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久保寺 大也 院長の独自取材記事

久保寺整形外科

(相模原市中央区/淵野辺駅)

最終更新日:2022/08/19

久保寺大也院長 久保寺整形外科 main

JR横浜線淵野辺駅から歩いて約3分。芝溝街道沿いに立つマンションの1階にある「久保寺整形外科」。1992年の開院から30年という歴史のあるクリニックだ。院内には美術鑑賞が好きだという久保寺大也(くぼてら・だいや)院長の選んだ絵画が飾られ、アットホームな雰囲気に包まれている。膝の治療を得意としてスポーツの分野にも詳しい久保寺院長は、明確な方針を持って治療に臨み、講演会などにもたびたび参加して新しい知識を学ぶなど、常に前向きな姿勢で診療に取り組んでいる。優しい笑顔で患者と接し、「体だけではなく気持ちも楽になって帰っていただきたい」という方針で患者に接している久保寺院長。「すぐには治らなくても、治療に来て良かったと思って帰っていただきたいのです」と胸の内を語る院長に、いろいろと話を聞いた。

(取材日2022年3月9日)

偉大な恩師との出会いを契機に整形外科の道へ

医師を志された理由と、これまでのご経歴などについてお聞かせください。

久保寺大也院長 久保寺整形外科1

子どもの頃から、漠然とですが人の役に立つ医師になりたいと思っていました。もともとは外科系に興味がありましたが、整形外科に良い教授がいると勧められ、北里大学の整形外科に入局しました。大学では膝を専門に学び、特に膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)に関心をもって治療していました。お世話になった教授は器の大きな先生で、手術の方針会議でまだ駆け出しだった私の意見を採用してくださったこともありました。若手の意見を聞き入れて自分の方針を変える先生はなかなかいません。良い結果を出すため常に考え続ける意識が大切だと教えていただきました。私も医師になって45年近くになりますが、先生の教えを常に忘れず、後輩にも伝え指導してきたつもりです。また研究分野では、馬渕清資教授と生体工学部門で共同研究をさせていただきました。

年齢や症状など、どんな患者さんが多いですか?

患者さんの年齢層としては、高齢の方が圧倒的に多いですね。多い症状は腰と膝の痛みです。当院ではリハビリテーションのスタッフが10人在籍し、保存的療法を行っています。新型コロナウイルス感染症などの影響で患者さんは少し減ったように思いますが、スタッフも含め検温・消毒・手洗い等感染症対策を徹底し診療を続けています。また、ワクチンの接種も行っています。保存的療法では限界があったり、日常生活に支障があるようなケースで、手術によって症状の改善が見込まれる場合は、連携している大学病院を紹介しています。特に脊柱管狭窄症など腰の内視鏡下手術が上手な先生がいらっしゃるので信頼しています。手術後は当院でリハビリを続けていただけます。

診察にあたって、どのようなことを心がけられていますか?

久保寺大也院長 久保寺整形外科2

体を楽にし、心も楽になってもらう。そのためにも、笑顔と優しさ、そして声かけ等を大切にしています。その真意はファミリーレストランに行けばわかるといつも説明しています。混雑し、忙しくバタバタしている中で待たされても、「ちょっとお待ちくださいね」と笑顔で言われると、それほど苦にならなくなるでしょう。そのような意味でも声かけは大切だと思い、スタッフにも伝えています。患者さんへの説明では、エックス線写真や人体の模型などを用いて、できるだけわかりやすいようにお話ししています。

徹底的に治すことをめざし、筋力トレーニングも指導

治療方針について特徴やモットーなどはありますか?

