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横山 裕志 院長の独自取材記事

横山整形外科

(西宮市/甲東園駅)

最終更新日:2024/04/10

横山裕志院長 横山整形外科 main

阪急今津線甲東園駅から徒歩3分。閑静な住宅街の一角で地域住民の健康を支えてきた「横山整形外科」は、開業25年の歴史と実績を備えた整形外科医院である。横山裕志院長は、大学病院や大阪国際がんセンターなどの大きな病院で、手術を中心とした重症患者の治療経験を数多く積んできた。だからこそ、いかに患者が重症にならないよう治療を進めていくか、患者の利益を最優先し、悪化を食い止めて改善させるよう、常に一歩先をいく判断力と治療方針で患者に向き合っている。そんな同院の診療の特徴について、横山院長に詳しく聞いた。

(取材日2023年12月4日)

撮影方法を工夫し、より詳細なエックス線撮影を

とても歴史のある医院なんですね。

横山裕志院長 横山整形外科1

1999年に開業して約25年間、この地で診療を続けてきました。この辺りはとても居住環境の良い閑静な住宅地で、大学などの教育施設も充実している文教地区でもあります。いらっしゃる患者さんも、優しくて知性や品性のある方が多いように思います。私の生まれも西宮で、開業前はここから近い西宮市立中央病院にも6年間勤務していました。勤務医時代は数多くの手術を行っていたのですが、術後の患者さんのフォローアップの大切さを痛感しており、患者さんの日常に寄り添うような長期的な治療に興味を持ち、自分がよく知っている甲東園に空き物件が出たと聞いた時、なじみの地域であったここで開業しようと決めました。タイミング良く物件が見つかり幸運でした。

患者さんの年齢層や多い主訴を教えてください。

年代的には高齢の方が多く、主訴は、やはり膝と腰、肩の痛みで来院されることが多いですね。働き盛り世代だと重いものを持って腰を痛めたとか、学生さんは部活動での捻挫や突き指などです。60代ぐらいの方に多い疾患は下肢にしびれや痛みが出て歩くことがつらくなる腰部脊柱管狭窄症や膝に痛みが出る変形性膝関節症などでしょうか。開業当時から通っていただいている患者さんたちは高齢化していますが、加齢を上手に受け入れることが大切だと考えています。現代の70代、80代は昔と比べてお若いのですが、「いつまでも同じように歩けるはず」、「今までどおり仕事ができるはず」という思いが強い方もいて、気持ちが若い点はとてもいいのですが、自分のイメージと実際の体の動きにずれが生じてくるようになります。それは医学的に当たり前のことなので、自信をなくす必要はありません。あまり無理をしないことが大事だと思います。

診療ではどんなことを行うのでしょうか?

横山裕志院長 横山整形外科2

患者さんに丁寧に問診を行った後、まず痛みやしびれ、動きづらさなどの状態を客観的に把握するために、注意深く入念に検査を行います。例えば、膝の痛みが主訴の場合、どの医院でもエックス線撮影をすることが多いと思うのですが、当院では、エックス線撮影法の中でもより詳細な状態が検出できるような方式を採ります。通常のエックス線撮影のように仰向けに寝た状態で撮影するのではなく、立った状態で膝を45度屈曲して後方から撮影します。そうすると従来のエックス線撮影ではわからない軟骨の摩耗がわかりやすくなるのです。より深く原因の追究ができるため、次にどんな治療を行うべきなのか適切な判断につながります。撮影が1回で済むのも患者さんにとってはメリットでしょう。

治療アプローチで必要なのは、常に一歩先を読むこと

その後の治療の流れを教えてください。

横山裕志院長 横山整形外科3

患者さんの希望も聞きながら、おおよその治療アプローチを組み立てます。まずは痛み止めの薬や注射を使用したり、例えば、リウマチなら生物学的製剤の投与をします。それでも痛みがひどいときにはブロック注射やヒアルロン酸関節注射などを行います。同時に、動くときの体重のかけ方や姿勢の正し方などの指導も行います。低周波治療器、マイクロ波治療器、けん引治療器といった機器も用意しています。神経に障害があるようであれば、大きな病院でのMRIやCT検査の紹介をします。また、痛みが軽減されたとしても長期的なリハビリテーションも大切ですね。このように段階によってさまざまな選択肢があるため、治療のアプローチで大切なことは、今の症状を診ることだけでなく、段階ごとに何が患者さんにとって必要なのか見極めることです。医師として常に先を読むようにしています。

