小児矯正は小学校低学年が始め時
成長の力を借りて整った歯列へ
わかば歯科医院
(鶴ヶ島市/若葉駅)
最終更新日:2024/03/08
- 自由診療
小児矯正に興味があるものの、子どもの歯が生え替わるタイミングを様子見している人もいるだろう。しかし、それではせっかくのチャンスを逃してしまう可能性もあると話すのは「わかば歯科医院」の田中佳世先生だ。小児矯正の中でも抜歯ではなく、顎を広げることで歯がきれいに並ぶスペースを作るための床矯正の専門家でもある。できるだけ子どもの痛みを少なく、管理する保護者のストレスも減らすためには「小学校低学年でのスタートが理想的です」と力を込める。成長の力を借りた矯正治療は、成長過程にある子どもだからこそできるとも言えるが、小児矯正ならではのメリットなどについて詳しく聞いた。
(取材日2024年2月19日)
目次
小児矯正は小学校低学年に開始するのがベスト。成長の力を借りて抜歯せずに矯正をめざす
- Q小児矯正はいつから始めるべきですか。
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A
基本的に小学校低学年がベストです。6歳臼歯が生え、上の前歯2本、下の前歯2〜4本が永久歯になっていれば、将来的な口腔内の全体像が予測でき、矯正が必要かどうか診断できます。ただし、反対咬合は乳歯の段階からマウスピース型装置による予防的な矯正も可能です。子どもの歯で気になる部分があっても様子見をしている人もいますが、そうしているうちにせっかくのチャンスを逃してしまうことも多々あります。できれば小学校1年生のうちに一度クリニックを訪ねてみてはいかがでしょうか。
- Q小児矯正を行うメリットについて教えてください。
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A
小児矯正は成長の力を利用できるのが一番のメリットです。成長の度合いを見ながら進めていくので時間はややかかるかもしれません。また、成人矯正では歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要になることもある一方、小児ならば床矯正で顎を広げることも期待できます。さらに、小児矯正においては伴走者として欠かせない親御さんのストレスも、小学校低学年のうちならばまだ少なく済むのではないでしょうか。一般的に反抗期にさしかかるような頃には12歳臼歯も生えてきて、ちょうど矯正もほぼゴールになるでしょう。
- Q歯並びを悪いまま放置しているとどんなデメリットがありますか。
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A
問題のある歯列を放置しているとうまく歯磨きができなかったり、汚れがたまりやすくなったりするため、虫歯や歯周病になりやすくなるでしょう。また、噛み合わせがずれていると、噛む力が弱くなり、また全身への力の入れ具合も変わってくると言われ、例えばスポーツでも実力を発揮できない可能性もあるんです。実際、アメリカのメジャーリーグでは入団前に歯並びを必ずチェックしているとか。実は歯並びは健康寿命に関係するということも知っていただきたいですね。そういった意味では、小児矯正は将来にわたり子どもの健康を守ることを目的にしていると言っても良いのではないかと思っています。
- Q貴院ではどのような小児矯正を行っていますか。
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A
顎を広げることが目的の床矯正をメインとしながら、必要な場合はワイヤー矯正、マウスピース型装置を用いる矯正を併用することもあります。床矯正は約2年間、1日14時間つけていただくので、小学校低学年のうちに済ませておくのがお勧めです。その後は、夜間のみ保定装置をつけながら口腔筋機能療法(MFT)に取り組んでいきます。口腔周辺の筋肉を鍛えるトレーニングで習い事感覚で楽しく通っていただけるのではないかと思います。
- Qメインとしている床矯正について詳しくお聞かせください。
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A
床矯正とは床装置で顎を広げるための治療なのですが「顔が大きくなってしまうのでは?」と不安に思う方も少なくありません。でも、実際には歯が並んでいるアーチの整えを図っていくものなんですよ。歯並びが悪い場合、狭いV字歯列になっていて、舌は下に落ち唇は開いたままで口呼吸になりがちです。これを床矯正で広いU字歯列へと導き、正しい歯並びのための土台を作りを図ります。さらに舌は裏顎につけて唇は閉じるといった正しい習慣が身につくようにしていきます。実は、床矯正は大人からでもできますが強い痛みが生じやすいんです。一方、小学校低学年ならば成長過程に行うことで痛みを感じにくいので、その間に行うのをお勧めします。
自由診療費用の目安
自由診療とは床矯正/18万7000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/38万5000円~、ワイヤー矯正/17万6000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。