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伊熊 大助 院長の独自取材記事

伊熊歯科

(中頭郡西原町)

最終更新日:2021/10/12

伊熊大助院長 伊熊歯科 main

精密な治療と誠実な接遇をめざし、長期的なケアの継続を推し進める「伊熊歯科」。西原町の主要県道沿いで、地域の歯の健康維持を担っている。伊熊大助院長が最も大切にしているのは、自分と患者、自分とスタッフ、そして自分の中に課した約束を守ること。「時間の約束を守ることをはじめ、そのための体制づくりや治療結果の可視化で日々の信頼づくりをしています」と語る。来院者数の増加にも、伊熊院長の努力がしっかり現れていると言えるだろう。また、国際ボランティアへの参加も伊熊院長のライフワーク。他院の歯科医師とともにモンゴルなどへ赴き、口腔外科での経験を世界に届けているという。歯科診療への想いについて、伊熊院長にたっぷりと話を聞いた。

(取材日2021年4月1日)

地域の患者と 「信頼の心」が通うクリニックに

開放感のある待合室と落ち着いた診療室ですね。

伊熊大助院長 伊熊歯科1

女性の患者さまが多いことが想定されたので、開院時には女性にとって気持ち良い院内を考えました。全体に白と木目で設計し、ナチュラルな雰囲気でそろえ、窓を大きく取って明るく。診療室は、プライバシーを守りながら閉塞感がないデザインの半個室にしました。パウダールームや人とはち合わせない動線、ゆったり歩ける通路、アメニティの設備にも好評をいただいています。誰しも歯科になんてかかりたくないと思われているはずですから、できるだけ「歯科らしくない」ようにしたかったという気持ちがありますね。治療以外の部分ではなるべくリラックスしていただきたいと思ったんです。

歯科医師をめざしたきっかけや、開院までのことをお聞かせください。

祖父をはじめ、父、叔父、親戚が歯科医師で、私も自然と歯科医師をめざしました。出身は奈良で大学は福島。父のクリニックは継がず、いつか海外ボランティアのメンバーになるというビジョンを持って琉球大学病院に入職しました。途上国での歯科治療はたいへん必要とされている分野ですので、私もそうした場で活動したいと準備していましたが、思っていたタイミングで整わなかったんですね。それで、勤務医ではなく開業医として働きながら機会をうかがおうと思ったのです。当時は開院したいというよりどうすれば海外活動できるかの気持ちが大きかったかもしれませんが、やはり自分のクリニックとなると熱い想い入れができまして。やるからにはこだわりたい点も多々あり、懸命にやっているうち多くの患者さまに来ていただけるようになりました。今はここを大切に守りながら時折海外ボランティア団体に参加するというライフワークがうまくいっています。

治療方針や大切にされていることは何でしょう。

伊熊大助院長 伊熊歯科2

治療ではまず目先の問題解決が先決ですが、長い目で見て無理強いしないように気をつけています。私としては、できるだけ短い時間で治療を済ませてケアや予防に移行し「治療する必要のない状態の維持」をめざしたい。そのためには継続して通っていただけるような接遇が求められますから、患者さまの都合や気持ちを聞かずに進めても意味がありません。ですから、会話しながら気持ちを探ったり説明を尽くしたり、信頼していただける関係づくりを大切にしています。また、いつまで続くのかゴールが見えない治療を提供するのも良くないと思うので、治療計画を明確にすることにも気をつけています。

時間を守ることや結果を可視化することが重要

琉球大学病院では多くのご経験を積まれたとか。

伊熊大助院長 伊熊歯科3

大学を卒業して入職した琉大では、医科の中の口腔外科で経験を積ませてもらいました。おかげで高い知識と技術を学びながら医科の先生方にも多くのことを教わることができましたし、麻酔科を回らせてもらうとか、離島の診療所や県内の総合病院に出向するなど、多くの現場を経験できました。また、その頃に同じような志を持った歯科医師同士のつながりができたのも大きかったですね。西原町での開院が形になったのも、琉大をきっかけとした人とのつながりや巡り合わせがあってのことだと思います。

