対話も大事なのです。私は人とじっくり向き合い、コミュニケーションを取ることが好きなので、その意味でも糖尿病の治療は向いていると思いました。患者さんの中には、勤務医時代から診ていて10年以上の付き合いになる方もいますよ。

糖尿病治療のほか、内科の診療や在宅医療も行っていますね。

勤務医だった頃は、糖尿病治療、内分泌疾患、骨代謝という私の専門分野の診療にあたっていましたが、現在は専門にとらわれず、小さな子どもからお年寄りまで幅広い世代の患者さんの診療を行っています。予防接種、往診、訪問診療にも対応しており、当院の患者さんの比率は、糖尿病などの生活習慣病の方、内科の方、そして在宅医療の方が、ほぼ同じです。開業して以来、地域に根差し、地元の方々の要望に応えてきたことが、現在のかたちになっていると思っています。

在宅医療には、どのような思いで取り組んでいますか?

浅野昇悟院長 あさの内科4

在宅医療とは病気を診るだけでなく、患者さんの生活を患者さんが望むかたちで維持できるようにサポートするもの。医師だけでなく、ケアマネジャーさんや介護士さんなど、多職種の方たちと協力して行うチーム医療です。私は開業して初めて、通院が困難な患者さんの多さを知り、在宅医療の大切さを感じました。休診日や、午前診・午後診の合間などに、往診・訪問診療を行っていますが、患者さんには「体調が良くなかったら、気軽に電話して」と伝えています。これは通院が難しい方のための医療ですから、「診てもらいたい」と思った時に対応できるようにしています。

4世代にわたって診ているご家族もいると聞きました。

近隣にお住まいのご家族なのですが、最初は小さなお子さんが便秘になって、お母さんに連れられて来たことがきっかけでした。しばらくして、今度はお母さんが風邪をひいて来院され、その次は、ほかの病院にかかっていたおじいちゃんが「孫と娘がお世話になって、良かったと言うから」と当院に通院されるようになったのです。さらに、おじいちゃんの母親が高齢者施設で生活しており、私が訪問診療で診ることになって、看取りもしました。ご家族を4世代にわたって診ることは、勤務医では経験できなかったと思います。外来診療も、訪問診療も、看取りも行ったことで「これが開業医の仕事であり、使命だ」と実感しました。

予防の啓発活動にも注力し、地域の健康を支えていく

医師をめざした理由、やりがいを教えてください。

浅野昇悟院長 あさの内科5

高校時代は医学部をめざして受験勉強に取り組んでいましたが、自分の将来については漠然としていました。入学して、命に関わる学問を多く学び、現場の医師や患者さんと接することも増えてきて、医師になりたいと強く思うようになったのです。医学研究者ではなく、治療を行う臨床医師を選んだのは、人と関わることが好きだったからだと思います。医師になって15年以上たった今、しみじみ思うのは、医師は患者さんのご家族と同じくらい真剣に患者さんのことを思いやり、支えている存在だということ。特に糖尿病は一生付き合う病気とも言われていますから、私は患者さんの人生に関わることになります。責任も大きいのですが、やりがいも感じますね。

糖尿病の予防のため、どのような啓発活動に取り組んでいますか?

糖尿病の予防には、糖尿病を正しく理解すること、生活習慣を改善していくことが大事です。そこで啓発活動にも力を入れ、市民講座やラジオの健康番組などで食事療法や運動療法などについて話をしています。健康的な生活習慣を心がけてほしいのは、大人だけでなく、子どもも同じ。子どもの頃の生活習慣は、そのまま大人になっても引き継がれる場合が多く、長く続けてきた不摂生な生活を大人になってから改善することは、とても難しいからです。今後は、大人だけでなく、子どもたちにもバランスの良い食事や、運動の大切さを伝えていきたいと考えています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

浅野昇悟院長 あさの内科6

開業当時から「患者さんも、スタッフも笑顔になれるクリニックにしよう」とスタッフに伝え、私も含めて全員が笑顔と思いやりのある対応を心がけています。これからも地域の方々から頼られ、「この街に、あさの内科があって良かった」と言ってもらえるようなクリニックにしたいですね。そして、健康のことで気になることや困っていることがある方は、些細なことでも構わないので、気楽に相談しに来てください。不調を改善し、より健やかに生活できるよう、精いっぱい頑張ります。

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