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山元 公恵 院長の独自取材記事

かごしまたんぽぽ小児科

(鹿児島市/南鹿児島駅)

最終更新日:2021/10/12

山元公恵院長 かごしまたんぽぽ小児科 main

鹿児島市東郡元町の住宅街にある「かごしまたんぽぽ小児科」。院長の山元公恵先生は、鹿児島大学病院や鹿児島市医師会病院での長年の勤務医経験を経て2013年に同院を開業。複数の保育園・幼稚園の園医を務めるなど、地域の子どもたちの健康と健やかな発育を見守り続けているベテラン医師だ。明るく清潔感のある待合室は、まるでリビングルームのような居心地の良さ。一般の患者と隔離の必要な感染症の患者との待合室と診察室を入り口から分けて、時間予約システムを導入するなど、安心して来院できる環境づくりに力を注いでいる。「子どものうそのない純粋さに癒やされています」と笑顔で語ってくれる山元院長に、その診療スタイルや伝えたい思いを聞いた。

(取材日2020年7月21日)

親にも子どもにもストレスの少ない場所でありたい

クリニックの名前や綿毛のイラストがかわいくて印象的です。

山元公恵院長 かごしまたんぽぽ小児科1

一人のお子さんがお母さんの中で生まれ、世の中に出てきて、家庭や保育園や幼稚園、学校で成長していく過程は素晴らしいものですよね。そんな様子を思い描いたとき、「たんぽぽ」が浮かび、クリニックの名前に決めました。綿毛を持つ子どものイラストは、姪が開業のお祝いにデザインしてくれたもの。元気に世の中に飛び立とうとする姿と重なり、私もこのロゴから元気をもらっています。また、内装にもこだわりがたくさんあります。お子さんや親御さんにとって緊張する場所になってはいけませんので、自宅のようにくつろげるよう、木目調で温かな雰囲気にしています。待合室のプレイスペースは「おもちゃの部屋」と「絵本の部屋」を用意して、楽しい場所になるよう工夫。特に絵本は毎月10冊の内容を入れ替えていますので、定期的に来院されるご家族にも喜ばれています。

患者さんは近所の方が多いのでしょうか?

開業場所を検討していた際にここが候補に上がり、周辺にはマンションも多く、保育園や幼稚園、小・中学校が近くにありながら、意外に小児科が少ない地域でしたので、ここに決めました。この辺りは、以前からお住まいの家族と新しく転入してきた若い家族が混在している印象です。鹿児島市の中心部にも近く、仕事と育児が両立しやすい地域で、実際に仕事をしながら育児を頑張るお母さんだけではなく、お父さんも増えていて、しっかりと育児に取り組んでいるご家庭が多いと感じています。その反面、これまでに赤ちゃんと接する機会がなく、どう育児すればいいのかわからずに困っている若いご両親もおられます。当院では、医師、看護師、事務スタッフと協力して、病気を治すだけでなく、子どもたちの成長を見守ることや家族とお話しすることを大事にしています。

院内の感染対策にも力を入れていらっしゃるようですね。

山元公恵院長 かごしまたんぽぽ小児科2

当クリニックでは、一般の患者さんとはしかやおたふくかぜ、インフルエンザなどの疑いや、隔離の必要な患者さんの待合室と診察室を分けています。専門が小児感染症だからというわけではなく、そもそも抵抗力のないお子さんを診療するには、当たり前の環境だと思っています。また、予防接種を受ける患者さんと、感染症の疑いがある患者さんとの動線もはっきり分けて、交わらないようにしていますし、ウェブでの事前予約システムなどを活用して、患者さんの滞在時間をなるべく減らすことも大切。コロナ禍で「3密」対策が叫ばれていますが、空間的・時間的な工夫で、そのような状況も避けられるということです。

安心できる環境づくりと心配りで親子をサポート

診療をするにあたって、先生がこだわっていることはありますか?

