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東 吉志 院長の独自取材記事

根戸クリニック

(我孫子市/北柏駅)

最終更新日:2024/05/08

東吉志院長 根戸クリニック main

柏市の中心地区・柏駅から一駅先にある北柏駅。より閑静な住宅街といった印象のエリアだが、それだけに医療機関の少なさは住民の悩みの一つだ。特に高齢者にとって、ちょっとした不調でもすぐ診てくれるクリニックの存在は不可欠。そうした中、2009年に開院し、住民に頼りにされているのが「根戸クリニック」だ。東吉志(よしゆき)院長は「少し離れたところに大きな病院があるのですが、そこまで行くのは大変という方に寄り添っていきたい」という思いを持っている。以前は東京慈恵会医科大学柏病院に勤めていたという縁を生かし、現在も精密検査や即日手術が必要な患者がいた場合は連携をしている。このエリアの患者に対する思いや、重症化することを未然に防ぐ大切さなどを、優しい眼差しで語ってくれた。

(取材日2016年7月6日)

地域で信頼され、親しまれるクリニック

開院にあたり、この地を選んだ理由をお聞かせください。

東吉志院長 根戸クリニック1

以前はすぐ近くの東京慈恵会医科大学柏病院に勤めていたので、この地域のことは知っていました。開業した頃は駅前もほとんど畑という感じで、他の先生から「そこで開業しても、患者さんが来るかどうかわからないんじゃないか」といわれるほどでしたね。でも、いざ開業してみたら、この地域に住む方が多く来てくださるんです。お年寄りの方だと、「慈恵大柏病院や市立柏病院まで行くのは遠い」と感じる方もかなり多いようです。「近くにクリニックができてよかった」という声も多く聞きました。私も前々から知っている土地ということで、落ち着いてスタートできたかなと思っています。

開業医と勤務医の違いはどんなところだと思いますか?

開業してからのほうが、患者さんが親しみを込めて接してくださることが多いように思いますね。この辺りはご高齢になっても、田んぼや畑仕事をずっと続けていらっしゃる方が多いんです。話をしている中で「今日は畑に行ってから来たよ」という話になることもありますし、お裾分けにお米や野菜をいただくこともあって、地域の中に溶け込めているのかな、と思います。そういうのはドラマの中だけの話だと思っていたので、いい意味でびっくりしました。他の地域に勤めていたときもそういうことはなかったので、この辺りはお優しい方が多いんでしょうね。

こちらにいらっしゃる患者さんの年齢や性別、症状に傾向はありますか?

東吉志院長 根戸クリニック2

この近くにお住まいの方がほとんどです。北柏の駅前にはいくつかクリニックがあるのですが、こちら側にはあまりないので、内科に限らずいろいろな症状の方がいらっしゃいます。私が循環器を専門としているので、動悸や息切れ・高血圧といった循環器系の症状で来られる方も多いのですが、たまに足腰の痛みのご相談をされることもあります。ちょうど今、隣の土地が空いているので、ここを見つけてくださったコンサルタントの方にお願いして、隣で開業してくださる整形外科の先生を探していただいているところです。足腰に関することは、やはり整形外科の先生に診ていただいたほうがいいですから。ここもインフルエンザの時期は、待合室に座りきれないくらい患者さんがいらっしゃるので、いろいろな科の先生がこの辺りに来てくださればな、と思っています。

健康診断で要再検査と言われたら、早めに受診を

ご専門の治療分野をお聞かせください。

東吉志院長 根戸クリニック3

不整脈や狭心症・心筋症などの循環器内科です。今はここで診察とできる限りの検査をして、必要があれば精密検査だけ柏病院でしていただいて、検査結果を見てその後の指導や経過観察などはまたこちらで行う、という体制を整えています。患者さんにもそういうやり方は広まっているようで、すぐ理解していただけて助かっています。一番怖いのは、自覚のない不整脈など、軽い状態や自覚症状が出ていない段階の方が突然急変して救急にかかるというケースですね。健康診断で「要再検査」になった段階でいらしていただければ改善が見込まれやすいので、そういったきっかけで一度診せていただければと思います。自覚がなくても、24時間心電図といって、寝ている間を含めた丸一日の心臓の動きを調べる機械をつけてみると、思わぬところで異常が見つかることもありますから。

