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多田 直樹 院長の独自取材記事

多田耳鼻咽喉科医院

(大阪市住吉区/住ノ江駅)

最終更新日:2022/10/07

多田直樹院長 多田耳鼻咽喉科医院 main

住吉区清水丘にある「多田耳鼻咽喉科医院」は、地域の病院として近隣住民に親しまれる診療所だ。内科医の父、耳鼻科医の母によって守られてきた診療所を、2013年に多田直樹院長が継承。「誰もが気軽に来られる街の診療所」でありながら「高度な検査・治療を気軽に受けられる医療機関」であることをめざして、リニューアルオープンした。「この場所を継承するということは、医療者であった両親の想いを継承するということ。生まれ育った場所の皆さんの健康に寄与できるよう、地域のため、患者さんのための医療を追求していきたい」と語る多田院長の瞳には、生まれ育った地への愛情があふれていた。

(取材日2022年9月7日)

両親と兄から受け取った診療所のバトン

地域の皆さんにとって、古くからなじみのある診療所だと伺いました。

多田直樹院長 多田耳鼻咽喉科医院1

当院はもともと内科医の父と耳鼻科医の母、そして小児科医の兄が診療していた診療所です。この辺りは下町のような雰囲気で、当時は今よりももっとにぎわっていて活気がありましたので、近隣にお住まいの方がたくさん来院してくれていました。私はここで生まれ、両親が患者さんと話している様子を見ながら育ちました。宿題をしている時、食事をしている時など、日常の何げない風景の中で思い出すのは、両親が患者さんの話に耳を傾けている様子です。幼い私は「お医者さんの仕事は、患者さんの話を聞くことなんだな」と思っていましたし、そのイメージは今も私の医師としての仕事の根幹になっていると思います。今でも、母の患者さんだった方が足を運んで、当時のことを話してくださることもあり「母は信頼される人柄だったんだな」とうれしくなるとともに、身が引き締まる想いもします。

継承前のご経歴を教えていただけますか?

関西医科大学医学部卒業後、故・熊澤忠躬(ただみ)教授の研究と臨床に魅力を感じて関西医科大学の耳鼻咽喉科教室に入局しました。耳鼻咽喉科は外科的な治療と内科的な治療の両方があり、その多彩さがとても興味深いと感じたんです。勤務医としては、耳・鼻・喉の検査・診療に携わり、手術も数多く経験してきました。大きな手術も、小さな手術も数多く担当してきましたので、多くの実績と自信を積み重ねることができたと思います。手術は、患者さんにとって大変なこともあるけれど、患者さんの見せてくれる笑顔って本当に素敵なんですよ。それを見ているだけで、大変なこともすべて吹き飛びますね。

特に専門とされていた分野はありますか?

多田直樹院長 多田耳鼻咽喉科医院2

耳鼻咽喉科の中でも「耳管」について、研究・臨床を行ってきました。海外での発表もしていきましたし、外来では耳管閉塞症などの患者さんを診てきました。耳管は比較的マイナーな分野なので、確立された治療法やエビデンスが十分でないこともあり、患者さんと相談しながら治療を進めていく要素が大きいんですね。長期にわたって治療を受けていても改善せず悩んでいる方も多い分野なので、患者さんとは二人三脚。お互い情報交換しながら、適切な治療方法を探っていくことが大切だと実感させられます。また、最近では好酸球性副鼻腔炎についても学びを深めています。治療しやすい急性副鼻腔炎とは違い、好酸球性は難治性であることが多いので、長引く副鼻腔炎に悩んでいる人は一度疑ってみると良いかもしれません。

患者の言葉に耳を傾け、信頼関係を築く

豊富な手術の経験を生かして、診療所では日帰り手術も行っているそうですね。

多田直樹院長 多田耳鼻咽喉科医院3

入院することはできませんので、局所麻酔で行える日帰り手術のみをお引き受けし、手術を終えた方には私に直接つながる電話番号をお伝えするなど、アフターフォローもしっかりと行っています。とはいえ、手術はやっぱり怖いと感じるものだと思います。不安がまったくない人はいないでしょう。ですから、まずは検査をしっかりとして「本当に手術が必要かどうか」を精査し、手術以外の方法を検討・実施して経過を観察、その上で「患者さんの希望」があれば手術を実施するようにしています。手術は大切な自分の体を委ねることですから、まずは、任せてもいいと思ってもらえるような関係をつくることがスタートだと思っています。

診療で大切にしていることはありますか?

