全国のドクター9,253人の想いを取材
クリニック・病院 158,515件の情報を掲載(2024年6月01日現在)

  1. TOP
  2. 奈良県
  3. 奈良市
  4. 学園前駅
  5. 森歯科クリニック
  6. 森 雅一 院長

森 雅一 院長の独自取材記事

森歯科クリニック

(奈良市/学園前駅)

最終更新日:2024/04/15

森雅一院長 森歯科クリニック main

「森歯科クリニック」は近鉄奈良線・学園前駅から北に5分ほど歩いた先、茶色のビルの2階にある。待合室の大きな窓からたくさんの光が差し込む院内は、社会情勢を考慮し、衛生面の基準を一層引き上げ安心して治療を受けてもらえるよう数年前に滅菌室のリニューアルを実施。父から数年前にクリニックを継承したという森雅一院長は、やわらかな関西弁と穏やかな笑顔が印象的。「父はいつも一生懸命で、患者さんのために夜遅くまで勉強していました。それに比べて僕は、子どもの頃はとても不真面目でした」と自身について冗談めかす一方、根管治療やメンテナンスの重要性について語る口調は熱く、患者への優しい思いがにじむ。50年以上地域で愛される同院について、特徴や治療方針などを聞いた。

(取材日2024年3月12日)

地域に根差して50年以上の「街のかかりつけ医」

まずはクリニックの概要について教えてください。

森雅一院長 森歯科クリニック1

私の父が当クリニックを開院したのは1971年ですので、かれこれ50年以上たちます。数年前、父の引退がきっかけで私が継承しました。ですので、今も父の代から通ってくださる方がいらっしゃり、ありがたいことに10年、20年と長く通院されている患者さんや、3世代続けて当院に通っている患者さんもおられます。来院してくださっている患者さんは幅広いですが、40代から60代以上の年齢層の方が最も多いです。近隣からいらっしゃる方、それから駅から徒歩5分程度と便利な場所にありますので、仕事帰りに通ってくださる患者さんもおられます。

院内の設備について、こだわりを教えていただけますか?

社会情勢を考慮し、衛生面の基準を一層引き上げるため数年前に滅菌室のリニューアルを実施しました。新型コロナウイルスの流行を受けまして、患者さんが安心して治療を受けられるように徹底した滅菌消毒をすべく消毒・滅菌室をこだわりました。洗浄や消毒、滅菌を目的とした機器は複数稼働させており、以前は難しかった複雑な形状の器具の滅菌も可能です。また、院内には自動で器具の洗浄・消毒ができる機械や、ハイクラスの滅菌機も導入しています。治療器具の中には患者さんの血液が付着しているものもあり、スタッフが手で洗っているときにけがをした場合、万が一感染することがないようにと導入しました。医療用の空気清浄機も設置し、衛生的な環境を維持するよう努めています。

どのような症状でいらっしゃる患者さんが多いですか?

森雅一院長 森歯科クリニック2

虫歯や歯肉炎、歯周病、詰め物が取れたなど、地域のかかりつけとしてのご相談が多いですね。ホワイトニングなどの審美歯科診療ももちろん対応していますが、特にこだわっているのは「根管治療」でしょうか。一般的には、歯の神経と呼ばれている「歯髄」まで虫歯が進行してしまうと、歯を残すため根管治療が必要となります。当院では、マイクロスコープやCTを使用して治療を行っており、根の先の穴がどうなっているのか、汚れが残っていないかなどをしっかり確認しながら治療を行うことができます。いかに「歯髄」を温存できるか、再発がないような治療ができるかを重視しており、まだまだアップデートをしていきたいと思っていますね。

何よりも患者の健康を考えている、院長の思い

定期健診が大切な理由を教えていただけますか?

森雅一院長 森歯科クリニック3

歯周病と糖尿病との関係などが広く知られるようになってきましたが、口腔の環境を管理して全身の健康を守るという意味でも、予防歯科の重要性はますます上がってきています。日本では平均寿命は毎年延びていますが、健康寿命との間には約10年の差があります。つまり、介護が必要な状態や不健康な期間が長いということです。私自身がそれに対してできることは、お口の検査やメンテナンスをすることで、疾患の予防や早期発見につなげていくことだと考えています。病気になってから慌てて治すより、病気にならないようにするのが一番重要です。ぜひ全身の健康を守るためにも、それこそ「定期的に美容院に行く」ような意識で定期的なメンテナンスに通ってほしいと強く思います。

