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高橋 敬一 院長の独自取材記事

高橋ウイメンズクリニック

(千葉市中央区/千葉駅)

最終更新日:2024/03/04

高橋敬一院長 高橋ウイメンズクリニック main

JR中央・総武線千葉駅から徒歩約3分の場所にある「高橋ウイメンズクリニック」。院長の高橋敬一先生は、虎の門病院で産婦人科領域の経験を重ねて独立したベテランドクターだ。不妊に悩む患者に対して、責任を持って、より専門的な治療に専念したいとの思いから、1999年に開業。以来、長年にわたり大勢の患者に寄り添ってきた。さらに、たくさんの患者の要望に応えたいと、2015年には現在地へ拡張移転を実施。一般不妊治療から体外受精まで、患者一人ひとりの状態に合った適切な方法を選択し、妊娠の可能性を最大限高めるために尽力し続けている。患者からの声にパワーをもらっているという高橋院長に、不妊治療に対する考え方や、妊娠を望む人に伝えたいメッセージなどについて話を聞いた。

(取材日2023年9月26日)

不妊治療を専門に約25年にわたり大勢の患者を診療

不妊症専門のクリニックを開院した理由について教えてください。

高橋敬一院長 高橋ウイメンズクリニック1

もう25年近く前の話になりますが、当時は虎の門病院という大きな総合病院に勤めており、産婦人科の医師として、お産はもちろん、婦人科系のさまざまな病気の患者さんを診ていました。ちょうどその頃、体外受精が一般的にできるようになり、不妊治療の世界が一気に進化したんですね。不妊に悩む患者さんを救う道が大きく開けたことから、新しい分野に集中したいと思ったのです。ただ、病院にいると1つの治療だけに専念するのは難しく、また、逆に産婦人科領域の中のすべての治療に関して1人の医師が専門的な知識や技術を身につけることも困難なことから、不妊治療に絞った仕事をする必要性を感じていました。そうした背景から、より患者さんの求める専門的な治療に、責任を持って専念できる形として、不妊治療に特化したクリニックの開院を決めました。

2015年には、クリニックを元の場所から移転して拡張したと伺いました。

そうですね。おかげさまで、たいへんたくさんの患者さんに来ていただけるようになり、移転して開院当初よりも規模を大きくしました。現在の場所に移るにあたり、より専門的な治療をご提供できるよう、新しい設備も導入しています。例えばクリーンルームは今までの2倍の広さとなり、培養器も増やして「完全個別培養」を実現しました。また、前のクリニックと同じく、2人目不妊で通院している方のお子さんをお預かりできるよう、託児施設も備えています。不妊に悩まれる方が、院内で他の患者さんのお子さんを見たり、子どもの声を聞いたりすることがないように、別の階に設置する配慮をしています。

産婦人科の医師としてやりがいを感じるのは、どのような時ですか?

高橋敬一院長 高橋ウイメンズクリニック2

医師というのは元来社会的な意義を感じやすい職業ではありますが、特に私の仕事は新たに生まれる命につながるお手伝いができる、本当にやりがいのあるものだと感じています。患者さんとのやりとりの中で私もパワーをいただき、改めて仕事や人生の意義を認識させていただいています。

手法を限定せず、一人ひとりの患者に合わせた治療を

クリニックとしての診療方針、コンセプトはありますか?

高橋敬一院長 高橋ウイメンズクリニック3

不妊治療に特化してはいるけれど、体外受精専門ではないという点が当院の特徴です。よく、体外受精が最も妊娠が期待できると思われがちですが、私としては、体外受精のみに絞ってしまうと、可能性を狭めてしまうこともあると考えています。もちろん体外受精も必要に応じて行いますが、それ以外の可能性もある場合は並行して治療を進めるようにしています。別の言い方をすると、「うちはこれしかやっていません」と治療方法を一方的に決めて、患者さんに合わせていただくのではなく、体の状態に寄り添う形で、患者さんを中心として治療を組み立てるようにしているんです。その上で体外受精もそれ以外の治療方法も必要に応じて行うというその積み重ねが、これだけ多くの方に通っていただける結果につながっていると思っています。

不妊治療が保険適用となったことを受け、患者さんの変化はありましたか?

