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小池 雅人 院長の独自取材記事

小池クリニック

(西宮市/西宮駅)

最終更新日:2024/04/01

小池雅人院長 小池クリニック main

阪神本線・西宮駅より徒歩約10分。灘の酒蔵が並ぶ酒蔵通りと市役所前線の交差点にあるマンション1階の「小池クリニック」は、西宮出身の小池雅人院長が2021年に開業した。小池院長は心臓血管外科を専門とし、大学病院や総合病院で心臓手術や救急医療など、幅広い診療に従事。地域医療に貢献するクリニック開業を見据え、在宅医療に注力する診療所を経て、開業に至った。「寄り添う医療、断らない医療、チーム医療の実践、安心・安全な医療介護の提供」をモットーに、内科疾患、循環器疾患の診察・治療から、外傷、睡眠障害、骨粗しょう症、高齢者の物忘れ、禁煙の相談、訪問診療に広く対応する。小池院長に、これまでの経験を生かした同院の診療について話を聞いた

(取材日2024年3月9日)

救急治療の経験を生かし、患者の生活に寄り添う診療を

西宮のご出身だそうですね。

小池雅人院長 小池クリニック1

祖父の代から西宮市夙川です。子どもの頃に野口英世などの伝記を読んで科学に興味を抱くようになり、天才的な外科医が主人公の漫画の影響で医師という仕事に憧れを持つようにました。しかし高校は文系でしたので、将来やりたいことが見出せずにいました。そこから一転して医学部進学を決めたのは、高校卒業後、浪人中のことです。社会貢献できるような仕事は何だろうと考えた時、子どもの頃に憧れた科学や医学に思い至り、親が手に職をつけることを望んでいたこともあって、医師になろうと決意。滋賀医科大学に進学しました。

医師としてのこれまでの歩みをお聞かせください。

大学卒業後は、母校の第二外科に入局しました。最初の2年間で呼吸器外科、消化器外科、心臓血管外科をローテーションした後、近畿大学医学部奈良病院に配属されました。とにかく担当の先生が厳しく、でも手術の腕はピカイチで、命の危険がある患者さんの手術に尽力する姿を目の当たりにし、こんなふうになりたいと思い、心臓血管外科を専門にすることに決めたんです。救急に全身管理に手術にと、臨床経験を積むことができ、とても勉強になりました。ただ、1ヵ月に数日しか帰宅できないくらいハードで、勉強会などに参加する時間もありませんでした。しかし、医学に携わる者として勉強もしなくてはと思い、母校の大学院で再生医療の研究をしました。その後、近江草津徳洲会病院心臓血管外科で診療を行い、部長や副院長を務めました。

なぜ開業されたのでしょうか。

小池雅人院長 小池クリニック2

高齢で一人暮らしをしている親のために地元の西宮市に戻り、2018年からは大阪市此花区の酉島診療所で所長、内科医として勤務しました。酉島診療所は、以前から興味があった在宅医療を熱心に行っており、この頃から、地元で開業して地域医療に貢献したいという思いが芽生えました。そのような折、西宮でご活躍されている先生の分院が閉院するとのことでご縁があり、2021年に当院を開院するに至りました。

恐竜のロゴが目立ちますね。

深い意味があるわけではいですが、ロゴは娘が好きな恐竜にしました。医療機関らしくないかもしれませんが、娘のお気に入りのトリケラトプスのデザインにしたところとても喜んでくれ、クリニックにはあまり見かけないロゴなので僕も気に入っています。僕も娘と同じく幼い頃から恐竜図鑑を読むのが大好きで、いつかゴビ砂漠に化石採集に行くのが夢なんです。

内科・外科双方の視点から、さまざまな疾患に対応

診療内容を教えてください。

小池雅人院長 小池クリニック3

風邪やインフルエンザ、肺炎、喘息、肺気腫など、感染症や呼吸器疾患、糖尿病、高血圧症、高脂血症などの生活習慣病、貧血といった内科領域から、狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、不整脈など心臓疾患、外傷、さらには、睡眠障害、骨粗しょう症、高齢者の物忘れ、禁煙の相談まで幅広く対応しています。それができるのも、勤務時代に専門・専門外関係なくさまざまな症状に対処する救急医療に携わっていた経験のおかげです。一刻を争う現場では、まずは診察を行い、可能な治療は自分で行い、必要に応じて専門の診療科に送ることを迅速かつ的確に判断することが求められたんです。

心臓血管外科の経験が、どのように現在の診療に生かされていますか?

