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さまざまな症状の原因になる
ドライアイを正しく理解する

かつた眼科クリニック

(尼崎市/尼崎駅)

最終更新日:2024/05/15

かつた眼科クリニック さまざまな症状の原因になる ドライアイを正しく理解する かつた眼科クリニック さまざまな症状の原因になる ドライアイを正しく理解する
  • 保険診療

「パソコンワークで目が乾く」「疲れ目がつらい」など、目の不快な状態を訴える声はよく聞くが、それで眼科を受診している人は多くない。ドライアイや疲れ目用のさまざまな目薬が市販されていることもあって、目の乾きや疲れはわざわざ受診するほどの症状ではないと考えてしまう人が大多数ではないだろうか。しかし、「自己判断や安易な対応は、症状を悪化させてしまうリスクがあります」と、「かつた眼科クリニック」の勝田英人院長は警鐘を鳴らす。ドライアイには、目の乾き以外にもさまざまな症状があり、眼精疲労の原因になっていることも多いという。身近な目のトラブルや困り事に真摯に対応している勝田先生に、ドライアイの特徴や検査、治療、注意したいポイントなどを聞いた。

(取材日2024年4月24日)

自覚症状がある場合は自己判断や安易な対応は避け、眼科医院へ

Qドライアイとはどのような状態なのですか?
A
かつた眼科クリニック ドライアイの危険性について話す院長

▲ドライアイの危険性について話す院長

目の表面が乾燥して、不快な症状が現れている状態です。目の乾きを訴える方もおられれば、目がコロコロする、チクっとした痛みを感じる、目がかすむなど症状はさまざまです。眼精疲労を感じる方も多く、肩凝りや頭痛の原因になることもあります。目の表面は乾燥するとより乾きやすくなり、悪循環に陥っているケースも少なくありません。原因として考えられるのは年齢や環境です。年齢を重ねると目の粘膜の潤いが減少。エアコンによる空気の乾燥や紫外線のダメージも要因となります。また、まばたきの回数が減ると目が乾きやすく、パソコンを使う長時間のデスクワークやスマートフォンの長時間使用などもドライアイの引き金となります。

Q眼科を受診すべき基準はありますか?
A
かつた眼科クリニック ドライアイの診断は専門医師による検査が必要

▲ドライアイの診断は専門医師による検査が必要

涙の量や目の乾きやすさなど、ドライアイの診断基準はありますが、重視されるのは目の乾燥に伴う不快な症状を実感しているかどうかです。目の乾燥の状態は、季節はもちろん1日のうちでも変化するので、診察時の状態のみで判断することはできません。当院の患者さんでも、診察の結果から明らかに目が乾きやすい状態にあるにもかかわらず、特に症状を実感していない方がおられます。一方、ドライアイの所見が見られないのに、不快な症状に悩んでいるもおられます。このため、症状を自覚している、悩んでいるといった場合は、「このようなことで受診しても良いのだろうか?」と考えたりせず、一度眼科を受診することをお勧めします。

Q市販の目薬で対応しても問題ありませんか?
A
かつた眼科クリニック ドライアイと軽視せず、眼科への受診を推奨する

▲ドライアイと軽視せず、眼科への受診を推奨する

パソコンやスマートフォンの普及も手伝って、目の乾きや眼精疲労に悩んでいる方は多く、さまざまな目薬が市販されていますね。仕事が忙しいなどの理由で受診できないと、そういった目薬を使う方もいらっしゃると思います。しかし、市販のドライアイ、疲れ目用の目薬には、防腐剤などの添加物が含まれているものが多いことをご存じでしょうか? 常用すると、目の網膜が添加物の影響を受けて、ドライアイの状態が悪化する恐れがあるので、注意が必要です。点眼した時は心地良く感じるのですが、時間がたつと状態が悪化するので何度も点眼してしまい、さらに網膜のコンディションが悪化するという悪循環に陥るリスクもあります。

Qドライアイにはどのような検査や治療を行うのですか?
A
かつた眼科クリニック 治療経過を確認しながら、症状に合った治療を進めていく

▲治療経過を確認しながら、症状に合った治療を進めていく

症状などについて問診を行い、視力検査、涙を染色して顕微鏡で見ることで涙の量や乾きやすさを判断できる生体染色検査を行って、ドライアイかどうかを診断します。目尻に紙などを挟んで涙の量を測定する検査法もありますが、痛みを伴いますし、他の検査で診断できるため当院では行っていません。治療は基本的に目薬を使う薬物療法です。数種類の中から、患者さんの症状に合った使いやすいものを選び、実際に使っていただいて経過を確認しながら治療を継続します。1回の診察で処方できる目薬の量が決められているため、患者さんには月に1回程度の定期受診をお願いしています。

Q治療を受ける際に注意すべきことはありますか?
A
かつた眼科クリニック 誤解の多いドライアイ。正しく理解して、正しい治療を

▲誤解の多いドライアイ。正しく理解して、正しい治療を

ドライアイ用の目薬は、不足している涙を補うためにお出しします。最近は、目の表面の潤いを保つ作用が期待できる目薬もあります。添加剤などの不安も少なく、頻繁に点眼しても基本的に問題がないので、医師の指示に従ってきちんと点眼することが大切です。しかし、指定した点眼を行わずに、好ましくない状態になっている方が少なくないという現状があるんですね。まずはご自身の不快な症状の原因がドライアイにあることを理解していただくこと、その上で症状の改善のために眼科医が処方した目薬をきちんと使用することが大切だということをご理解いただく必要があります。

ドクターからのメッセージ

勝田 英人院長

ドライアイでありながら、目の乾燥を感じていない方は少なくありません。眼精疲労など目の疲れを訴える方や、目の奥が重たい感じがする、頭痛がするなどの訴えがむしろ多い印象です。痛みや異物感を伴う場合があり、目にゴミが入ったと感じる方もいらっしゃいます。他の症状で受診されたとしても、診察してみると、不快な症状の原因がドライアイだったということもあり得ます。このため、不快感を伴う症状がある場合は、「単なる疲れ目」などと自己判断したり、市販の目薬で済ませたりするのはお勧めしません。安易な対応は目の状態を悪化させ、改善への遠回りになることもあります。症状を自覚しているなら、まずは眼科にご相談ください。

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