2022年4月から、人工授精などの「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精などの「生殖補助医療」について、保険が適用されるようになりました。まず、この保険適用が大きなニュースになったことで、不妊治療に対する認識が一気に拡大したと感じています。その上で、国が認めた治療、というイメージが広がったのか、また経済的な負担が軽減したことからか、以前よりも若いうちから不妊治療で来院する患者さんが増えたように感じます。また、特に体外受精に関しては「特別な治療」「最後の手段」などと思われがちでしたが、今回の保険適用で体外受精に対するハードルが下がり、早いうちから抵抗なく選択する方が多くなりましたね。

若いうちから不妊治療を始めるメリットというのはあるのでしょうか?

高橋敬一院長 高橋ウイメンズクリニック4

いろいろありますね。まず若いほうが妊娠しやすいという点が挙げられます。高齢出産に比べて、出産に関する合併症が少ない分、より出産の安全性が期待できるメリットもありますね。高齢になればなるほど妊娠しにくくなり、妊娠中毒症など妊娠中のトラブルも増えていきます。妊娠のしやすさというのは女性の年齢が大きく関係しており、35歳を超えると妊娠能力が低下することがわかっています。かといって35歳を過ぎたら諦めないといけないかというとそんなことはありません。ただ、年齢が関係することは事実で、先ほどお伝えした保険診療も40歳以上は回数の上限が半分に減り、43歳を超えると対象外になってしまうんです。子どもを希望する場合、迷ったり悩んだりするのだったらまず検査を受け、早めに医療機関にご相談に行くことをお勧めします。

管理栄養士によるアドバイスなど、健康全般を意識

患者さんとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

高橋敬一院長 高橋ウイメンズクリニック5

まずは先述したとおり、患者さんに合わせた治療方法を選択するということですね。それから、不妊治療に関する誤解がまだまだ根強く残っているので、最初にそうした誤解をなくすよう基本的な説明をするようにしています。例えば、不妊治療中は、排卵日や精子を採取する日以外は禁欲したほうが良いと思っている方が多いのですが、そんなことはありません。妊娠確率と関連するのは精子の濃さというより精子が新鮮かどうかでしょう。性交渉をしないことはむしろ妊娠する可能性を下げてしまう恐れがあると考えています。ですから、妊娠を望むならば禁欲期間をつくらず、できるだけ多く性交渉をするようにお話ししています。

栄養面でのアドバイスも行っていると伺いました。

そうですね。当院では医師以外に管理栄養士や心理カウンセラー、遺伝に関するカウンセラーがスタッフとして勤務していて、いろいろな面から患者さんにアドバイスしたり相談に乗ったりしています。妊娠しやすい体をめざすということは、すなわち、健康な体を作るということです。そのため、栄養状態なども細かく調べて、太りすぎ、やせすぎなども注意していただくようお話ししています。卵子や精子を作る機能は人間の体の一部です。不健康な体で、卵子や精子だけ健康的なものを作るなんて無理な話だと思いますし、そんなお薬もサプリメントもありません。治療効果を高めるためにも、まずは健康でいることが大切ですね。

最後に、将来に向けた展望や読者へのメッセージをお聞かせください。

高橋敬一院長 高橋ウイメンズクリニック6

不妊治療の領域は、着床や卵巣機能などまだまだ課題が残っている分、新しい技術もどんどん出てきています。常にアンテナを張って情報収集を行い、必要なものを取り入れて患者さんに還元していきたいですね。ただし、目新しいものに飛びつけば治療成績が良くなるものではありません。確かな技術を一つ一つ積み重ねて、信頼していただける治療を提供し続けることが大切です。患者さんお一人お一人に合わせた治療を組み立て、一緒に頑張っていければと思いますので、不妊で悩んでいる方がいらっしゃいましたら、まずはクリニックにお越しいただき、相談していただけたらうれしいです。

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