久保寺大也院長 久保寺整形外科3

徹底的に治すことですね。1回で治るものは1回で治せるような方法で治療することをめざしています。症状に合わせて適切な治療技術を用い、さらに負担をかけない体の使い方や、筋力トレーニングの方法なども指導するようにしています。例えば腰が痛い方は、腹筋を意識的に使うと動ける場合もあるので、そのような指導をすることもあります。慢性症状のある方に関しては、少しでも体を楽に、そして気持ちも楽になって帰っていただけるように心がけています。

特に力を注がれていることについて教えてください。

筋力トレーニングの指導ですね。高齢になるにつれて、体を動かす力が弱くなってしまうことで、症状が悪くなってしまうケースが多いです。当院で筋力トレーニングの指導を行い、ここで一度実践してもらってから、ご自宅でも継続してやってくださいと伝えています。簡単にできるのが等尺性運動といって、関節を動かさずに筋肉だけに力を入れる運動です。おなかであれば腹筋だけに力を入れるのです。痛みや負担が少なく、その部分だけ筋力をアップさせることが望めます。何もしないでいると筋肉は落ちる一方ですが、日々鍛えていれば、筋肉は増えなくても筋力を保つことは可能です。それによって全身の状態も変えていくことができます。それも長く続けることが大切ですね。

他にお勧めのトレーニング方法はありますか?

久保寺大也院長 久保寺整形外科4

機械を使用し体に負荷をかけて行う、等張性運動という方法もあります。当院では、下肢を鍛える機械や、フィットネスバイクなどを使用しています。足を交互に動かすことで、体を動かす能力を鍛えます。また中高年になると体が固くなってくるので、ストレッチも推奨しています。中でもお勧めなのがジャックナイフ・ストレッチという下肢と腰のストレッチです。スクワットの効果もありますので、自分も日々のトレーニングに取り入れています。

我慢せず早めの治療で健康を保ってほしい

休日の過ごし方や、健康のためにしていることがあれば教えてください。

久保寺大也院長 久保寺整形外科5

私は医学の講演会が好きです。新しい知識を得ることができるため、自分の知識をさらにブラッシュアップし、治療につなげることができます。参加できるものにはなるべく参加するようにしています。私の健康維持法というか趣味は“筋トレ”です。自分が虚弱では患者さんに対して説得力がないので、腹筋運動と先ほどお話ししたジャックナイフ・ストレッチを毎日行っています。時間があるときはダンベルとグリップ・マシンも使ってトレーニングしています。年齢の割には筋肉があるほうかもしれません。40歳を境として、筋トレの成果の出方はまったく変わってきます。若い男性なら等尺性運動だけでも筋力の増強が期待できますが、高齢になっても成果は期待できますので、安心して続けてほしいと思います。

今後の展望について何かお考えはありますか?

今後はさらに高齢者のフレイル(心身の衰え)やサルコペニア(筋肉の減少と筋力低下)が増えると思われるので、その予防と改善に努めたいですね。また、子どものスポーツ障害の診療にも力を注ぎたいと考えています。昨今では、症状が出るとすぐに休ませることも多いですが、私は無理のない範囲であれば積極的に動いたほうが良いのではないかと思っています。例えば野球で肘が痛い場合、投球はできませんが、ベースランニングやバッティングは行っても良いのです。私もかつて野球を少しやっていましたが、スポーツ障害の原因の多くは、オーバーユースにあります。プロの選手は上手にケガと付き合いながらも素晴らしいパフォーマンスをしています。骨折などの場合を除き、患部を休ませながら行うトレーニングのあり方についても指導していければと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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ある程度の年齢になると、今までの無理が表面に出てきますので、痛みや違和感などがあれば我慢せずに医療機関に行きましょう。そして治療を受けたり、また予防に関する知識などを得たりしていただくことも大切かと思います。特に肩が痛い場合は、我慢したまま2〜3ヵ月たつと固まって動かなくなってしまい大変です。痛くなったらすぐ治療を始め、動きを維持しながら治療したほうが良い結果につながります。さらに、年を取ったときに膝や腰などが変形しないよう、ぜひ若いうちから筋力トレーニングをしていただければと思います。変形する一番の原因は筋力の低下によるものといわれていますので、日頃から筋力を高めておくことが大切です。100歳まで元気に自分の足で歩き、トイレや入浴も自由にできるようにしたいですね。

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