なるほど。歯のメンテナンスをすることが全身の健康にもつながるのですね。

また、健康寿命を延ばすためには、お口のメンテナンスをすることに加えてもう一つ大切なことがあります。それは定期的に検査をして「ご自身の口の中が今どのような状態か把握する」ことです。お口の中というのは、身近にありながら自分ではよくわからないところ。ぜひ私たち歯科医師にお口の中を見せてください。ご自身では気づかなかった問題点が見つかったり、悩んでいた症状の原因がまったく別の場所にあったり、ということも多々あります。内科のクリニックに行けば血圧を測るように、お口の機能も検査を定期的にすることで自分の状態を適切に把握できます。皆さんにはぜひ健康寿命を延ばすためにも「お口の検査のために歯科に行く」ことを習慣にしてほしいと思っています。

検査や治療に際して特に意識していることはありますか?

森雅一院長 森歯科クリニック4

治療にもメンテナンスにも共通して、私は「患者さんの望み」を把握することを大切に考えています。例えば、お口の中を拝見して私が「治療したほうがいい」「自由診療のかぶせ物を入れたほうが望ましい」などと考えても、患者さんのご希望と必ず一致するとは限りません。自分に置き換えて考えても、服や食べ物を買うときに「これが一番良いから」と勧められても、判断するのは自分ですよね。お仕事や家庭の忙しさ、ご予算など、患者さんにはいろいろな背景やご事情があります。クリニックに通院することに苦手意識を持ってらっしゃる患者さんもいらっしゃるので、無理なご提案をして通院が中断してはいけませんし、患者さんがどこまで望んでおられるのか、しっかりとお話を聞いた上で患者さんの思いやご希望に寄り添った治療をしていくというのが大切だと考えています。

父から受け継いだクリニックで、地域に貢献していく

先生が歯科医師を志されたのはお父さまの影響だとお伺いしました。

森雅一院長 森歯科クリニック5

父はとても仕事に熱心で真面目でした。毎日診療が終わってから技工をし、家でも歯の本を読み、休みの日は歯科医師会の用事をしていた姿をよく覚えています。父の背中を見て育ちましたが、子どもの頃は決して真面目ではありませんでした。父の背中を見て歯学部に入学しましたが、働き始めてすぐの頃はなかなかうまくいきませんでした。他の先生にご迷惑をおかけしたり、やり方を見て学んだりする中で次第に「もっと勉強しなければいけない、もっとうまくいくようになりたい」と思うようになり、勉強会にも積極的に参加するようになりました。働き始めてからはより「患者さんの役に立ちたい」「生まれ育った地域に貢献したい」と思えるようになりました。

ご経験から学ぶことの大切さに気づかれたのですね。

一番大切にしていることは、基本の処置しっかりすることです。勤務医時代に担当した患者さんで、他のクリニックで過去に入れたかぶせものの箇所に虫歯が再発し、かぶせものも外し再治療となったことがありました。これでは患者さんにも負担がかかってしまうと感じたことをきっかけに、やはり大切なのは基本をしっかり学ぶことだと感じました。この経験から、当院では特に基礎の治療である根管治療にこだわっています。そういった基礎の処置は勿論わたし一人が担当するところ。言い訳が聞きません。責任感もありますが自分で練習をしながら突き詰めていけるところも向いているのかもしれませ。口腔内の不調については痛くないからと放置してしまう方も多いと思いますが、歯も大切な体の一部です。いかにきれいにかぶせものを作れるか、いい素材を使うかではなく、ご自身の歯、土台をいかに長持ちさせるか、健康な状態を保っておくかがとても大切です。

読者の方へメッセージをお願いいたします。

森雅一院長 森歯科クリニック6

私が歯科医師になった頃は、歯科クリニックは「歯が痛くなったら行くところ」でした。しかし先ほどもお話ししたとおり時代は変わり、自分の歯を一生使うためにも「予防」と「早期発見・早期治療」に移り変わってきています。そのためにはメンテナンスが重要です。一度削った歯は修復しただけなので元に戻ったわけではありません。高齢の方の中に「歯医者の定期検診に行かなかったのを後悔している」と言われる方が多いのは事実です。問題が小さいうちに進行を止めることができるよう、皆さんには定期的に歯科に通っていただきたいと思います。ぜひお気軽にご来院ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ホワイトニング/1万500円~、セラミックのかぶせ物/6万6000円~

Access