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佐久間 研司 院長の独自取材記事

さくま内科・脳神経内科クリニック

(米子市/東山公園駅)

最終更新日:2022/02/22

佐久間研司院長 さくま内科・脳神経内科クリニック main

東山公園からもほど近い、米子環状線沿いにある「さくま内科・脳神経内科クリニック」。院内はホワイトインテリアを基調に、床やドアには木材を用いた、サロンのような高級感ある空間だ。院長の佐久間研司先生は、開業前は大学病院で研究や後進の指導にあたりながら、外来で多様な脳神経系疾患を診療してきた人物。そこで培った豊富な臨床経験や研究医としての視点を生かし、現在は専門の脳神経内科のほか、一般内科系の疾患まで幅広く対応している。落ち着いた物腰もあってか一見厳格な印象を与える院長だが、問診をはじめとした「患者との対話」を重要視し「趣味の話で盛り上がることもあるんです」とほほ笑む一面も。そんな佐久間院長に、一般の人になじみ薄い脳神経内科診療についてや、診療の中で大切にしていることなど、じっくり語ってもらった。

(取材日2022年1月7日)

脳神経疾患の検査からリハビリまでワンストップで対応

こちらのクリニックでは、どんな相談が多いですか?

佐久間研司院長 さくま内科・脳神経内科クリニック1

クリニック名に「脳神経内科」とあるように、脳や神経の疾患に関連する相談が主ですね。例えば脳梗塞や脳卒中、認知症などもそうですし、身近なところだと頭痛の相談が非常に多いです。あと、めまいやしびれ、物忘れ、ふらつきといった症状で来られる方もいます。こうした悩みに対して、当院で詳しい検査や診断から治療、リハビリまでをワンストップで行える体制と設備を整えています。そうした脳神経内科分野の専門的な医療を提供する一方で、地域のかかりつけ医として、風邪や腹痛などの身近な症状や生活習慣病の管理など内科全般にも対応しています。

患者さんの世代についてはどうでしょうか?

子どもから高齢者まで幅広いですね。例えば、物忘れに関する相談はご高齢の方がメインであるのに対して、頭痛は2、30代の女性を中心としつつ、実はお子さんからの相談も多いんですよ。勤務医時代は小児を診る機会が少なかったこともあり、当初は戸惑うこともありましたが、今ではやりがいを持って診療にあたっています。お子さんの場合、心理的な要因が症状につながることも多いので、診察時はじっくりと話を聞きながら「どこに原因があるのか」を探っていきます。最近はSNSが発端になるケースが増えていますね。薬に頼った治療よりも、まずは「心のつまずき」を見つけるお手伝いをして、安心させてあげることが重要だと考えています。

脳神経内科と聞くとハードル高いイメージでしたが、そんなことはないのですね。

佐久間研司院長 さくま内科・脳神経内科クリニック2

「内科」の病気を扱うという意味では、消化器内科や呼吸器内科と同じです。そう捉えるとハードルが少し下がるかもしれませんね。実際、神経は全身につながっているので消化器や呼吸器の疾患との関連もありますし、脳神経疾患の専門家としては「全身の臓器を理解した上で、はじめて適切な脳神経疾患の診断・治療が導ける」と考えています。心のことも同様ですね。大人の方もストレスが頭痛やめまいの原因になることがあるので、問診時は精神面の状態にも注意を払い、患者さんの生活背景や対人関係についてもヒアリングしています。必要に応じて心療内科や精神科の先生方とも連携させていただいております。逆に他院で診断がつかなかった患者さんが、実は神経内科疾患だったというケースもありますから、相談窓口として気負わずに来ていただけたらうれしいですね。

正確な診断のために問診を通じて丁寧な情報収集を

どんなタイミングで受診すべきか迷う人もいるようですが、目安はありますか?