山元公恵院長 かごしまたんぽぽ小児科3

まずは小児科の医師として、お子さんが言葉に出せない痛みや症状を見つけ出さなくてはいけないと思っています。もちろん毎日見ているお母さんたちからの情報は重要なので、お聞きしますが、それだけでなく、まずはお子さんをよく見るようにしています。お話ができる年齢の子だったら、本人にも質問して直接お話しをする。そうやってやりとりしながら、痛いのはどこなのかな? どんなふうにつらいのかな? と調べていきます。お話をすることで、どんなに小さくても治療に理解を示してくれたり、お薬を飲んでくれることもあります。きちんとお話をすることが本当に大切だと考えています。

予防接種についてのお考えをお聞かせください。

現在のワクチンの多くは、私が医者になった頃にはなく、「今のようにワクチンがあれば……」と悔やまれる子どもたちにも出会ってきました。かかると治療が難しくて、命に関わる病気だからこそ、ワクチンが作られ、この10年で日本で接種できるワクチンの種類も増えているのです。けれど、接種後の副反応が怖いと言われる親御さんもおられます。もちろん無理強いするものではありませんが、副反応があったとしても、ワクチンを接種しないで重症になったときのほうが、ずっと怖いと言えます。VPDといわれる、ワクチンで予防できるはずの病気はぜひ予防してあげてください。予防接種の種類は毎年のように変わりますし、自治体によって種類や時期が異なることあります。特にきょうだいがいる場合は、煩雑で接種を忘れがち。当院ではスケジュールを立てる際もお力になりますので、気軽にご相談ください。

こちらでは臨床心理士によるカウンセリングを行っているそうですね。

山元公恵院長 かごしまたんぽぽ小児科4

現在は月に2回、臨床心理士に来てもらっています。子どもの心のことや発達のことに悩みがあるお母さんたちだけでなく、例えば心因性の腹痛や夜尿症があるお子さんや、下にきょうだいが生まれて赤ちゃん返りをしたといった4、5歳くらいのお子さんもまた、親子でのカウンセリングが助けになる場合があります。30分から1時間という時間の中で、「お母さんが自分にだけフルに向き合ってくれた」「ゆっくり話ができた」ということで、お子さん自身がすっと落ち着くこともあると思うんです。親子が向き合い、関係をつくるためのカウンセリングといえるかもしれません。中には「心療内科に行くのはちょっとハードルが高い……」という方が、相談にみえることもありますが、必要に応じて、発達専門の外来へのご紹介もしています。

子どもの笑顔が小児医療への原動力に

小児科の医師としてやりがいを感じるときは?

山元公恵院長 かごしまたんぽぽ小児科5

勤務医時代は重病の子どもを担当していたことが多くて、悲しい場面にも直面してきました。それはやはり精神的に厳しいものがありました。長く勤めるうちに、「一人の子どもを継続して診て、その成長を見守りたい」という思いが強くなり、開業に至りました。注射が怖くて大泣きしていた子どもが、診察が終わったとたん「先生、バイバイ〜!」と笑って帰っていく。そのうそのない笑顔を見るのがすごくうれしいんですよね。そうした時間を通して親子さんと密に関係性を築きつつ、一人ひとりの成長をサポートしていくことが小児科の医師としての役得というか、醍醐味だと思っています。

ところで、お休みの日はどのようにしてリフレッシュされていますか?

以前なら遠出もできましたが、開業するとなかなかそうもいきません。海外なら教会やお城といった歴史のある美しい場所を巡ったり、国内なら大自然の圧倒されるような景色の中に身を置くのが好きでしたね。中でも上高地には何度も足を運んだものです。今でも、やはり自然を満喫することがリフレッシュになりますので、山なら霧島、海なら阿久根方面へのドライブを楽しんでいます。お気に入りは阿久根の道の駅。夕陽の時間に合わせ出かけて、太陽が海に落ちていくところを眺めて過ごしています。出先で美しいものに出合えばスマホで撮影。忙しい時はその写真を眺めるだけでも息抜きになるんですよ。

今後の展望や地域の親御さんたちへのメッセージなどをお願いします。

山元公恵院長 かごしまたんぽぽ小児科6

健康診断や予防接種などを通じて、病気の時だけでなく、子どもたちの普段の顔もわかるかかりつけ医として、地域の皆さんのよりどころとなるようなクリニックをめざしていきたいですね。お子さんに何か症状があったら、迷わずに小児科を受診してください。どんな病状であってもまず診察して、必要があればそれぞれの専門の外来につないでいきます。また働くご両親のお手伝いができればと2017年から病児保育「ぱふ」も開設しています。1日でも数時間でもお困りのときはご利用いただければと思います。小児科ながら、ご家族を丸ごと受け入れられるようなクリニックでありたいです。また海外渡航者のために、渡航先の注意点などをアドバイスし、渡航ワクチンの接種も行っていますので、気軽にご相談ください。

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