今真帆院長、今一裕先生の独自取材記事

自由が丘歯科

(世田谷区／自由が丘駅)

最終更新日：2022/01/12

自由が丘駅南口から、おしゃれなカフェやショップが軒を連ねるマリ・クレール通りを抜けた閑静な住宅街の一角に「自由が丘歯科」はある。2013年の開業以来、今真帆（こん・まほ）院長と、今一裕先生の夫婦が、「地域に根差した歯科医院」をめざし、小児から高齢者まで、地域住民の歯の健康を見守ってきた。予防歯科やなるべく削らない治療に力を入れ、検査や患者への説明も丁寧に行い、患者の人生に寄り添った口腔内トータルケアに力を注ぐ。また、2人は2児の親でもあり、広いキッズルームやトイレのベビーチェアなど、子どもが来院しやすい歯科医院づくりにもこだわる。開業後もアップデートを心がけ、高度な医療を提供したいという今院長と一裕先生に、同院の特徴から今後の抱負までたっぷり語ってもらった。

（取材日2021年9月16日）

キッズルームをはじめ安心して来院できる設備を用意
長い目で口の中全体を考えた治療にこだわる
アップデートしながら地域に根差す歯科医院をめざす

キッズルームをはじめ安心して来院できる設備を用意

開業から8年になりますね。

【今院長】自由が丘という街に根づきたいと思って開業しましたが、お子さんからご高齢の方まで、地域の幅広い年代の患者さんが来てくださっています。開業当初から通ってくださっている患者さんも多く、幼かった患者さんが小学校に上がって息子の同級生になったり、中学生だった患者さんが大学に進学したり、子どもの患者さんの成長を見ると年月を実感しますね。
【一裕先生】開業以来、患者さんと接する中で、大きなやりがいを感じています。一つ一つの治療を丁寧に、一人ひとりの患者さんに優しく笑顔で接するように心がけていますが、患者さんから感謝のお言葉をいただいたりすると、この仕事をしていて本当に良かったと感じます。

広いキッズルームが好評だとか。

【今院長】やはり、子どもにとって歯科治療は嫌なことだと思うので、少しでもリラックスして楽しい気持ちになってもらいたいと、絵本やおもちゃで遊べるキッズルームを用意しました。クリニックを開業する際、診療室とキッズルームをつなげて設計してもらったのも、まずは歯科医院という場所に慣れてもらうためなんです。私自身、やんちゃ坊主の母親で、嫌がる子どもに診察させる気持ちはよくわかるので、親御さんの負担を軽くしたい気持ちもあります。また、ご自身の診療中にお子さんが遊んで待っていてくれるからと、お子さん連れの患者さんにも喜んでいただいています。お子さんにとって、歯科医院という場所を「怖いところ」から、「楽しいところ」に変えることができたら、と思います。

感染症策はどうされていますか？

【今院長】自粛の影響で、長期間来院を控えた患者さんには、歯が欠けたり歯周病の検査数値が悪化したりと、口腔内の状態が悪くなった方がいらっしゃいます。当院では、安心して来院していただくために、院内の清拭などをさらに徹底し、処置にあたるスタッフはゴーグルを装着するなど、感染症対策に取り組んでいます。設備面では、プライバシーに配慮した個室の診療室では、空調も各個室に独立して設置し、窓を開けて換気も行い、治療で発生する飛沫による感染を防ぐ口腔外バキュームを使用しています。

最近、新たに導入した設備はありますか？

【一裕先生】歯や口の中の粘膜に触れずに歯の型採りをする口腔内スキャナーは、嘔吐反射がある患者さんの負担も軽減できるほか、歯の型採りが必要なインプラント治療などの精度向上に役立てています。また、歯の形態情報をパソコンに送信し、3Dデータで管理できるため、デジカメで口腔内を撮影した画像よりも、視覚的・感覚的にわかりやすく患者さんに説明できるのもメリットです。ほかには、歯の詰め物などを院内で加工できる歯科用ミリングマシンを導入しました。症例は限定されますが、お急ぎの患者さんにはその日のうちにかぶせ物や詰め物をご用意することが可能ですし、インプラントの仮歯を手術と同時に作製することもできます。

