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藤本 隆夫 院長の独自取材記事

ふじもとこどもクリニック

(三鷹市/三鷹台駅)

最終更新日:2023/04/04

藤本隆夫院長 ふじもとこどもクリニック main

京王井の頭線三鷹台駅から徒歩12分、駐車場3台完備の「ふじもとこどもクリニック」は、小児科、小児外科、小児泌尿器科を標榜し、2016年の開業以来、地域の小児のかかりつけとして診療を行っている。院長の藤本隆夫先生は、順天堂大学医学部附属順天堂医院、東京女子医科大学病院、愛育病院での勤務をはじめ、ヨーロッパにも留学した経験を持つ。小児外科の専門家として症状に潜む原因を見逃さないよう努め、必要な場合は手術ができる医師へ適切に紹介する体制を整えているという。「診療のスタンスは、エビデンスベースのきちんとした治療や、必要な検査をすること。お母さんとのコミュニケーションが成り立つ診療を心がけています」と藤本院長は語る。子ども好きで明るい藤本院長に詳しく話を聞いた。

(取材日2023年2月25日)

小児外科の経験を生かし、疾患を見逃さないことに注力

先生は小児外科、小児泌尿器科がご専門なのですね。

藤本隆夫院長 ふじもとこどもクリニック1

開業する前は、勤務医として日本の病院をはじめ、ヨーロッパにも留学し、40年近く小児外科、小児泌尿器科を専門としてきました。開業後は、小児科のほかに小児外科、小児泌尿器科も掲げていますが、クリニックでは手術をしませんので、疾患を見逃さないよう努め、手術ができる先生へつなぐことを大事にしています。膀胱尿管逆流症や鼠経ヘルニアなどの疾患にお子さんがかかってしまった場合、多くのお母さんたちは、小児外科や小児泌尿器科には直接行きません。ですので私は超音波検査や内圧検査、血液検査も積極的に行うようにしています。やっぱり第一線にいる人が症状を拾い上げ、小児外科や小児泌尿器科へつないでいくこと、それが大事だと思います。私がお母さんたちの総合的な窓口になれればいいなと思っています。

こちらには、どのような患者さんがいらっしゃいますか?

患者さんの85%くらいは感染症ですね。いわゆる流行の風邪や下痢、インフルエンザやRSウイルスが多いです。残りの15%くらいは小児外科や小児泌尿器科へ振り分ける必要がある患者さんです。どちらかというと、小児外科の疾患よりも小児泌尿器科的な疾患のほうが多いかもしれないですね。1日30回おしっこに行くような頻尿や、おなかが硬い、便が白いなどでいらっしゃる方もいます。それからおちんちんの問題も結構あります。小児泌尿器科を掲げているクリニックは少ないですから、遠くからお越しになる方もいらっしゃいますね。それから私と同様、病院でアクティブに診療していたメンバーがいろいろなところに開業していますので、仲間の医師たちから、私のところへ紹介される患者さんもいます。

子どものおもらしやおねしょのお悩みも多いと聞きました。

藤本隆夫院長 ふじもとこどもクリニック2

子どものおもらしについては、膀胱直腸機能障害(BBD)という概念が定着しつつあります。これは、排便と排尿の働きが関わり合っているという考え方です。まず投薬で便秘を改善を図ることは尿失禁の改善にもつながるという例が多く確認されていて、統計的な裏づけも進んでいます。年齢が上がるにつれて自然に改善に向かうことも多いですが、親子の悩みは大きい。当院がその解決に役立てればと思っています。また、おおむね就学の時期を迎えてもおねしょがなくならない夜尿症は、小児泌尿器科に寄せられる最も多い相談です。一言で夜尿といっても「夜間に尿を濃くするホルモンの働きが不調」「膀胱自身の機能的な問題による」などいくつかのタイプがあり、治療法はそれぞれ異なります。お子さんの夜尿がどのタイプにあたるのか、原因を特定するためには条件を変えながら何度か採尿や計測を行う必要があるので、親御さんには自宅でのご協力をお願いしています。

