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伊藤 理恵 院長の独自取材記事

上社眼科

(名古屋市名東区/上社駅)

最終更新日:2023/09/08

伊藤理恵院長 上社眼科 main

名古屋市名東区の住宅地に立つ、白くすっきりした外観の「上社眼科」。小児眼科を標榜することから、患者の半分以上が子どもたちだ。とはいえ院長の伊藤理恵先生は勤務医時代、白内障や緑内障、糖尿病網膜症などの診療、手術に従事してきた眼科のスペシャリストであり、舌下免疫療法を含めたアレルギー治療にも対応。家族そろって受診する患者も多い。眼科の医師をめざすきっかけとなったのは「てきぱき治療を進める女性医師」の存在。現在は自身がてきぱき、笑顔で患者に接している。自宅に帰れば双子の男の子のママでもある伊藤院長に、目の病気について、同院の特徴や心がけなどについて話を聞いた。

(取材日2023年6月1日)

斜視の治療、セカンドオピニオンにも対応

どんな患者さんが来られるのか、また医院の特徴について教えてください。

伊藤理恵院長 上社眼科1

2016年2月の開業当初は患者さんのほとんどがお子さんでしたが、次第に親御さん、おじいちゃんおばあちゃんとご家族で来ていただけるようになっていただいています。ドライアイや緑内障、白内障、加齢黄斑変性、アレルギーなどさまざまな症状の方が来られますね。私は網膜硝子体疾患や糖尿病網膜症の勉強をした上で、斜視の勉強もしてきましたので、斜視の方も多いです。東海圏には斜視を診る医師が少なく、他院で「斜視は個性だから」と言われた方や「気になっていたが近くに病院がなかった」という方、セカンドオピニオンを求めて来られる方もあります。お母さんが気づいていないケースもありますので、こちらから「斜視がありますよ」と指摘することもあります。

斜視だとどんな問題がありますか? また治療法は?

子どもの運動能力の発達には大きな影響があります。動体視力が良くなく、両目で見る力が低いので、プロのスポーツ選手をめざすとしたら、運動能力の獲得に大事な時期である6~9歳頃までには治療することをお勧めします。寄り目にする訓練を繰り返し行うことが有用なケースがあるため、自宅でできる訓練として指導しています。症状によっては手術が必要になることもありますが、斜視は手術前の治療プランが非常に重要なんです。手術では目の周りの筋肉をずらすので、その筋肉の量をしっかり決める必要がありますが、子どもは日によって筋肉のずれの幅が変動するので、毎月1回検査を行い、数値を見極めてから手術を行います。現在手術をお考えの患者さんは2~3歳から大人の方です。

子どもの目について、親が注意しなければいけないことは何ですか?

伊藤理恵院長 上社眼科2

赤ちゃんの頃は、目が白くないか、目の位置が寄り目でないか、ということに注意してください。先天白内障の場合、6ヵ月で手術をする必要があるとされています。1歳未満で内斜視があると、立体的に物を見る力が弱くなり、細かい物を見ることが難しくなる場合もあります。お母さんが「うちの子の目、何か変だな」と思っても、周りの人が「小学校になってからでいいんじゃないか」とか「小さい子にはよくあるのでは」と言ったりして受診が遅くなってしまうこともあるので、気になったら早めに受診していただきたいですね。

お子さんを診察する時に気をつけていらっしゃることは?

小児科の先生と一緒で、怖がらせないということですね。例えば白衣を脱いで診察をするとか、私が待合室に出てきて、診察室でなく、お母さんに抱っこしてもらってお子さんを診察するなど工夫しています。待合室のモニターには、無声でも楽しめるアニメを流しています。当院は視能訓練士が多数在籍しています。中学生の子どもがいる私も含めて子育て経験者が多いので、みんな優しいですし、子どもの扱いに慣れていますね(笑)。プロとしての技術はもちろん、患者さんへの説明も上手だと思います。

患者の歴史を未来につなげる緑内障治療

大人はどんな症状で来院されますか?

伊藤理恵院長 上社眼科3

通院している大人の方は緑内障や網膜の病気が多いですね。緑内障は健康診断で眼圧や視力を測って、眼底写真まで撮ってもらってようやく見つかる確率が高くなりますので、健診では眼底写真を撮っていただくと安心できます。緑内障は目の奥にある視神経に異常が起こり、視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったりする病気です。自覚症状がないので見つかりにくく、健診で眼底写真をお撮りしていない方、また、血のつながった方に緑内障の人がいたら、お早めにご受診して検査することをお勧めいたします。

緑内障の治療はどのようなものですか?

