浅野倫光院長の独自取材記事

スマイル！歯科医院

(一宮市／尾張一宮駅)

最終更新日：2023/04/18

名鉄尾西線二子駅から車で約12分、田畑が残るのどかな住宅地にある「スマイル！歯科医院」。2001年、先祖代々の土地に浅野倫光（あさの・つねみつ）院長が開業した歯科医院だ。バルコニーつきの白亜の建物入口には、カフェのようにチョーク・アートが描かれた黒板があり、思わず顔がほころんでしまう。また、待合室には神秘的な雲の写真パネルと御幣が飾られていて印象的だ。同院には地元を中心に定期検診に訪れる患者も多く、浅野院長は必要な治療するのはもちろんのこと、「徳を積む」ような歯科診療を意識。独自の歯周病治療や噛み合わせの調整にも取り組む。また古神道や風水にも造詣が深く、穏やかな人柄と話し方で、時には人生相談に乗ることもあるそうだ。地域の健康に貢献する浅野院長に、同院への想いや、これまでの経緯などを聞いた。

（取材日2022年8月19日）

先祖代々の土地に、パワースポットのような歯科医院を
勤務経験を生かし、歯周病と噛み合わせに注力
診療と人生相談で、患者をもっと元気にしたい

先祖代々の土地に、パワースポットのような歯科医院を

この地に開院された経緯を教えてください。

先祖代々この地に住んでいたので、この地で開業しようと思いました。当時、周囲は水田ばかりで、田植え時期に水を張ると、この建物だけが湖の上にポツンと立っているように見えたので、「フランスのモンサンミッシェルみたいだ」と思ったものです。現在では、建売り住宅があちらこちらに建って、周囲の風景も変わりましたし、若い世帯が増えましたね。私は開院当時から、治療をきちんとするのは当然ですが、先祖から言われた「徳を積む」という教えを守ることも意識してきました。

クリニックの設計で、こだわったのはどんなところですか？

患者さんのプライバシーを保護するために、診療ユニットを壁で仕切って、半個室のように設計しました。また1ユニットあたり4帖半ほどの広さがありますので、車いすやベビーカーでもゆったりと診療を受けられます。建物の外観や内装は、ジャマイカにある人気リゾート・ホテルのようにしたいと、建築デザイナーさんに伝えました。自分が滞在した時に、とても居心地が良かったものですから……。そして、大切にしたのは、患者さんが癒やされる場所、運気が良くなるパワースポットのような場所にしたいということでした。そのように居心地の良い場所を「イヤシロチ」とも言いますが、建物の下には生命力をアップしたいという意味で、炭や水晶などを埋めています。

どのような患者さん、どのような主訴が多いですか？

昔から地元に住んでいる方から、最近、建売住宅に引っ越してこられた方まで、幅広い世代の患者さんがいらっしゃいます。午後の診療は、午後8時まで対応しているので、お勤め帰りの方もいらっしゃいます。当院が午後8時まで診療をしているのは、以前の勤務先が午後10時まで診療をしていたのが習慣で、早い時間帯に終了できないという感覚があるからなんです。主訴については、虫歯から、歯槽膿漏、欠損歯のインプラント、矯正までさまざまで、私が一通り診ています。

勤務経験を生かし、歯周病と噛み合わせに注力

特に力を入れている診療はありますか？

歯周病の予防と治療については、診療の中でも力を入れています。ある時、診療をしている最中に、パッとひらめいたんです。虫歯を治療するにしろ、かぶせ物を作るにしろ、インプラントを埋め込むにしろ、矯正するにしろ、歯茎というベースができていないと、なんにもならないと。それで当院のお勧めの歯磨き剤を使用したケアを始めました。こういう手順でケアしてくださいということをお教えして、ご本人に毎日実践していただき、月に1度、当院で歯のお掃除と点検をします。日頃、ケアが行き届かない箇所は、この時私がケアしますので安心してください。