自覚がないまま症状が進むのは、本当に恐ろしいことですね。

ええ。今はネットワークが発達しましたし、慈恵大柏病院の循環器の先生も「こういう患者さんがいるので、検査をよろしくお願いします」と言えば、だいたいの場合は近い日時で検査予約が取れるようになっています。「大きな病院は待たされるから嫌だ」「検査の予約がなかなか取れないから行きたくない」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、その点は解決できていると思うので、まずクリニックに相談に来てほしいですね。そうでないと、検査が必要なのかどうかもわかりませんから。あまり自覚症状がない状態のまま悪化していて、即座に手術が必要になることもあり得ますので、「要再検査」になったら、早めにもう一度検査を受けていただきたいと思います。

患者さんに接する際、最も心がけていらっしゃることはどのようなことでしょうか?

東吉志院長 根戸クリニック4

電子カルテばかりだけでなく、患者さんとしっかり向き合って、目を見て話すことですね。患者さんは医師に話を聞いてもらって安心したいと思っていらっしゃることが多いので、医師が電子カルテだけ見ていたら、信頼していただけません。何か心配なことがあってよく眠れないとか、何となく調子が悪いということもよくあります。また、しっかりお話をしていないと、不調の原因になっている生活習慣を聞けない恐れがあるんです。患者さんは何げなくやっていても、医学的に見るとちょっとまずい、というものもあります。例えば、塩分を控えなくてはいけないのに、お茶請けに漬物をよく食べているとか、本当にちょっとしたことです。そういうことまで話してもらうには、日頃の態度から信用してもらうことが大切ですね。そこはスタッフも一丸となって、患者さんの居心地が良い空間にできるよう心がけています。

地域の健康寿命を延ばす手伝いをしていきたい

先生が医師や循環器科の道を選んだのは、どのようなきっかけからでしょうか?

東吉志院長 根戸クリニック5

当時はあまり意識していませんでしたが、私の叔父が産婦人科で開業していたので、その影響があったかもしれません。小さい頃はよく遊びに行っていて、妊婦さんや赤ちゃんを見かけることもありましたから、何となく「命」を意識するようになったのでしょう。循環器を学ぼうと思ったのは、医師になりたてで研修をしていた頃、救急で処置をされていた先生に感銘を受けたからです。

たいへんお忙しいと思いますが、趣味やリフレッシュの時間はおありですか?

普段はずっと机の前で仕事をしているので、運動不足防止を心がけています。休みの日はほぼ、子どもやその友人とサッカーをしに行っていますね。あとは、近所の運動施設に行って2時間ほど泳いだりしていますよ。学生の頃は水泳部だったこともあって。実は、開業してから1年くらいの間に7~8kgほど太ってしまったんです。自分が太っているのに、患者さんに「運動してください」と言っても説得力がないなと思って、それから気をつけて運動するようにしました。

それでは今後の展望についてお聞かせください。

地域のホームドクターとして、患者さんが気軽に相談しに来られるようなところでありたいですね。患者さん同士が待合室で話していることも多いですし、その感覚で私にも話をしてもらえたらな、と。そういったことから患者さんに信頼していただいて、一次予防をしっかり行い、この地域の健康寿命を延ばすお手伝いをしていきたいと思っています。この地域の方はいくつになっても元気だな、と言っていただけるようになればうれしいですね。

最後に読者へのメッセージやアドバイスをお願いします。

東吉志院長 根戸クリニック6

血圧や糖尿病、日常のちょっとした不調、禁煙治療、骨粗しょう症対策など、よくある症状は一通り診ていますので、何かあったらお気軽にいらしてください。投薬や手術はできるだけしないほうがいいですから、そうなる前に生活習慣を変えたり、血糖値や血圧、コレステロールの管理を行ったりして、大きな病気を一緒に防いでいきましょう。

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