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長田 良子 院長の独自取材記事

ながた医院

(寝屋川市/香里園駅)

最終更新日:2021/10/12

長田良子院長 ながた医院 main

京阪本線・香里園駅より歩いて10分以内の閑静な住宅街の一角。色とりどりのタイルが美しいマンションの1階に「ながた医院」はある。この地で開業して10年以上、「聴診器を肩にかけていると落ち着くんです」と笑顔で語ってくれたのは、長田良子院長。明朗な対応が気持ちの良い女性医師だ。取材時、医院の待合室には11月に誕生日を迎えた院長への祝花が並び、長田院長と同院が築いてきた地域の患者との関係が伝わってくるようだった。「患者さんが最期まで患者さん自身を愛し、自身を大切にできるようにサポートしていきたい」と語る長田院長に、地域医療への想いや力を入れている活動、医師としての考えなどを詳しく聞いた。

(取材日2018年11月12日)

人との縁に導かれて開いた医院で、地域医療に貢献

まずは先生のご経歴について、簡単に教えてください。

長田良子院長 ながた医院1

中学・高校・大学まで一貫の私立学校を卒業した後、滋賀医科大学医学部医学科に進み、1997年に卒業。その後、糖尿病・腎臓疾患・神経内科を専門領域として臨床経験を積みながら同大学大学院に入学し、博士課程を修了しました。その後、勤務医を経て、より地域に密着した医療を提供するため開業しました。

四年制大学卒業後に、医学部に入学しなおしたのですね。

そうなんです。こういった経歴の医師は珍しいですよね。ちなみに医学部に入る前は英文学科で、専攻は16世紀英文学。卒論はシェイクスピアでした(笑)。医師になろうと思ったのは英文学科の学生の頃、同じ美術部でとても仲が良かった友人が、多発性硬化症になったことがきっかけでした。多発性硬化症は脳や脊髄のさまざまな箇所に病巣ができ、視力低下などの症状が現れては消える難病です。治療のために外出もできないと嘆く友人を見て、自分が医師になれば一緒に出かけられると思い「私が医師になってあなたの主治医になるから、それまで待ってて」と宣言したんです。当時はもう、ゼミナールでも就職すると報告していたのに、突然進路を変えてしまいました。

この場所での開業に至った理由は、何だったのでしょうか?

長田良子院長 ながた医院2

ご縁があったから、という一言に尽きますね。当初は直近の勤務先よりも自宅から近く、通いやすい場所を条件としていろいろと見てまわったのですが、なかなかピンと来なくて。そんなとき、この地域に住む知人からカラオケ店だったこの物件を「どうかな?」と紹介されたんです。実際に見に来てみると「あ、この場所でならイメージが具体的に湧くな」と思えて、開業を決めました。本当に良い人・土地のご縁に恵まれて、この場所で開業して10年以上、今日までやってくることができました。幸運だったと思います。

健康寿命を少しでも延ばし、悲しい死をなくしたい

開業して10年以上たちますが、どのような患者さんが来院されていますか?

長田良子院長 ながた医院3

来院される方では0歳のベビーから90代の方、在宅診療の方まで含めると100歳オーバーまで、幅広い年代の患者さんを診させていただいています。喉の痛みや腹痛などのちょっとした異常から「病気ではないか調べてほしい」と、相談しに来てくれる方が多いですね。乳児や小児の患者さんに対しては、当院で適宜診断・治療をしつつ、必要なら他の小児科専門医療機関への紹介も行っています。また当院の特徴として、患者さんが100歳になっても自分の足で通院できるよう、椅子やマットを使って無理なく運動ができる運動指導を積極的に行っていることが挙げられます。それでもなお、通院が困難になった患者さんをしっかり最期まで診るための仕組みとして、24時間体制での在宅診療にも力を入れています。また、運動指導の中には能の観世会橋本聲吟社の先生に来ていただき声を出すことで摂食嚥下の予防などの取り組みも行っています。