緑内障の問題は約6割の方が治療を中断してしまうことです。緑内障は慢性疾患なので1ヵ月に1度の受診が必要ですが、自覚症状がないので通院をやめてしまうんです。緑内障は放置していると必ず進行する病気なので、1ヵ月に1回は来院して、継続的な治療でデータを蓄積することが大事です。5年10年の単位でゆっくり進むので、そのデータを見ながら眼圧、視野の進行度、神経の厚みがどれくらいの速度でなくなっているのかを見て、治療の計画を立てていきます。つまり、患者さんの目の歴史を次の未来の治療につなげていくわけです。ですので、紹介状がある場合は必ず持ってきてください。患者さんが転居などで転院する場合は、当院も必ずデータをお渡ししています。

高齢者には緑内障より白内障のほうが多いと聞きます。

伊藤理恵院長 上社眼科4

加齢とともに白内障の患者さんも増えます。40歳くらいから水晶体の酸化が始まり、だんだん水晶体の色合いが濃くなってきます。そうすると視界がぼやけたり、かすんだり、まぶしくなったりします。白内障に関しては、自分の目の機能維持にできるだけ努めてほしいと思っています。もちろん手術は根本的な治療となりますが、できるだけ自分の目で頑張っていただきたいというのが私の考えです。絶対に技術は革新していきます。20年前の医療と今の医療では全然違います。薬も機械もレンズも新しくなっています。できるだけ手術の時期を後に後にできるように、白内障の進行を抑制するための点眼薬を処方しています。

目の機能を維持して体全体も健康に

眼鏡の調整をしてくださるそうですね。

伊藤理恵院長 上社眼科5

医院を始めた頃、眼鏡を適正に掛けていない方がとても多いと感じました。眼鏡は掛け具合が少し違うだけでも、少しゆがむだけでも、光の入り方が変わってくるので、見え方が全然違います。大人のみならず、子どもの弱視ではよりきちんと眼鏡を掛けることが大事です。当院では週に1度、眼鏡店の技術士に来ていただいて、眼鏡の調整をさせていただいています。眼鏡の掛け方はとても大切です。どこでお買い求めになった眼鏡でも調整しますので、お気軽にお持ちください。

先生が特に力を入れていることを教えてください。

自分が近視なこともあって、オルソケラトロジーといって特殊なコンタクトレンズによる角膜矯正治療を行っています。未来の子どもたちが近視が強いことで緑内障、網膜剥離、白内障になってしまうことを防ぐためです。大人に対してはできるだけ目を含めた体全体を機能維持してもらえるように取り組んでいます。例えば、サプリメントのアドバイスや、体を末永く使えるように眼精疲労の治療や、その人が何をするべきかなどをアドバイスしています。さらに、まぶたが重くなることによって起こる目の疲れの改善も期待できる、眼瞼下垂の手術にも取り組んでいます。また自費診療になりますが、ほくろ除去なども行っています。今後は患者さんがいつまでも若々しく元気に生活できるよう、加齢による体の変化に対してケアできるような自由診療にも力を入れていきたいと考えています。また、最新情報についてはホームページに載せていく予定です。

最後に読者にメッセージをお願いします。

伊藤理恵院長 上社眼科6

子どもの近視の診療に力を入れていること、及びすべての目の疾患の治療のゴールは、今の長寿の時代、長い人生を迎えるにあたって、できるだけ健康な目を維持していきましょうということなんです。目が弱ると体も弱るし、体が弱ると視力も下がります。寿命が延びているので、目の健康寿命も長くしなくてはいけません。機能維持をいかにするかということがとても重要です。維持をすることは素晴らしいことです。10年後維持していたら、10年若いということですから。「目と体全体の両方をケアする」ことが当院のモットー。できるだけ皆さんが長いこと困らないように健康を維持して楽しい人生が送れるよう、お手伝いしていきたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ほくろ除去/1mm以下:3300円、1mm超:1mm超えるごとに3300円~(6600円~)、1mm以下:(5ヵ所)1万4000円、1mm:(10ヵ所)2万4000円

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