まずは「傾聴」ですね。患者さんの感じていること、悩んでいることなど、まずはしっかりと聞くように心がけています。これは忙しい病院勤務時代にはなかなか難しいことだったのですが、今は日々の診療を通して、傾聴の大切さを実感します。われわれが提供するのは医療ですから、エビデンスは大切だし、医療技術の向上に努めることは大切なことです。しかし、それだけですべての病気が治るかと言うとそうではない。病気には単純に身体的な要素だけでなく、家庭環境や生活環境、心理状態などあらゆるものが絡まり合っています。患者さんの言葉の中にはたくさんのヒントがありますから、病気の本質を見極めるためにもじっくりと話を聞かせてもらうことを大切にしています。

患者さんの話を聞くために、工夫されていることはありますか?

多田直樹院長 多田耳鼻咽喉科医院4

当院では、メディカルクラークという医療事務に精通したスタッフに、カルテ入力を一任しています。おかげでカルテ入力のためにお話を遮ったり、時間を割いたりする必要がなく、その分を患者さんと向き合う時間にすることができています。入力に気を取られることがありませんので、これまでの経過や症状をじっくりと聞くこともできますし、検査結果や治療方針について説明する時間も十分確保できます。また、診療が終わると同時にカルテ入力も終わっていますから、じっくり話をしても診療時間全体だとかなり時間が短縮されています。話す時間をしっかり取りつつ、次の患者さんをお待たせし過ぎず、患者さんにより納得を届けることができる良いシステムだなと感じています。

生まれ育った街で、地域の人たちの健康のために

日帰り手術などを積極的に行う一方で、鼻うがいなどのセルフケアもお勧めされているそうですね。

多田直樹院長 多田耳鼻咽喉科医院5

副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に悩む人には、鼻洗浄でのセルフケアをお勧めしています。病気は薬や病院で治すものと思っている人は多いですが、日頃から自分の体の変化に注目し、ひどくならないようにメンテナンスをすることもとっても大切なんです。実は私自身も、ハウスダストとダニに中程度のアレルギーを持っていますし、スギとヒノキにも若干反応があるアレルギー性鼻炎を抱えています。ですから、くしゃみや鼻水が止まらなくなることがあるんですよ。そんな時に鼻洗浄をするとかなりスッキリします。鼻洗浄は適切なやり方で行えば苦痛も少ないんですよ。費用も微々たるものですので、一度試してもらえたらと思います。

今後、やっていきたいことはありますか?

より痛みや出血のない手術をしたいなと思っています。手術前には、患者さんに術後にどのようなことが起こり得るかしっかりと説明して、術後に起こった症状で驚いて、病院に駆け込んでくるようなことがないようにしています。ただ、そうやって説明をして信頼をいただいていたとしても、多少なりとも我慢をしていただいているわけですからね。もっと手術についての知識を深め、苦痛を減らしていきたいです。「麻酔の方法はどうか、処方や服薬指導はどうか、そして手術の方法はどうか?」と丁寧に治療を考え、検討を積み重ねていけば、まだまだ改善できる余地はあると思います。今の自分に甘んじることなくより患者さんのために、手術についてももっと極めていけたらと常に思っています。

最後に地域の皆さんにメッセージをお願いします。

多田直樹院長 多田耳鼻咽喉科医院6

私が生まれ育ったこの地域も高齢化が進み、昔とは違う医療ニーズがあるなと感じます。そういった状況の中で、自分にできることは何かをしっかりと考え、皆さんが笑って楽しく暮らせるようなサポートをしていきたいと考えています。耳が聞こえにくい、めまいがする、鼻が詰まってよく眠れないなど、困った事があれば相談してください。そして、診療を通して病気や体のことを知り、もっともっと楽しく暮らしていきましょう。また、アレルギーで悩んでいる方には舌下免疫療法も行っています。患者さんの希望に沿って、薬物療法、手術、セルフケアなどあらゆる方向で症状にアプローチしていきます。まずは気軽にご来院ください。

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