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畦崎 泰男 院長の独自取材記事

うねざき歯科医院

(大阪市中央区/天満橋駅)

最終更新日:2024/05/14

畦崎泰男院長 うねざき歯科医院 main

大阪メトロ谷町線と京阪本線が交差する天満橋駅から徒歩5分圏内とアクセス至便な「うねざき歯科医院」。院長の畦崎泰男先生は母校の大阪歯科大学で20年間、臨床と研究を重ねてから、2008年に開業した学究肌だ。専門分野として研究を行ってきたのはクラウンやブリッジ、そして入れ歯や義歯で歯の欠損を補う補綴(ほてつ)治療。畦崎先生は口腔がん切除手術後の咀嚼機能回復について長年にわたり、経験を積んだスペシャリストでもある。さらに歯の神経が通っている根管を治療するために患部を拡大して観察することができる歯科用マイクロスコープ、そしてエルビウムヤグレーザーを導入するなど新しい技術にも造詣が深い。そんな畦崎先生に歯科医療や患者に対する思いなどをたっぷりと聞かせてもらった。

(取材日2019年5月17日)

補綴は技術ではない、医学だと考えて診療

先生が歯科医師をめざすことになったきっかけを教えてください。

畦崎泰男院長 うねざき歯科医院1

私は最初は国立大学の工学部に進学しました。物作りに興味があったんです。しかし、学生生活の中でふと思い出したのが幼い頃に体調が悪くなると駆けつけてくれたかかりつけの先生のこと。その先生が来てくれるだけで私は安心して、それまで悪かった体調が落ち着いたものでした。そこで医療に携わりたいという思いが湧き上がってきたんですね。その思いと、物作りへの興味が相まって工学部を辞めて歯学部へ進路を変更したのです。

歯学部の中でも補綴を専門に研究されていたそうですね。

大学の5年生のときに小児歯科の研究室に出入りしていました。そこで講師をしておられた先生が高校の先輩だったということもあり、かわいがっていただいていたんです。大学院ではどの方面に進むつもりだと質問されて、小児歯科を選ぶつもりですと答えると、先輩が「歯医者は補綴だよ」と私を諭すように言われたんですね。そこから補綴という分野に興味を持つようになっていったんです。この補綴でしっかりと臨床や研究ができたことが、私の基礎になっています。

大学院で補綴について学ばれたことで印象に残っていることは?

畦崎泰男院長 うねざき歯科医院2

大学院で私に基礎を教えてくださった教授は、「補綴は技術ではない、医学だ」と常日頃からおっしゃっていました。それは義歯や入れ歯が合っていないと噛み合わせが悪くなり、食べにくい、話しにくいといった不具合はもちろん、全身の不調に関わってくる可能性があるからなんです。最近ではオーラルフレイルという言葉を耳にされることもあるかと思います。合わない入れ歯で食事をすると、うまく咀嚼できずに噛む機能が衰え、そうすると、食べやすい物だけを食べるようになり、栄養バランスが崩れ、その結果、健康状態が悪化していくという流れがあります。そういった、口腔だけでなく体の健康も考える視点から補綴を学んできたことが、私の大きな財産になっていると思います。

ミクロレベルでの精密な治療を追求していきたい

大阪歯科大学で20年にわたり教鞭を執っておられたそうですね。

畦崎泰男院長 うねざき歯科医院3

大学院で補綴を学んでみると、先輩に言われたようにとても奥が深い分野でした。もともとのめり込むタイプなので、大学に残ることは自分にとっても自然な選択。研究テーマの1つは患者さんの自律神経系に及ぼすストレスの評価でした。例えば、歯科治療時にどう感じているかということに関心を持っていたんです。また、長期にわたって同じ入れ歯を使っている場合、口の中の環境が年齢とともに変化してしまって合わなくなってくることも。そういった時に感じるストレスもテーマでした。もちろん研究ばかりでなく、臨床や学生の指導も行っていました。

入れ歯の製作にもこだわりがあるそうですね。

患者さんが入れ歯を使う上でのストレスを研究していたので、やはりずっと快適に使っていただきたいという思いは強いです。その思いで入れ歯治療を行っています。理想は、入れ歯を作って装着してから何年もメンテナンスに来院されないようなイメージでしょうか。そういった場合、本来でしたらメンテナンスや経過観察をしたいので、「たまには顔を出してくださいね」とお願いしたりするものですが、「すごく調子がいいから大丈夫です」と言ってもらえるような入れ歯の製作をめざしています。大学病院時代からの患者さんの中には遠方から来院される方も多いため、不具合がないのであれば、無理に来院していただく必要もないかな、と考えることもあります。

入れ歯は長期間にわたり使い続けられる物なのでしょうか?

畦崎泰男院長 うねざき歯科医院4

ミクロレベルで精密に計測して作ることができれば、長く使い続けられると考えています。義歯というのは素材的には長期にわたって使えるような、耐久性を持っているんですよ。でも使っているうちに不具合が起こってしまうのはなぜか。それは繰り返し噛むことによって、ほんの少しのずれが徐々に大きく広がっていってしまうからなんです。そうなると食べにくい、噛みづらいという状態に陥ってしまいます。入れ歯は精密にステップを踏んで治療すれば、長く安心してお使いいただける入れ歯になる、というのが私のモットーなんです。

理想の治療のためには機器にこだわる

治療への追求を先生はどう実現してらっしゃるんでしょう。

畦崎泰男院長 うねざき歯科医院5

歯科治療というのは個々の患者さんの状態によって臨機応変に行うべきもの。精密にといっても限界があるのは事実。そこで私は人の力では超えられない壁を機器によって超えたいと考えています。それが3年前に導入したマイクロスコープと5年前より使っているエルビウムヤグレーザーなんですよ。もう1つ歯科用CTという選択肢もあると思います。しかし、歯科用CTはマイクロスコープとエルビウムヤグレーザーを両方買えるほど高価な物なんです。近隣の母校をはじめ大きな医療機関があることを考えると、絶対に必要だとは言えないと思うんです。マイクロスコープも高価な機器ですが診療の精度を格段に上げていくことがめざせるため、私にとっては信頼に足る相棒です。

マイクロスコープの特徴を教えてください。

精密な歯科治療にとっては欠かせないものだと思っています。特に威力を発揮するのが根管治療ですね。根管治療というのは、虫歯が歯の根っこにまで達してしまった場合に施すもの。歯の根の中の神経や血管といった細い管を見分けて治療する必要があるんですね。そうするととても肉眼では見分けられない。マイクロスコープというのは、見る物を40倍にまで拡大することができるので違いは歴然です。また、当院では院内感染防止を重要視。オートクレーブという高圧蒸気滅菌器で治療一回ごとに使用した器具を殺菌し、患者さんごとに診療チェアまで薬液消毒を徹底しているのも、精度の高い治療をめざしているからなんです。

ところで先生はプライベートはどのようにお過ごしでしょうか?

畦崎泰男院長 うねざき歯科医院6

休診日は講習会や研究会に出席したり、このクリニックにやってきては機器を調整したり、マイクロスコープでの治療を想定したトレーニングをしたりしていますね。マイクロスコープは鏡に映して患部を見るんです。さらに拡大率が高いから慣れていないとスムーズに治療ができないんです。私がマイクロスコープを導入したのが3年前。導入するまでにしっかりトレーニングを受けたから使いこなすことができているんですね。日々精進です。となると私の趣味はこの仕事になってしまうのかな(笑)。

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