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めざすは痛みの悪循環の解消
技術と経験を要する神経ブロック

塩谷ペインクリニック

(品川区/目黒駅)

最終更新日:2023/12/26

塩谷ペインクリニック めざすは痛みの悪循環の解消 技術と経験を要する神経ブロック 塩谷ペインクリニック めざすは痛みの悪循環の解消 技術と経験を要する神経ブロック
  • 保険診療

「ペインクリニック」は多角的なアプローチにより痛みの緩和‧解消をめざす分野だ。治療領域はとても広く、症状としては腰痛・坐骨神経痛・頸部痛・五十肩・膝痛・頭痛があり、原因疾患としては脊柱管狭窄症・腰部椎間板ヘルニア・頸椎ヘルニア・頸椎症性神経根症・帯状疱疹などの他、顔に生じる三叉神経痛にまで対応する。「塩谷ペインクリニック」の小杉志都子先生は、同クリニックでの痛みの診療に力を入れているドクターだ。「私たちがめざすのは、早期に患者さんの痛みを解消し、悪循環を断ち切ることで活動的な日常を取り戻すことです」と語る。一時的な痛みの緩和だけでなく、根本治療につがることも期待できるという神経ブロック注射や、高周波熱凝固法とパルス高周波法を中心に話を聞いた。

(取材日2023年10月30日)

顔・首・肩・腰・下肢の痛みは、早期に治療を受けることが大切

Q神経ブロック注射とは、どういうものですか?
A
塩谷ペインクリニック 痛みの診療に注力する小杉先生

▲痛みの診療に注力する小杉先生

痛みは末梢神経を電気信号のように伝わり、脊髄を経由して脳に伝わります。痛みの状態が長く続くと、その信号がさらに強まって痛覚過敏に陥り、ますます痛みを強く感じやすいのです。神経ブロック注射には、神経の過剰な電気信号に対して麻酔薬を注射し、痛みを感じにくくすることで悪循環を断つという目的があります。そのほか、緊張して固くなった筋肉を緩めたり、患部の血流を促したりする目的もあります。ぎっくり腰などの急性痛は1~2回の処置で済むこともありますし、慢性痛については繰り返し処置して少しずつ痛みの軽減を図ることが多いです。神経ブロック注射を行いながら、運動指導を受けていただくのも良いでしょう。

Q腰痛がなかなか治らないと受診する人もいると聞きました。
A
塩谷ペインクリニック 長引く腰痛にも対応

▲長引く腰痛にも対応

整形外科のほか、整体、鍼灸などに通っているという方が来院されています。中には、脊柱管狭窄症の手術を受けたけれど、痛みが治まらないという方も。腰痛では硬膜外ブロックや神経根ブロック注射など、局所に対する治療を行います。脊髄神経を包む硬膜の外側に局所麻酔薬を注入する硬膜外ブロック注射は、腰全体の痛みの緩和が見込めます。エックス線透視下で行う神経根ブロックは、痛みの原因になっている神経をより効果的にブロックするためのもの。治療の痛みを少なくするために細い針を使用します。治療後は院内で40分くらい休んでもらい、安定して歩行できるか、めまいなどの不具合がないかを確認した上で帰宅していただきます。

Q頸部痛や五十肩の患者さんにはどんな治療を行っていますか?
A
塩谷ペインクリニック 症状に合わせ、多様な治療を提供する

▲症状に合わせ、多様な治療を提供する

頸椎症性神経根症など頸椎からくる痛みは、神経の出口が狭くなったことで肩甲部から上肢にかけて痛みやしびれが出ます。その際には頸椎に麻酔を注射して改善を図ります。肩凝りや首、腕に痛みとしびれを感じる頸肩腕(けいけんわん)症候群では、首回りの交感神経に働きかける星状神経節ブロック注射で症状の緩和を図ります。五十肩は肩関節の筋肉の圧痛点に麻酔薬を入れるトリガーポイント注射や、ヒアルロン酸やステロイドを注入する方法があります。症状により、神経ブロック注射とトリガーポイント注射を併用するケースもあります。

Q帯状疱疹から神経痛を訴える患者さんもいるそうですね。
A
塩谷ペインクリニック 帯状疱疹ワクチンの接種を推奨する同院

▲帯状疱疹ワクチンの接種を推奨する同院

皮疹ができることから皮膚科を受診される方も多いのですが、実は帯状疱疹の治療はペインクリニックの医療領域なのです。帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスにより、皮膚や神経を痛めてしまう病気で、強い痛みを生じます。発症から3ヵ月を過ぎると帯状疱疹後神経痛というやっかいな状態に移行しますので、発症後すぐに治療開始することが大切です。当院では内服薬や神経ブロック注射を用いて痛みをの緩和を図りながら症状の改善をめざします。特に中高年の方は帯状疱疹を発症すると帯状疱疹後神経痛に移行しやすいので、当院では50歳以上の方を対象とした帯状疱疹を予防するためのワクチンの任意接種をお勧めしています。

Q高周波熱凝固法とパルス高周波法は、どのようなものですか?
A
塩谷ペインクリニック どちらの治療も同じ機器を使用して行う

▲どちらの治療も同じ機器を使用して行う

どちらも同じ機械を使用し、神経ブロックの効果を長続きさせるものです。高周波熱凝固法は腰痛や背部痛の原因となる神経の枝(脊髄神経後枝)に70~90度の熱を加えるもの。痛みの神経をまひさせて痛みを感じにくくさせます。下肢痛や四肢の痛みがある方の場合はパルス高周波法を行います。42度くらいの適温で約6分、電流を流します。パルス高周波法の長所は、神経をまひさせることなく、長期的な痛みの緩和が望めることです。主に坐骨神経痛、頸椎症性神経根症、帯状疱疹の方などが対象になりますね。とくに難治性の神経痛に対しても効果が期待できるんですよ。

ドクターからのメッセージ

小杉 志都子先生

痛みにより抑うつ傾向となる方や、活動量が低下してしまう方がいますが、そういった事態に陥らないためにも早期に治療を受けることをお勧めします。痛みを長引かせず、早期解決を図ることは、精神面の安定や患部の機能回復を促し、活動的な日常を取り戻すことにもつながります。神経ブロック注射などの疼痛治療はリハビリテーションの起点となる治療でもあり、運動療法と併用することも多いです。当院では多くの経験を積んだ麻酔科の医師がエックス線やエコーの画像を見ながらミリ単位の精度で治療を行います。神経ブロック注射について、不安なことがあればなんでもご相談いただければと思います。

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