全国のドクター9,335人の想いを取材
クリニック・病院 158,511件の情報を掲載(2024年5月16日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市東住吉区
  4. 東部市場前駅
  5. つづき歯科医院
  6. 日常生活の癖や習慣など、原因にも着目顎関節症の診断と治療

日常生活の癖や習慣など、原因にも着目
顎関節症の診断と治療

つづき歯科医院

(大阪市東住吉区/東部市場前駅)

最終更新日:2021/10/12

つづき歯科医院 日常生活の癖や習慣など、原因にも着目 顎関節症の診断と治療 つづき歯科医院 日常生活の癖や習慣など、原因にも着目 顎関節症の診断と治療
  • 保険診療

食事や会話の際に顎関節やその周辺に痛みを感じる、口を開閉するたびに音が鳴る、顎の動きに引っかかりや噛みにくさがあるなどの症状で日常生活に支障を来す「顎関節症」。近年専門家の間では、対症療法的なアプローチにとどまらず、生活習慣や癖などから原因を突き止め、トレーニングを並行しながら治療を行うことで再発予防につなげる考えが広がっているという。大学病院で顎関節治療を専門にしていた「つづき歯科医院」の都築正史院長も、原因に着目した治療法を実践するその一人。豊富な治療経験を持つ都築院長に、顎関節症の症状や原因、診断方法や治療について詳しく解説してもらった。

(取材日2020年7月16日)

顎関節の骨や筋肉のずれ・変形が原因で起こるさまざまな症状。まずは専門家による適切な診断を

Q顎関節症の主な症状について教えてください。
A
つづき歯科医院 多くの顎関節症の診療経験をもつ都築院長

▲多くの顎関節症の診療経験をもつ都築院長

複数の骨・筋肉・靱帯で成り立っている顎関節は、ほかの関節に比べ、負荷や動きに対して許容度の高い構造となっています。しかし、ある程度までの負荷には柔軟に対応できても、ずれや変形が生じてそれが限度を超えると顎関節症を引き起こし、さまざまな症状が現れます。顎関節症の初期症状で多いのは、口を開閉する際にカチカチと音がする症状で、それが進行すると、咀嚼時に引っかかりが起きたり、口が開きにくい閉まりにくいといった症状が起きたり、顎関節周辺に痛みを感じたりするようになります。

Q原因にはどのようなことが考えられますか?
A
つづき歯科医院 同院独自の問診票から原因や病態を多面的・客観的に評価する

▲同院独自の問診票から原因や病態を多面的・客観的に評価する

さまざまな原因が考えられますが、比較的多いのは、日常生活で無意識に行っている癖や習慣です。例えば、歯を擦り合わせたり、食いしばったりは顎関節に大きな負荷をかけますし、食事で片方の歯だけを使う、頬づえをつくといった癖や習慣も顎関節症の発症に関係します。症状を自覚したのは最近でも、原因はもっと前から存在していて、長い間顎関節の異常や不具合に自分で気づかずにいる潜在的な患者さんも少なくありません。日常生活に支障がなければ病気として認識しにくいですが、顎を動かすたびにカクカク音がするというのは、本来の健康な顎関節の状態とはいえません。何か原因であるはずなので、専門家に相談することをお勧めします。

Q一般的な診断方法を教えてください。
A
つづき歯科医院 CTを用いて顎関節の変形やずれの状態を確認する

▲CTを用いて顎関節の変形やずれの状態を確認する

症状を引き起こしている原因が、いくつも複雑に絡み合っていることが多い顎関節症は、原因を突き止めて診断を下すのが難しい疾患です。そこで当院では、最初の来院時に顎関節症専用の問診票に、顎の痛みから動きや音まで、日常生活で支障となっている症状をすべて記入していただいています。それをもとに問診で自覚症状や病状の経過、原因となるような習慣の有無をヒアリングし、口の開き具合や動き方を確認。CTによる画像検査も併用して、顎関節の変形やずれの程度を細かくチェックしていきます。問診でヒアリングした内容と検査結果から総合的に診断します。

Q顎関節症の治療はどのように行うのですか?
A
つづき歯科医院 症例・原因合わせ治療を実施。マウスピースなどを使用した治療も

▲症例・原因合わせ治療を実施。マウスピースなどを使用した治療も

すでに痛みを伴っている場合は、消炎鎮痛薬やレーザーによる除痛のための処置を優先します。それから症状に応じて、顎関節の機能回復を目的とする顎運動トレーニングを行い、食い縛りや噛み癖など、原因となっている悪い癖や習慣の改善を図っていきます。この際、顎関節にかかる負荷を減らすため、スプリントと呼ばれるマウスピース型の器具を使うケースも多いですね。顎関節症の治療は、患者さんが主体となってトレーニングや習慣改善を行っていくので、「病気を治す」というよりも、再発・悪化の抑制が治療の目的となります。これらの保存療法を行って効果が見られなければ、外科療法で対応することもあります。

Q顎関節症治療を受ける際のクリニック選びのポイントは?
A
つづき歯科医院 顎関節の違和感は放置せずに早めの診察を呼びかける院長

▲顎関節の違和感は放置せずに早めの診察を呼びかける院長

顎関節症の治療では、まず適切な診断に基づく治療選択が重要です。日常生活に潜む原因を見つけ出し、病状に合ったトレーニングとセルフケアで、原因となっている癖や習慣にアプローチすることが症状の改善には不可欠だと考えています。ですので、症状を引き起こした原因を究明せず、顎の骨のずれだけを矯正する対症療法や、「とにかくスプリントを使って安静にしておく」という方法は根本的な解決にはならないと思いますし、顎関節症の原因は人それぞれなので、総合的な診断なしに原因の本質には迫れません。ぜひ顎関節を専門とする歯科医師に診察してもらうことをお勧めしたいですね。

ドクターからのメッセージ

都築 正史院長

顎関節症の患者数は近年、若い女性を中心に年々増加傾向にあるようです。自然に治る軽症のものから、日常生活もままならない深刻な状態のものまで、程度や症状の現れ方が幅広い顎関節症ですが、原因をしっかり見極め、適切な診断と治療を行うことで症状の改善が期待できます。治療では、日常生活の癖や習慣を見直すためのセルフケアやトレーニングも行うため、患者さんの協力も必要不可欠となりますが、診療の際は症状だけでなく生活習慣なども含めて丁寧に問診を行い原因を探っていきますので、一人で悩まずまずは一度当院へご相談ください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

Access