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藤原 耕三 院長の独自取材記事

ふじわら医院

(豊中市/豊中駅)

最終更新日:2024/05/07

藤原耕三院長 ふじわら医院 main

豊中駅から徒歩3分、国道176号線沿いに「ふじわら医院」はある。駐車場も完備しているので、車で通院するという人も利用しやすい。院長の藤原耕三先生がめざしているのは、何でも気軽に相談でき、地域の人に安心を提供できる診療所。救急の外来から基幹病院の診療科、訪問診療まで、幅広い領域での豊富な経験を生かしながら「患者さんとのコミュニケーションを大切に診療を実践している」と話す藤原院長。また、高齢化が進む地域の特性に合わせて、在宅診療に積極的に取り組み、診療時間外の急な症状の変化にも対応できる体制を整えている。藤原院長に、医師としてのこだわりや地域医療にかける思いなどについて語ってもらった。

(取材日2017年10月12日)

父の夢を引き継ぎ、患者を大切にする医師をめざす

お父さんの影響で医師を志されたそうですね。

藤原耕三院長 ふじわら医院1

父は中学の先生に医学部への進学を勧められたのですが、祖父が始めた食料品関係の商売の業績が非常に良く、祖父のもとで働くようになったそうです。それを後悔しており、私に医師をめざすことを勧めてくれました。子どもの頃は、学校が長期休みになると、朝早く起きて父の仕入れについていきました。その道中、父はいろいろな話をしてくれ、たくさんのことを学びました。例えば、昔の医師には患者さんに高圧的な振る舞いをする方もおられたようですが、「そういう医師になってはいけない」など、医師としての理念に関わることも教えてくれました。

高校生の頃に鮮烈な経験をされたとか。

学校からの帰宅途中に、女性が心肺停止状態になって突然倒れたのです。周囲の人は右往左往するばかりでしたが、30代ぐらいの男性が現れ、ためらうことなく道路にひざまずいて、人工呼吸、心臓マッサージを始めました。救急車が到着するまで数分間だったと思いますが、その男性は医師だったのでしょうね。男性の素早く適切な判断・行動に感動したことは今も忘れられず、私のめざす理想の医師像になっています。

専門について教えてください。

医学部時代から内科か外科を選ぼうと考えており、いろいろなことが自分でできるという点で外科を選びました。初期研修先の病院でアドバイスしてもらった際に、高校生の頃に経験したように、街角で心肺停止状態の人に遭遇するといった場面で、適切な処置をできるのが外科医師の強みだと知りました。外科なら傷も縫えるし、呼吸困難になった人に気管内挿管を行うこともでき、生命に関わる処置が行えます。また、循環器外科、消化器外科などさまざまな分野があり、体全体を診ることができるというのも魅力でした。研修医時代は当直をし、救急がほとんどというハードな日々でしたが、何でもできる医師をめざしていた私にとって、さまざまな経験ができた2年間でした。

大学院では研究に従事されていますね。

藤原耕三院長 ふじわら医院2

大学の附属病院の外科と麻酔科を2年間経験した後、大学院に進みました。外科には肝臓、心臓、肺、乳腺、甲状腺、小児外科などさまざまな選択肢があり、その中から自分に一番合っていると思える消化器外科を選んで、食道について4年間専門的に研究しました。この当時の経験が、内視鏡を用いた検査など今の診療に役立っています。

よく話を聞いて、的確な診断につなげていく

開業は急に決まったそうですね。

藤原耕三院長 ふじわら医院3

病院勤務の後、豊中駅の近くの開業医で、14年にわたって内科、整形外科、外科を担当しました。ところが2013年にその医院が閉院することになったのです。当時、500人程度の患者さんを抱えていましたから、その方々の診療を引き受けるために、急きょ開業する必要に迫られました。患者さんの通院を考えると、豊中駅周辺で開院しなければならないと思い、適した物件を探したところ、幸運にも今の場所でテナントを募集しており、開業することができました。

どのような患者さんが多いのですか?