運動指導に力を入れている背景について、もう少し詳しくお聞かせください。

年齢を重ね、体が動かなくなってくると自己嫌悪に陥り「もういい、死にたい」と言う人も増えてきます。そんな状況は本人にとっても、またその患者さんを愛する周囲の人にとっても、悲しくつらいことだと思いませんか。私は災害時の医療支援も行っているのですが、災害時に「死にたい」と訴える患者さんはまずいません。皆さん「生きたい」とおっしゃいます。例えば災害で自宅の2階まで上がれば命が助かる場合、自力で階段を登れないからといって置いて行かれたい患者さんはいないでしょうし、愛する家族を置いていける人もいないでしょう。自力で動けることは、生きる活力や希望になる。患者さん本人にも、周囲の人にとってもです。だからこそ、患者さんの状態に合わせた運動指導を通して少しでも健康寿命を延ばし、悲しい死を減らしたいと強く願っています。

災害医療にも、力を入れておられるのですね。

長田良子院長 ながた医院4

私自身、滋賀医科大学在学時に阪神淡路大震災を経験しています。師事していた教授が被災地に医師を派遣しているのを見ていたため、東日本大震災や熊本地震の時には、被災地への医療支援に赴きました。2018年は大阪にも災害が多く、なかなか他地域の支援に赴くことも難しかったのですが、今もできる範囲で、定期的に被災地への医療支援を行っています。今後も私の医師としてのライフワークとして、続けていきたいと思っています。

患者が自身を大切に、一生好きでいられるようサポート

看護師やスタッフにも女性が多く、皆さん先生と同じく元気のいい対応ですね。

長田良子院長 ながた医院5

ありがとうございます。一緒に働いていると私に影響されてしまうのか、「みんな先生と雰囲気が似ているね」と患者さんからもよく言われます(笑)。患者さんが医師の私には言いにくいことでもスタッフになら相談できるような、温かい雰囲気を彼女たち自身がつくってくれています。往診や、私が他院での診察や災害支援のために出張している間、医院を支えてくれたりと、本当にいい子たちなんです。彼女たちがいなければ、私がこのスタイルを続けることはできなかったでしょう。だからこそ過去の私が周囲からしてもらったように、彼女たちには自分を大切にしつつ働き続けられるよう環境を整え、できる限りの支援をしたいと思っています。当院で働き始めてから看護学校に通い始めて、働きながら看護師になってくれた子もいるんですよ。

プライベートについてお聞きします。余暇はどのように過ごされていますか?

筋力トレーニングですね(笑)。ここ最近は背筋と、お尻の筋肉を鍛えるのにはまっています。あとはボクシングも。限られた時間の中で、ハードなパフォーマンスをいかに集中して効率よくできるようにするかというところが、心臓カテーテル治療の時の緊張感に似ていてとても気持ち良いんですよ。患者さんに運動を勧めているのは、私自身が医師になってから意識的に運動するようになって体の変化を感じたから、というのも大きいんです。お酒が大好きな私でも、運動することで体や飲酒習慣の良い変化を実感できるようになった。そういう意味でも、患者さんにも自分の体を愛し労わる方法として、運動の大切さを知っていただきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

長田良子院長 ながた医院6

あなたがどんな状況に陥っても、いつでもあなたを一番に想い、支えてくれるのは「あなたの体」です。あなたが飲みすぎると胃腸の不調で知らせ、風邪をひくと熱や咳で休むように指示してくれる。そのことに気づき、あなたを支える一番のパートナーを愛し、もっと労わってあげてください。当院ではちょっとした不調から生活習慣病のご相談まで、年齢・性別を問わず診療させていただきます。体の不安・疑問を解決し、患者さんが自分の体を愛しより良い状態で暮らしていけるよう、サポートいたします。ご来院またはお電話にて、お気軽にご相談ください。

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