佐久間研司院長 さくま内科・脳神経内科クリニック3

頭痛の場合はいつもと違う痛みがあったり、ふらつきなど生活に支障があったりしたらすぐに受診していただきたいですね。めまいに関しても歩行困難を伴うものは脳腫瘍の可能性も否定できませんので、検査を受けてほしいと思います。もちろん、そんなにひどくなくても来ていただいて構いません。検査結果によってはこれまでとは異なるアプローチが可能な場合もありますし、問題がないとわかれば安心できるでしょう。それから、生活習慣病の方は、進行が進むと脳梗塞をはじめとした重篤な脳神経疾患のリスクも出てくるので注意が必要です。早期から生活習慣の改善に取り組めばリスクの低下をめざせますので、できることを一緒に考えていきましょう。

診療の中で先生がこだわっていることを教えてください。

診断の正確性を第一に考えています。同じ疾患でも原因や症状の程度は一人ひとり異なるので、その方に合った治療をするためには、いかに適切な診断をするかが重要となるのです。そのために、初診時の問診は特に大切にしています。事前にご予約いただいた上でトータルで30分ほどの時間をかけて、症状や病歴はもちろん、仕事や家族など、その方のバックグラウンドについてもじっくりとお伺いしています。診療や治療の合間の何げない世間話も、患者さんの些細な変化や違和感を気づかせてくれることもあり、実は診療を進めていく上でとても大切な時間であると感じています。診療科目のなじみの薄さや、私自身が口下手なところもあって、患者さんからは少し話しづらさを感じられることもあるかもしれません。日々の生活のことや、趣味のことなどもお話しできる関係になれればと思っていますので、気軽に話かけてもらえるとうれしいです。

やりがいを感じる瞬間や思い出に残っているエピソードは?

佐久間研司院長 さくま内科・脳神経内科クリニック4

脳神経疾患の病気の中には「てんかん」をはじめとした継続的な治療が必要となるものもあり、診療を通して患者さんの就職・結婚・出産といった人生の節目を見守らせていただくことがあります。特に妊娠中には、きめ細かな薬の調整が必要になるため、無事生まれたよと報告をもらえると、安堵すると同時に医師としてのやりがいを感じますね。一番印象に残っているのは、ALSという筋肉の難病を抱えたある患者さんです。お子さんが結婚されることになり私も結婚式に付き添いました。人工呼吸器を装着した状態だったため、ご自身で話すことはできなかったのですが、式に出席できたのをすごく喜んでくださって。病気は治るものばかりではなく、一生付き合わなければならないものもあります。そうした中で、患者さんが病気とどう向き合うのかを一緒に考え支えていくことは、医師の大切な役割だと思っています。

研究医としての視点を持って患者を診る

そもそも、どうして医師になられたのでしょう?

佐久間研司院長 さくま内科・脳神経内科クリニック5

家族が医師だったので、その影響が大きいですね。ただ何となくめざしたわけではないんです。医師には高い論理的思考能力が求められますが、一方で患者さんに寄り添い共感する情緒的な思考も求められます。そうした相反する考え方が興味深かったというか、やりがいがありそうだと思ったんです。数ある診療科の中から脳神経内科を選んだのも、やりがいという点が大きいかもしれません。私が学生だった当時はCTなどで脳を診る方法がまだなかったので、病巣がどこにあるのか、原因は何なのかを間接的に調べながら類推して診断を下していたんです。目に見えないものを探る過程がまるで探偵のようで、奥深さを感じてこの道に進みました。

脳神経内科の道に進んでからの経緯についても教えてください。

大学卒業後は附属病院の脳神経内科に所属し臨床に携わる一方で、大学院で研究も続けました。尊敬する先生方のもとで多くの論文を執筆できたことは良い経験になりました。大学院修了後は国立生理学研究所での勤務や海外留学なども経て、最終的に母校の鳥取大学で後進指導にあたりながら、てんかんと頭痛の外来を担当していました。こうして振り返ると、研究しながら臨床もしていたことが自分の強みになっていると思います。例えば、現場でわからないことがあった時、すぐ誰かに聞くのではなく、まず自分で調べる癖がついているんですね。これは解決策を見つける上で大事なことなので、常に研究医としての視点を持って患者さんを診るようにしています。「良き臨床医であるためには、良き研究医であれ」というこの考えは、後輩たちにも伝え続けています。

読者にメッセージをお願いします。

佐久間研司院長 さくま内科・脳神経内科クリニック6

大学病院では希少疾患を診ることが多かったので、てんかんや事故・病気の後遺症による体のまひといった長い期間をかけてのサポートが必要な疾患や、めまいや認知症などの比較的身近な疾患に対応するのが難しく、もどかしさを感じていました。だからこそ、これからはクリニックならではのフットワークの軽さを生かして地域のお力になりたいと思っています。当院は専門性の高いスタッフがチーム一丸となってサポートさせていただきますので、気になることがあれば気軽にご相談ください。

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