リハビリテーションはやはり大事なのですね。

どの部位の治療でもリハビリテーションは必要不可欠で、治療のパッケージに含まれた大切な項目の一つです。例えば、膝を安定させるためには大腿部の筋肉を鍛えることが大切です。自分の筋肉を鍛えることで、「根本的」な痛みの緩和につながります。例えば、マッサージを受けるとリラックスできてその場の痛みの軽減は図れるかもしれませんが、時間がたつとまた元どおりになってしまい、根本的な対処法にはならないと私は考えます。その場の痛みをなくすことをめざすだけでなく、その先を見据えて、筋肉の強化を中心としたリハビリテーションのメニューを提案します。当院では、手術後や大きな関節に関わる症状の患者さんに対して、理学療法士によるサポートも行っています。

いろいろな機器がありますね。それぞれの機器をご紹介いただけますか?

横山裕志院長 横山整形外科4

機器も常に新しい機器を導入するようにしています。けん引装置は、患者さんにリラックスして座っていただいた状態で自動的に腰椎や頸椎を上下に伸ばし、腰部や頸部の痛みを軽減するための機器です。上下に引き伸ばすことで骨の間に隙間をつくり、痛みの原因となっている骨同士の圧迫やズレの改善を試みます。マイクロ波治療器は、電波の作用によって行う温熱治療のための機器です。表面だけでなく体内の深いところの筋肉や関節を温めることができ、血行改善や新陳代謝の促進につながります。その他、干渉波や低周波治療器、レーザー治療器、ウォーターベッド、フィットネスやジムで見かけるような、エアロバイクや大腿四頭筋訓練器もそろえています。

治療方針の相談をする時、デメリットも丁寧に説明

患者さんとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

横山裕志院長 横山整形外科5

エックス線写真を交えながら診断結果を伝え、治療方針を患者さんと相談するとき、医学的な説明が伝わりやすいように平易な言葉で語るようにしています。副作用についても、最初にきちんと説明します。例えば、リウマチの治療に使用する生物学的製剤は免疫の働きを抑えるための薬なので、感染症のリスクの可能性があるなど、メリットだけでなく注意事項も丁寧に説明します。生物学的製剤は投与間隔の自由度が高いため、状態が良くなれば間隔を空けていきます。投与回数が少なければ患者さんも服用しやすいですし、治療に専念しやすい。最終的には薬から離脱することもめざせます。検査から診断、治療まで、いろいろな選択肢があるわけですが、メリットやデメリットを考慮し、常に患者さんの利益と負担の軽減を意識しています。また、情報のアンテナを張り巡らし、新しいものにも臆さず、患者さんに有益になるものは積極的に取り入れています。

整形外科医を志したきっかけは何でしょうか?

中学生の時祖母が病気になって手術したものの良くはならず、祖母が衰弱していく姿を見ながら、自分は将来医師になって手術を成功させ病気の人を治したいと思ったのです。整形外科領域に興味を持ったのは、骨折してコルセットやギプスなどをしている状態でも、治療をすればまた動けるようになることがめざせる、そんな治療に励む患者さんたちを見て心を打たれたからです。若い頃は大学病院や大阪国際がんセンターなど大きな病院で手術を前提とした重度の症例の経験が多かったですね。外科医として手術を多く経験したからこそ、治療方針の見極めと判断力には自信があります。できる限り手術にならないように治療の段取りを組むようベストを尽くします。そして、これ以上手術以外で治療しても意味がないと判断すれば手術を勧めます。

最後に読者にメッセージをお願いします。

横山裕志院長 横山整形外科6

腰や肩が痛い、歩くとき足が痛いなど、少しでも不調を感じたら、ぜひ気楽に整形外科医院を訪れてほしいですね。症状があまり悪くないうちに来ていただけると、それだけ短い期間で改善をめざすことができる可能性が高くなります。整骨院やマッサージ店に比べて、整形外科というと敷居が高いと思う方が多いようです。でも、単なる腰痛や肩凝りと思っても、重大な病気が隠れているかもしれません。医学的な検査が必要です。大きな病院に行くのは時間的に余裕がなくても、地域の整形外科医院に気軽に行って医学的な検査を受けてみることをお勧めします。

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