ほかに力を入れていることはありますか？

重視しているのは、噛み合わせです。例えば、総入れ歯の患者さんって、噛み合わせがわからなくなることもあるんです。そんな時に、CT画像の骨格から見て、「この方向じゃないと動かないだろう」ということがわかれば、良い入れ歯を作ることもできるんです。かぶせ物を作る時にも、動かす力の向きに合わせて整えてあげれば、長持ちしやすいかぶせ物になります。患者さんの中には、あらぬ方向で噛む方もいるので、実際の歯や顎の動きと作ったものが合わなければ、治療成績にも影響が出ます。だから、業者の方と、良いソフトやシステムができないか取り組んでいるところです。これが完成すれば、どの先生でも良い義歯やかぶせ物が作れるようになるかもしれません。あとは治療できる場合であれば、噛み合わせの観点から矯正をお勧めすることもあります。

浅野院長は、幅広い技術をお持ちなのですね。

歯学部を卒業した後に、日本各地に施設を持つ広域医療法人の医療機関に8年ほど勤務しました。その時にインプラント治療や矯正など、いろいろ勉強させていただいたことが役立っています。全国にいる勉強熱心な歯科医師たちと交流できましたし、経験豊富な先生の技法も学ぶことができました。私自身も各地方の患者さんを治療する経験を積むことができ、それは今の診療にも役立っていると感じています。

診療と人生相談で、患者をもっと元気にしたい

浅野院長は、なぜ歯科医師になられたのですか？

高い志を持って歯科医師になったわけではなく申し訳ないのですが、ほんの偶然からなんです。私が将来の方針も決まらず、浪人生をしていた時のことです。日頃から神社仏閣巡りをしていた祖母と母は、よく岐阜県の谷汲山にも行っていました。ところがその年はなぜか道に迷って、朝日大学のところに出てしまうということが2、3度ありました。それで「ひょっとしたら呼ばれているのかもしれない」と思って試しに朝日大学歯学部を受験してみたら、受かったんです。「それならば」とそのまま進学しました。もともと細かい作業が好きでしたし、歯学分野にもすんなり溶け込むことができました。歯科診療自体が皆さんの健康に貢献できる仕事ですし、やはり患者さんが良くなっていくのはうれしいですし、今ではやりがいを感じています。

診療する上で、心がけていることはありますか？

歯科医院は、どうしても怖がられるので、患者さんに安心感を与えるように気を配っています。また、診療をしながら、悩み事を抱えている患者さんの相談に乗ることもありますね。実は私も、以前の勤務先で経営トラブルに巻き込まれたことがあって、神社の宮司をしていた知人に、精神面でいろいろ助けてもらったことがあるんです。その神社へ足繁く通ううちに、神道などについていろいろと勉強できましたし、自分でもほかの方の力になれるようになりました。今では県外から、歯科診療と相談の両方を目的にいらっしゃる患者さんもいらっしゃいます。私自身も定期的に神社に通って、ご祈祷を受けています。

お休みの時は、どんなことをされているのですか？

私はこれといって、趣味がないんです。ただ毎月、近所の方や患者さんに声をかけて、ツアーを主宰しています。毎月、良い日時を選んで、良い方角へ出かけていき、近くのパワースポットでひと時を過ごすという日帰りツアーです。日時はウェブなどでは告知しませんので、直接、当院に来て確認していただいています。

最後に、これからの展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

これからも診療を地道に続けながら、少しずつステップアップできればと思っています。あとは私もそろそろ引退を考える時期に入ったので、自分がこれまで培ってきた歯科医療の技術の伝承をなんらかの形でしていきたいと思っています。歯科医療にはさまざまな流派があるので、「これを知っておくといい」という技術を残して、次世代の先生方に伝えていけたらいいですね。読者の皆さんへのメッセージとしては、「当院へぜひお越しください」とはおこがましくて言えませんが、「当院へ来てくだされば、患者さんが元気になるように精いっぱいの診療をさせていただきます」とお伝えしたいです。