長い目で口の中全体を考えた治療にこだわる

治療する上で気をつけていることは何ですか？

【今院長】当院では、どんな治療を行うときにも、患者さんに納得していただくことを何より大切にし、きちんと説明することを心がけています。初診時には、一番のお悩みを伺い、痛みや腫れなど急を要する場合はそれらを解消する処置を行い、口腔内写真やCTスキャンを撮影して十分な情報を集めます。そうして口腔内全体の状態を把握し、患者さんにきちんと情報提供をした上で治療計画を立てていきます。なぜこの治療が必要なのか、この歯を残すとどんな影響があるのかなど一つ一つ丁寧にしっかりと説明していきます。

できるだけ歯を削らない治療に努めているそうですね。

【一裕先生】たとえ虫歯でも、クリーニングと必要最低限な処置と経過観察だけで削らずに済むケースもあります。一度削ってしまうと虫歯の再発リスクが増えるので、歯を守ることは結果的に予防につながります。どの程度の処置で済ませるか、その見極めが重要です。
【今院長】できるだけ歯を残したいので、細部までしっかり確認することで削る量を最小限に抑えることができるマイクロスコープなども導入しています。もちろん、残してしまえば周囲の歯に悪影響が及ぶ場合などは、しっかり説明して、納得していただいた上で抜歯を行います。また、口腔内の写真などをお見せしながら、毎日の歯磨きや定期検診の大切さもお伝えしています。

今院長と一裕先生は学生時代にインプラント治療を専門に学んできたと伺いました。

【一裕先生】インプラント治療を学んだのも、健全な歯をなるべく削らず、犠牲にしない治療をしたいと思ったのがきっかけです。これまで、歯を失った際の治療法として一般的だった入れ歯やブリッジは、周囲の歯に大きな負担になるデメリットがあったんです。しかし外科手術を要するインプラント治療に不安を感じる患者さんもおられるので、当院では、顎骨の状態まで確認できる歯科用CTを導入し、事前の検査を十分に行った上で手術に進んでいます。また、インプラント（人工歯根）の上のかぶせ物は、従来のセメントのものは一度固定すると外すことが困難になり、お口の状況に合わせた柔軟な対応ができないため、ネジで固定するタイプのものをお勧めしています。当院では、その場限りの治療ではなく、患者さんの人生に寄り添う治療をめざし、予後まで考慮し、きれいな状態で長持ちできるインプラント治療を行っていきたいと考えています。

アップデートしながら地域に根差す歯科医院をめざす

院内のチームワークはいかがですか？

【今院長】勤務医も歯科衛生士も歯科助手も、みんなが互いの状況を察して動いて、助け合っているのですごく頼もしいです。歯科医師は、現在私たちのほかに勤務医の先生が2人いて、女性の水上先生は、詰め物の治療が上手で、診療も丁寧で優しくて子どもの患者さんが得意です。男性の大石先生は、英語が話せるので外国人の患者さんへの対応の際はとても心強いです。2人ともそれぞれの良さを生かし合って私たちを支えてくれる大切な存在です。

クリニックの看板に「英語が話せる先生がいます」とありますね。

【今院長】自由が丘は外国の方が多い街で、当院にも外国人の患者さんが増えてきました。大石先生と、留学経験のある一裕先生は英語が話せるのですが、私自身は言いたいことが伝わらないもどかしさを感じていたので、英会話スクールに通って勉強しています。歯科衛生士も英語でのコミュニケーションにトライしているので、私も負けずに頑張りたいです。

今後、どんな歯科医院をめざしたいとお考えですか？

【一裕先生】開業当時からの「地域に根差した歯科医院」という目標は、今も変わりません。そして、地味だけれど、高い水準の医療を提供できる歯科医院でありたいですね。そのためにも、勉強会に参加するなど、歯科技術の向上に努めながら、いつでも地域の皆さんに頼っていただけるよう、患者さんとの信頼関係を大切にしていきたいと考えています。
【今院長】私も、アップデートを続けつつ、地域に根差した歯科医院でありたいと思っています。例えば訪問診療。病気で歩けなくなった患者さんが治療の継続を希望されたので、訪問診療を行ったのですが、今後、5年10年たつうちに、年齢や傷病などの理由で来院できない患者さんからのニーズが高まるかもしれません。訪問診療はじめ、地域医療のあるべき姿を大切に、やるべきことをやっていきたいと考えています。