勤務していた医院の患者さんを引き継ぐ形で始まっていますので、内科的な理由で受診される方が多いですね。冬場は風邪等の感染症の方が多く、年間を通しては、高血圧、脂質異常、糖尿病といった生活習慣病での受診が多くなります。腰痛・膝痛・骨粗しょう症などの疾患を合併している方も多く、内科も整形外科も両方診てくれると重宝がられています。高齢化が進んだエリアなので、年齢の高い患者さんが多くお見えになりますが、駅に近い診療所ということで、お仕事の帰りに立ち寄られる方や校医や園医もしているので、子どもさんの受診も少なくありません。

「やさしく、丁寧に、わかりやすく」がモットーだとか。

初めて医院を受診される場合、緊張される方が多いと思います。子どもの頃父から教えられたように、高圧的にならないよう注意して、初回から気軽に話しかけて緊張をなるべく和らげるように心がけています。当院に来られた方には、通っていた医療機関で、話をしっかり聞いてもらえなかったとか、気後れして質問しづらかったなどと言って受診される方が少なくないんです。ですから、患者さんの話に耳を傾けることを大切にしています。時間があるときは世間話をすることもありますが、何でもない話の中から、生活上の問題点や勘違いが見えてくることもあり得ます。丁寧に話を伺って患者さんのことをよく理解し、適切な診断に基づいて本当に必要な治療だけを提供しようと努めています。

注射、採血、点滴も先生がなさるそうですね。

藤原耕三院長 ふじわら医院4

注射、採血、点滴はすべて医療行為なので、看護師に任せる場合も医師の監督が必要になります。私は、研修医時代には2年間にわたって毎日30人程度の採血を担当していましたので、注射器の扱いには自信があり、監督するなら自分がやったほうが安心できます。医療機関で注射や採血をされて、痛みが強かったり何回もやり直されたりして、不快な印象が残ったという経験はありませんか? 当院では、そのようなことは防ぎたいと思っています。すべて私がするので、診療時間が長くなって患者さんにご迷惑をかけることもあるのですが、この姿勢は守っていこうと思っています。

在宅診療に取り組み、安心を提供したい

在宅診療もされているのですか?

藤原耕三院長 ふじわら医院5

開業医のところで働いている頃から訪問診療には取り組んでおり、高齢化に伴って自宅で最期を迎えたいという方も増えています。開業医には診療所と自宅が離れているという先生が多く、診療時間以外の対応は難しいのが現状だと思います。当院の場合、患者さんは近辺にお住まいの方ばかりで、私も近所に住んでいますので、休日や夜間でも駆けつけることができます。診察券の裏に私の携帯電話の番号を記載して、患者さんには「何かあったときは遠慮なく連絡してくださいね」と案内しています。

時間外の対応は大変ではないですか?

現在、定期的に巡回させていただく患者さんがおられるほか、例えば風邪で診療を受けた患者さんが、熱が出てきたのでどうしたらいいかなど、休日や診療時間外に連絡してこられる可能性があります。在宅や訪問をしていると、忙しいでしょうとよく言われますが、電話でアドバイスすることで用件が済むケースも多く、そんなに頻繁に患者さんのお宅に駆けつけることはありません。

今後、力を入れたい検査や治療は?

専門が消化器外科なので、消化器疾患についてはきちんと診ていきたいと考えています。また、会社員の方は特に、血圧が高めの方、コレステロール値が高い方が多いことを実感していますが、治療を開始される方は少ないのが現状です。放置すると深刻な疾患につながる恐れがあるので、必要がある方には十分に説明して治療をお勧めします。糖尿病の方も多く、病気が進んでいる、治療経過が思わしくないという方は、市民病院をご紹介することも可能です。糖尿病のタイプがわかれば、その方に合った治療が判明しますので、必要に応じて入院となる可能性もあります。退院後は当院でケアを行い、生活指導については私自身が体重を69kgから55kgに落とした経験を生かしてアドバイスしています。

読者にメッセージをお願いします。

藤原耕三院長 ふじわら医院6

患者さんとのコミュニケーションが何よりも大切だと思っています。いろいろな話をして、治療につなげていきたいと考えていますので、なんでも気兼ねせずにお話しください。医師に聞いていけないことなど何もないので、ご家族のことでも遠慮せずにお尋ねください。先日、患者さんに「先生の顔を見ると安心する」と言っていただき、本当にうれしく思いました。これからも当院に来て少しでも安心していただけるよう、精進していきます。

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