医師と保護者が、同じ知識を共有することを大切に

先生が診察で心がけていることを教えてください。

藤本隆夫院長 ふじもとこどもクリニック3

小児外科の医師として病院に勤務していた頃、一番大事にしていたことは、お母さんと私で同じ知識を共有し、理解していただくことでした。私が知っていることを共有し、お母さんが十分に理解してから手術をしてきたのです。その頃と同じスタンスで、今もお母さんたちへはお子さんがかかっている疾患の説明を丁寧にします。「この病気は、こういう病気だからこういう治療が必要なんですよ。これどうしてなるんだと思う?」というように。なぜ、この疾患にかかってしまったのか理解していただかないと、治療を始めないというのが私のスタンスです。お母さんたちはインテリジェンスが高い方が多く、説明に時間がかかることを嫌だとおっしゃる方はいらっしゃらないですね。お子さんが小学生以上の場合は、本人にも説明をし、理解してもらってから治療を進めることを大切にしています。

患者さんの待ち時間を減らす工夫もされているとか。

私の診療スタイルを貫くと、どうしても一人ひとりの診療時間が長くなってしまうんです。そこで、お母さんたちには診療の予約をインターネットで取っていただくことをお願いしています。診療時間が近づくと、スマートフォンに連絡が行くのです。お母さんたちは待合室で待つ時間が減りますし、外で並ぶ必要もありません。また、発熱や感染症の疑いのあるお子さんは、クリニックへいらしたとき、窓口ですぐわかりますので、別室で待っていただくよう誘導することができます。予約をしていただくことで、院内感染が起こらないよう工夫もしています。

こちらではウイルス検査も念入りにされているとか。

藤本隆夫院長 ふじもとこどもクリニック4

どんな疾患にかかっているのか調べるためには、検査が必要なんです。ちゃんとした検査をすることで、例えば「ウイルス性の腸炎」とひとくくりで診断するのではなく、ノロウイルスなのかロタウイルスなのかアデノウイルスなのかで、生活管理が変わってくるわけですから、どのウイルスなのか検査で特定することは大事なことです。ノロウイルスは消毒アルコールでは死にませんから、お母さんへ洗濯の仕方や、お風呂への入り方など全部指導する必要があります。家族に広げないように、ごきょうだいにうつさないようにするにはどうしたらいいか、その点を伝えるためにも検査はとても重要だと思っています。

研修医時代の経験で、小児外科の医師を志す

小児外科の医師をめざしたきっかけを教えてください。

藤本隆夫院長 ふじもとこどもクリニック5

大学を卒業した当初は、形成外科もいいなと思っていました。なぜなら、顎顔面形成不全など先天的に疾患を抱え、つらい思いをする子どもたちを手術で治してあげたい、と思っていたからです。そんな中、小児外科を選ぶきっかけになったできごとがありました。外科学教室に入って当直をしていた時、入院していた胆道閉鎖症の子どもの点滴が漏れたことがありました。当直は、小児外科の患者さんも担当でしたから、私も呼ばれ対応にあたったんです。苦戦しながらも無事に対応しきった経験から、病気で苦しむ子どもたちを何とかする手伝いをしたいと思うようになり、小児外科の医師を志しました。

医師として喜びを感じる瞬間について教えてください。

病院に勤務していた時は、手術の結果を重視していましたし、外来で大きく育っていく子どもたちの姿を見るのもすごくうれしいことでした。開業後は、私が自分の手でいろいろなことをするというより、少しお手伝いをするという意味合いが強くなりました。それでも、朝、私が駐車場に車を停める時に登校時間の小学生たちが「先生、おはよう。行ってきます」と言ってくれることに、うれしく感じています。子どもたちが元気に成長して、交差点や帰り道で声をかけてくれることで、子どもたちのコミュニティーの一員になれたのかなと感じます。今はそれが一番喜びを感じる瞬間ですね。

地域の方へのメッセージをお願いします。

藤本隆夫院長 ふじもとこどもクリニック6

困ったこと、心配なこと、悩み事をお母さん一人で抱えないで気軽に声をかけていただきたいと思っています。子どものことで何か困ったことがあれば、まずは話を聞かせてください。私の専門外のことでも専門の医師につなぐことができるので、心の問題も含めて広く相談していただければと思います。

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