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中山 康弘 院長の独自取材記事

中山歯科クリニック

(高松市/栗林公園駅)

最終更新日:2023/09/20

中山康弘院長 中山歯科クリニック main

高松市花ノ宮町の住宅街で2004年に開院した「中山歯科クリニック」は、鉄筋コンクリートを打ちっぱなしにしたモダンな外観が印象的だ。院内へ進むと明るい日の光が感じられ、中央に中庭が広がっていることに気づく。患者は美しい芝生や草花を目にしながら、ゆったりと診療を受けられるだろう。中山院長は九州歯科大学を卒業後、主に岡山・香川の総合病院を拠点に口腔外科分野で研鑽を積んできた。現在は歯周病治療を基盤に据えた予防歯科診療に力を注ぎ、外科的な処置が必要になる前に歯を守り残すことを目標としている。「生涯現役をめざして、自分の健康管理も徹底し、残りの人生は医科歯科連携の浸透に捧げたい」。笑顔でそう語る中山院長の姿からは、歯科医師であることの誇りと、患者のため誠心誠意尽くす強い使命感を感じ取ることができた。

(取材日2023年8月14日)

口腔外科の経験を経て、歯周病治療と予防歯科に注力

先生が歯科医師を志したきっかけをお聞かせください。

中山康弘院長 中山歯科クリニック1

高校卒業を目前に控えた頃、近隣の歯科クリニックを受診したんですが、その時の歯科医師に憧れを覚えたことがきっかけです。当時、この先生はまだ大学を卒業されたばかり。ラガーマンでもあったので、若く颯爽とした雰囲気をまとっていらっしゃったんですね。親族に医師や歯科医師はいなかったので、職業としては遠い存在でしたが、その先生のようになりたいという思いで、同じ九州歯科大学へと進学しました。

大学卒業後は、どのような道を歩まれましたか?

歯科の中でも外科的な治療を行う口腔外科分野に興味を持ち、岡山大学歯学部の口腔外科学講座に入局しました。5年ほど臨床の現場に立った後は、より口腔外科領域や歯科医学について研究したいという思いのもとに、大学院へ進学。歯学博士となって、岡山赤十字病院や高松赤十字病院の歯科口腔外科に勤務しました。総合病院では医科の医師とチームを組んで悪性腫瘍の手術や顎の再建手術などにあたり、やりがいのある日々を送りましたが、そのうちに急性期病院の口腔外科は手術が中心で、患者さんと長期に関わる機会が少ないことに気づいたんです。状態が安定すれば、患者さんは退院されていきますから、その後のことがわからない。地域の患者さんと一生のお付き合いをしたいと考えて、開業することを決めました。

開業後は歯周病治療に注力しているそうですが、それはなぜですか?

中山康弘院長 中山歯科クリニック2

歯周病は全身の健康と密接に関わっていると感じたからです。病院の歯科口腔外科では、虫歯や歯周病などの一般歯科治療は対象外でしたから、開業後に歯周病治療の専門知識を身につけ、日本歯周病学会歯周病専門医の資格を取得しました。開業医としては、歯周病の管理をしながら予防歯科に注力することこそが責務だと考えています。例えば歯周病によって大幅に歯周組織を喪失した場合、その再生を図る治療を検討しますが、それも100%の結果を残せるとは限らず、患者さんに大きな負担を与えてしまいます。そうならないためには、やはり重症化を防ぐことが大切です。予防歯科においては、定期的にプロフェッショナルケアを行う歯科衛生士の活躍も欠かせません。私は歯科衛生士らスタッフとより良いチームを作り、1本1本の天然歯を守る歯科医療を現在の目標としています。

患者の負担軽減を図り、信頼関係を構築

患者さんの主訴や、クリニックの設備について教えてください。

中山康弘院長 中山歯科クリニック3

うまく噛めない、口の中に違和感があるといった歯周病の自覚症状をお持ちの方、また自覚症状はないけれども、虫歯などと一緒に歯周病をお持ちの方、メンテナンスに来られる方などさまざまです。患者さんの多くは高松市の方々ですね。設備についてはエルビウム・ヤグレーザー、炭酸ガスレーザー、ダイオードレーザーと3種類のレーザー機器がありますので、症例に合わせて使い分けながら、主に歯周病治療に役立てています。レーザーは処置時間が短くなる上、治療時の痛みの軽減が図れますし、歯周ポケットが浅ければ無麻酔での治療も可能です。切開や縫合を伴う手術をするのではなく、レーザーで処置をするとなれば、患者さんの治療のハードルも低くなると思います。また最近ではより精密な診断を目的として、先進の歯科用CTも導入しました。