接遇で工夫されていることがあればお教えください。

一つは、会話でしっかりコミュニケーションを取るということですね。そこから治療方針を決めたり、心の機微をくみ取って、患者さまが求めているものを追求しています。もう一つは、患者さまの口内を定期的に撮影させていただくこと。「ここがこうなっているのでこうしましょう」「ここが磨きにくいところですね」とお伝えするために画像は欠かせません。口の中は指先や眉毛のように隅々まで見えませんから、画像を見た患者さまご自身が「こんなふうになっていたのか」とたいへん驚かれます。ブラッシングや治療後についてもビフォーアフターがよくわかりますから、ホームケアのモチベーションにつながりますね。また、結果を可視化することは患者さまの喜びにもつながりますし、私としても嘘のない治療結果をお伝えするために必要だと思っています。当院の記録データの量はかなりのものですよ(笑)。

時間の約束も大切にされていると伺いました。

伊熊大助院長 伊熊歯科4

はい。当院は予約制で診させていただいているので、患者さまと私どもの間にある時間の約束は重要なものと考えています。30分の治療のために2回通っていただくよりも、効率良く進めて1回の治療を行い、患者さまの負担を軽減したいのです。ですから一人あたりの予約枠を長くお取りしてしっかり準備し、ご予約いただいた時間どおりにご案内できるようスタッフにも指示しています。まれに前の患者さまの治療が延びてしまうことがありますが、そういう時は必ず次の方にお伺いとお願いをして、懸命にやりくりします。約束を守ることはお互いの信頼度に大きく影響しますから、とても神経を使いますね。遅れて来られた患者さまには残りの時間内でできる治療しか提供できなくなってしまうので、できる限り時間を守っていただき、治療計画通りに進めていきたいですね。

治療後の継続的なケアで地域の健康を底上げしたい

こちらは女性歯科医師との2人体制で、往診もされているのですね。

伊熊大助院長 伊熊歯科5

はい。当院には、私の他に常勤で女性の歯科医師がいます。平日は2人体制で院内治療をし、月に数回は交代で往診も行っています。往診はなかなか患者さまのご要望どおりに伺えないという課題がありますが、ご自宅や介護老人保健施設などに出向いてお口の健康チェックや治療をさせていただいています。患者さまからしますと男性と女性どちらの歯科医師が良いとか、外出が困難であるとかさまざまな事情がありますから、ニーズに広く応えられるようでありたいと思っています。

スタッフの皆さんはどのような方々ですか?

開院してまもなく9年となりますが、開院当初とまったく同じメンバーでここまでやってこれたことは当院が誇れることであり、患者さまにとっても安心していただけることですよね。受付スタッフも歯科衛生士も私より患者さまのことを知っていて、治療とは別の話題で楽しい雰囲気をつくってくれたりもするのでとても感謝しています。求人せずとも、彼女たちのつながりで優秀な人員がそろっていった感じですね。気をつけているのは、スタッフのスキルを尊重すること、ストレスをなくすことですね。また、北大東島の診療所に出向したとき、地元の歯科衛生士と2人で島民の方々を診ていました。彼女がいなければ治療以外はわからないことだらけでしたし、地域での信頼を支えてくれているのがよくわかり、院内でのパートナーシップ像ができたきっかけになりました。

診診連携を重視しているとお伺いしました。

伊熊大助院長 伊熊歯科6

地域のクリニックで何でも診られる、何でも治せるというスタイルが理想だと思いますが、私は自分より専門性が高い歯科医師とのつながりがあるなら躊躇なくご紹介しています。当院では矯正のご相談も受けていますが、月に2回矯正歯科専門の歯科医師に来ていただいていますし、補綴物の製作も信頼する歯科技工士に足を運んでもらっているんですよ。より高い技術を求めて他院と連携するのは患者さまのために良いことだと考えています。

今後どのようなクリニックをめざしていかれますか。

患者さまからの信頼獲得に努めることはこれからも大前提にしていきます。その上で、もっとケアやメンテナンスの部分を推し進めていける存在になっていけたらと思います。残念ながら、沖縄は虫歯の数が多い地域といわれています。治療の後にも継続して長く通っていただけるような関係構築を心がけ、当院での予防歯科の啓発によって地域の健康意識が高くなるよう努めていきます。

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