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三谷 英嗣 院長の独自取材記事

みその内科クリニック

(鈴鹿市/徳田駅)

最終更新日:2021/10/12

三谷英嗣院長 みその内科クリニック main

昔ながらの住宅地と、切り拓かれた工業団地が並んで広がる鈴鹿市御薗町。ここで2009年に開業した「みその内科クリニック」は、山間の集落に住む人々の大切な医療窓口となっている。「高齢化は進んでいますが、家族、親戚、隣近所の結びつきが強く、本当に温かいお付き合いがあるんですよ」と語るのは、院長の三谷英嗣先生。大好きな鈴鹿の地で、10年以上医療の火を灯してきた。一般内科とともに、血液内科を標榜する同院。血液の病気といわれてもピンとくる人は少ないかもしれないが、「貧血」も血液内科の診療範囲だそう。血液に関わる病気や、地域医療に対する思いをざっくばらんに語ってもらった。

(取材日2019年2月14日)

医師不足のエリアで開業。地域の高齢者の頼れる存在に

開業から11年以上たちましたが、このエリアで開業したきっかけを教えてください。

三谷英嗣院長 みその内科クリニック1

もともと私は伊勢の出身なんですが、鈴鹿のこのエリアに移り住み、勤務医として松阪市などに通う毎日でした。通勤に時間がかかるので、松阪市内に住居を借りたのですが、泊まりっぱなしのことも多く、いつか職住近接をめざしたいと思っていたんですよね。でもせっかく気に入って住んでいる鈴鹿市なのでここを離れたくはない。そこで、タイミングをみて2009年、鈴鹿市御薗町にクリニックを開業したのです。このエリアはもともと医療機関が少なく、開業したことで当院が地域の医師不足を支えるようなかたちになりました。現在もその状況は変わっていないので、とにかく地域のために尽くしたいという思いは強くなっていますね。

この地域は、どんな患者さんが多いですか?

高齢の方が非常に多く、皆さんシルバーカーを使ったり、家族に送迎してもらったりして通ってくださっています。家族だけでなく、時には近隣の方が車を出して、一緒に受診される方もいますね。“昭和が残っている”と言ったら変ですが、昔ながらの温かみのある付き合いが色濃く感じられる地域だと思います。私ももう10年以上ここで診療してきましたので、患者さんの家族関係や親戚関係まで把握できるようになってしまいました(笑)。高血圧、糖尿病、脂質異常など、高齢者に多い生活習慣病を診る機会も多く、患者さんのライフスタイルにも寄り添って診療を進めています。

そもそも先生が医師をめざしたのはどうしてですか?

三谷英嗣院長 みその内科クリニック2

小さい頃から生物に興味がありましたし、進路を考える上では社会貢献できる仕事に就きたいと思っていましたので、だんだんと「医師になりたい」という気持ちが固まっていった感じです。学んだことが直接仕事に生かせるところも魅力でした。現代の日本ではせっかく大学で専門的な知識を身につけても、その分野とまったく違う仕事に進む人も少なくないですよね。自分の学んだことがしっかりと実践につながり、それが社会のためにもなる、そんな勉強をしたいと思ったんです。その中でも血液内科は細胞の発生の根幹に関わるジャンルで、とても魅力的に感じました。ここ数年ではIPS細胞などの話題もありましたし、造血幹細胞から赤血球や白血球が生まれるということを系統立てて研究していくのは、面白かったですね。

「たかが貧血」と放置せず、一度は受診を

標榜されている血液内科について教えてください。

三谷英嗣院長 みその内科クリニック3

血液内科を標榜するクリニックは、それほど多くないのではないかと思います。白血病や悪性リンパ腫などの血液の病気を扱うものですが、どちらも多くの人がかかる病気ではありません。一方で、悩まされている方の多い貧血も、血液内科の分野にもなります。貧血と簡単に言いますが、これは本来、赤血球が足りないことを指し、その中の原因で多いものとして、鉄分が不足する鉄欠乏性貧血があります。長い間悩んでいる人も多いと思いますが、きちんと原因を突き止めて、治療方針を決めることをお勧めします。というのも、貧血にがんや子宮筋腫といった病気が隠れていることがあるんです。たかが貧血と思わず、一度受診に来ていただくと良いでしょう。

貧血の原因、治療はどんなものですか?