基幹病院や歯科技工所とも連携を取られているそうですね。

大がかりな外科処置や、全身疾患への配慮が必要な処置などは、口腔外科部長として8年間勤めていた高松赤十字病院にお願いしています。一部の技工についてはちょうど最近、同じ四国のある歯科技工所に依頼をするようになりました。そこでは、歯を失ってしまった歯周病患者さん向けの義歯を作っているんです。従来の義歯は金属の留め金が周囲の歯を揺さぶり、徐々にその寿命を短くすることが多かったんですが、この特殊な義歯は歯茎を模した人工の素材が歯と歯茎を包み込むことで、周りの歯への負担が少なく済むよう設計されています。残念ながら歯周病が進行してしまった方でも、できるだけ多くの歯を残せるように、これからは積極的にこういった義歯を提案していこうと思っています。

患者さんと接する上で、心がけていることはありますか?

中山康弘院長 中山歯科クリニック4

信頼関係を構築することです。歯科医師は患者さんのため最大限の力を尽くしていますが、医療の場では思ったとおりの結果が出ないことや、1回の治療では結果が出ないこともあります。そんな時は誠心誠意、患者さんに「もう一度やらせてもらえませんか」とお願いします。歯科医師と患者さんの信頼関係がなければ、なかなかそんなことは言えません。特に、歯周病の治療は長期にわたることが多く、完治をめざすことも困難です。患者さんに信頼していただいた上で治療を継続できると、ありがたく思いますね。患者さんの期待に精一杯応えられるよう、セミナーや勉強会などにも積極的に参加しています。もともと、学ぶことが好きな性分なんですよ。新たに得た知識や技術はスタッフにも還元することで、スタッフのやりがいにつなげています。

生涯現役をめざし、患者の全身の健康に貢献

ご自身で実践している健康法などがあればお聞かせください。

中山康弘院長 中山歯科クリニック5

生涯現役をめざす身として、健康管理には人一倍気を使っているつもりです。以前は毎日のようにうどんを食べていたんですが、今はそうした炭水化物よりも、野菜を多く取るようになりました。緩やかな糖質制限ですね。加えて毎朝町内をランニングし、筋力トレーニングも継続しています。自分で決めたことをやり遂げる、自己規律を守るということは、あらゆる物事において役立つと思いますよ。さらに、診療中は交感神経が緊張していますので、オフの時間では部屋の片づけや読書、犬の散歩などをして過ごし、緩急をつけるようにしています。旅行も好きなので、コロナ禍が明けたら海外旅行へ行きたいです。

今後の展望についてはいかがですか?

世の中の人を元気にして差し上げたいです。そのためにはまず、医科と歯科は連携すべきだという意識を世の中に浸透させなければなりません。これは私が残りの人生をかけてやっていきたいことでもあります。医科と歯科がより密に連携することができれば、患者さんの負担は大幅に軽減され、健康増進にも役立つと思います。医科歯科連携が当たり前という文化を、日本の医療界に届けていきたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

中山康弘院長 中山歯科クリニック6

当院は「地域の人々の口腔の健康に貢献し、ひいては全身の健康に貢献する」という診療理念を掲げています。われわれ歯科医師が口腔環境を健康に保つことができれば、患者さんの全身の健康状態も改善され、やがては健康寿命の延伸にもつながっていく。そう信じて歯科診療を続けています。もちろん、全身の健康を保つ上では栄養バランスのいい食事や良質な睡眠、適度な運動も重要です。これら健康維持の3要素に着目しつつ、口内環境にも気を配ってもらえたら、元気な人はますます元気に、そうでない人は健康な体へ一歩近づくことができるのではないでしょうか。日本社会は65歳以上の人口が総人口の21%を超え、高齢化の一途を辿っています。若い方だけでなく、高齢といわれる方々もできるだけ現役で頑張れる社会を支えられたらうれしいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

歯周組織再生療法/15万円〜、歯周病患者向けの特殊な義歯/21万円〜、エルビウム・ヤグレーザーを使った治療/1万4000円〜

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