当院の患者さんは、ご高齢の方の割合が多いです。心臓の手術が必要な患者さんは高齢者が多く、4割は80歳以上。かつては、高齢者は手術に持ちこたえられないからと執刀しない傾向にありましたが、勤務先の病院では、年齢に関係なく手術を行い、術後は若い人と同じように早期回復・早期退院をめざして治療をしていました。ですから、80代以上の患者さんを診察することが多く、しかも心疾患の患者さんは、持病や既往症がある方がほとんどです。糖尿病や高血圧症などの生活習慣病や腎臓病、脳梗塞、腰痛や骨粗しょう症から精神疾患まで、さまざまな病気やお悩みにも対応してきました。その経験が現在、高齢の患者さんの診療で生かされていると思います。

訪問診療にも力を入れていらっしゃるそうですね。

小池雅人院長 小池クリニック4

在宅医療に関心を抱いたのは、自分の親を看取りたいと思ったのがきっかけです。訪問診療を行うにあたり、医療の質を保つことは、大きな課題です。訪問診療では、設備の整った医療機関と同じ内容の医療を提供することはできませんが、いかに質を保つかと考えたとき、多職種の連携によるチーム医療が必須になります。専門のスキルを持つ方々と協力し合い、補い合って、チームとして診療に取り組むことが、質の高い医療につながります。そのためには、どの職種の方とも互いにリスペクトし合い、信頼関係を築くことが求められますが、勤務医時代に、他の診療科の医師や看護師、薬剤師など、さまざまな職種のスタッフと連携してきたことが役立っているかもしれません。

病気でなくても、悩みがあれば相談に来てほしい

診療の際に心がけていることはありますか?

小池雅人院長 小池クリニック5

常に患者さんと対等な立場で、人対人として向き合うことをモットーに、安心・安全な医療を提供するために、コミュニケーションを大切にしています。これまでも、命に関わる心臓の手術を行う前はもちろん、どのような診療でも、患者さんやご家族に理解・納得していただくために丁寧にわかりやすく説明することを心がけてきました。病院勤務時代は医療安全委員長も務め、誰もが安心・安全に医療に関われる環境づくりに注力してきました。当院の診察でも、一方的に「お薬出しますね」と言うのでなく、きちんと説明し、ご理解いただき、考えていただいた上で、どうするかを決めていきます。最終的に決定するのは、当事者である患者さんですからね。その際に、患者さんのバックグラウンドを知ることにこだわっています。医師として病気や症状を診るのは当然として、家族や仕事など、患者さんを取り巻く背景を知らないと、踏み込んだ話はできないと思うんです。

今後の展望をお聞かせください。

在宅医療を含め、より安心・安全な医療を提供できるように、チーム医療を大切にし、微力ながら地域医療に貢献したいと考えています。それから、スタッフと意識を共有し、ホスピタリティーを重視したクリニックにしていきたいですね。例えば、足が不自由な患者さんが来院したとします。待合室にいる受付の事務員が、「一緒に行きましょう」と手を取って介助を行うか、「そこに車いすがありますよ」と指し示すか、そのまま何もしないか、対応によって全然、違うじゃないですか。たとえ同じ薬を処方し、同じ内容の診療を提供したとしても、それ以外の部分で患者さんが気持ち良く受診でき、ご家族の支えになれる、そんなクリニックでありたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小池雅人院長 小池クリニック6

当院は予約制ではありませんが、来院前にお電話いただいた上での受診をお勧めします。事前にお電話で主訴を伺うことができれば、例えば明らかに整形外科を受診したほうがいい場合などは、二度手間にならずに済みますよね。もちろん、緊急性の高い場合は、直接来院していただいて構いません。また、当院のモットーは「寄り添う医療、断らない医療」ですので、どのようなお悩みでも親身に対応させていただきます。まずは気軽にご相談ください。

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