女性に貧血が多いのは知られていると思いますが、これは主に月経があるからです。ダイエットなどで栄養バランスを崩すのも原因になり得ます。こうした場合には鉄剤を処方し、2〜3ヵ月経過を観察します。鉄分の取り過ぎは内臓にとって良くない場合もあるので、いたずらに長期間服薬することはありません。ある程度の数値になったら、食生活についてアドバイスしていきます。こうした生活習慣や生理的な原因のほかに、女性の場合は子宮筋腫由来の貧血も起こり得ます。その場合は婦人科での治療が必要になってきますね。他方、40〜50代以降の男女の貧血に、がんが原因の場合があることは、あまり知られていないかもしれません。健康診断などで異常な値の場合、腎臓や肝臓に基礎疾患がないかを確認し、その上で胃の検査なども進めていきます。一口に貧血といっても原因はさまざまだと意識してほしいです。

そのほかに血液の病気にはどんなものがありますか?

三谷英嗣院長 みその内科クリニック4

昨今水泳選手が罹患したことでも知られる白血病も、血液の病気です。だるさや発熱から精密検査をし白血病だとわかったという報道で、それを聞いて心配になって来院された方もいらっしゃいました。まぶたの裏側が薄い色になっていたり、出血後に血が止まりにくかったり、青あざができやすかったりというような症状があった場合、白血病を疑ってみることも必要かもしれません。ただしそれほど多くの方がかかるものではないので、不必要に怖がる必要はないと思います。また一方で、痛みがないのにリンパ腺が腫れるようなことがあれば、悪性リンパ腫の疑いがありますので、一度診せていただきたいので、受診しに来てもらうといいと思います。過度に意識する必要はありませんが、血液の病気に対して少しでも知見があることは、長い人生でいつかプラスになる場面もあるでしょう。

話を聞き、体に触れ、患者と向き合う

忙しい毎日ですが、気分転換にされていることはありますか?

三谷英嗣院長 みその内科クリニック5

鉄道が好きで昔はよく撮影に出かけていましたが、最近はあまり行けていませんね。今は昔と比べてだいぶ車両の形やデザインも変わってしまいましたが、貨物の車両などは、まだまだ面白いものが残っているなあと感じます。もう一つの趣味は釣りです。地元鈴鹿の海から、尾鷲・熊野の方まで、釣りに行くことがあります、釣果に関わらず無心になって楽しめていいですよ。海や山の自然にあふれたエリアで暮らすのは本当に恵まれたことだと感じますね。

先生のモットーを教えてください。

また来たいと思ってもらえるようなクリニックにしたいということです。「もう二度と来たくない」と思われないように、患者さんの満足度が高まるように気を配っています。まずは患者さんの話をよく聞くこと。雑談と思えるような話の中にも、患者さんの生活習慣や考え方に気づくヒントがたくさんあります。生活習慣病などは、まさにこうした部分を踏まえてアドバイスする必要があるので、しっかりお聞きします。もう一つは、きちんと体に触れるということ。電子カルテのクリニックが多くなりましたが、画面から目を離さず診察するようになってしまうと、わからなくなることもあると思うんです。肌の質感や体温、腫れなど、触れることで気づくことも多くあります。何より患者さんの印象が全然違いますよね。自分にしっかり向き合ってもらえた、と満足してもらうためにも、話を聞き、体に触れることを徹底しています。

クリニックのこれからの展望と、読者へのメッセージをお願いします。

三谷英嗣院長 みその内科クリニック6

当院は地域のかかりつけ医として、どんな症状でも窓口になれるように努めてきました。特に血液内科としては十分な検査や治療ができるように、設備も整えています。血液検査は外部に依頼していると時間がかかることも多くて、リアルタイムで結果を見られないのが不便ですが、当院では基本的な検査項目については院内ですぐに結果を出すことができるので、糖尿病や脂質異常の方へも、院内処方なので、フレキシブルにお薬の調整することが可能です。院内処方はとても利便性も高いですし、ぜひ活用してほしいですね。これまで10年間積み上げてきた信頼のもと、スタッフ7人とともに、これからも地域のクリニックとして役割を果たしていきたいです。どんな症状でも気になることがあれば、すぐにいらしてくださいね。

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