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吉田 孝史 院長の独自取材記事

よしだファミリー歯科

(新潟市江南区)

最終更新日:2022/05/17

吉田孝史院長 よしだファミリー歯科 main

新潟市女池インターから車で10分の「よしだファミリー歯科」。前身は約40年前に開業した「吉田歯科医院」で、現在は先代の息子である吉田孝史先生が院長を務める。コミュニケーションを大切にしながら、患者一人ひとりに寄り添うことをモットーとする吉田院長は、北海道大学工学部を卒業し、佐渡を拠点に活躍する和太鼓の演奏グループに所属。その後、歯科医師をめざし新潟大学歯学部に入学したという異色の経験を持つ歯科医師だ。歯学部卒業後は、山形大学医学部や日本海総合病院の歯科口腔外科で難症例の治療に数多く携わるなど研鑽を積んだ。彩り豊かな人生経験が魅力的な人柄の土台となっている吉田院長に、ユニークな経歴や診療に対する思いをたっぷりと語ってもらった。

(取材日2022年3月10日)

人と関わり、人の役に立つ仕事に憧れ、歯科医師の道へ

この地域で長く診療されているクリニックが前身だとお聞きしました。

吉田孝史院長 よしだファミリー歯科1

1978年に父が「吉田歯科医院」を開業して以来、40年以上この場所で診療を続けています。私が継承したのは2013年で、そのタイミングに合わせて「よしだファミリー歯科」と改称し、建物もリニューアルしました。父が開業した当時と比べて社会の高齢化が進んでいたので、院内をバリアフリーにすることにはこだわりました。古い建物を引き継いでそのまま診療を続けるよりも、最近の患者さんのニーズを取り入れた歯科医院にしたほうが喜んでいただけると思ったのです。私はこの地で生まれ、この地で育ちましたが、今は中央インターができて大きな道路も整備され、ずいぶん利便性の良い場所になったと思います。最近は新しい住宅地ができ若い世帯も増えていますし、幼稚園や小学校も身近にあるのでお子さんも多いんです。クリニック名の「ファミリー」には、子どもからお年寄りまで幅広い世代に通っていただきたいという思いが込められています。

先生が歯科医師をめざしたのも、お父さまの影響でしょうか。

子どもの頃は診療所の隣に住んでいましたが、実際に父が治療をしている姿を見ることはほとんどありませんでした。私は長男ですが、父から後を継ぐように言われたこともなかったので、歯科医師は将来なりたい職業の選択肢になかったですね。では、何になりたかったかというと、物作りの仕事に携わりたいと思っていました。おもちゃ会社や自動車関係など、機械や造形系に憧れていたんです。とはいえ、具体的にどんな道に進めば良いのかということもわからなかったので、大学に通う中で何かやりたいことを見つけることができたらいいなと考えていました。それで北海道大学工学部の機械工学科に進学したのです。

そこから最終的に歯科医師をめざそうと思ったのはなぜですか?

吉田孝史院長 よしだファミリー歯科2

北海道大学で日本の民俗芸能のサークルに入ったのですが、そこで太鼓や体を使った踊りの楽しさに夢中になりました。その時の先輩の一人が、佐渡を拠点に活動する和太鼓のグループの一員として舞台に立っていて、それを見てとても感動したんです。これは自分も挑戦してみたいと思い、卒業後にオーディションを受けてみたところ合格したんです。その後、研修生として鼓童の活動に加わったのですが、その時に本当にいろいろな体験をさせていていただきました。自分が苦手だと思い込んでいたことが実際にやってみるとそうでもなかったということもたくさん経験しましたし、何よりも人と関わることの楽しさを知ることができました。その中で、将来は人と関わる仕事をしたいと思うようになったんです。せっかくなら、人の役に立つ医療系がいいなと思い、父と同じ歯科医師の道に進むことを決め、新潟大学歯学部に入りました。

患者とチームになって治療に取り組んでいく

患者層についてはいかがですか?

吉田孝史院長 よしだファミリー歯科3

幅広い世代の患者さんが通っていますが、比率としては高齢者が多いと思います。主訴としては虫歯や歯周病、高齢者の患者さんでは入れ歯などの治療などです。当院では歯科・小児歯科・歯科口腔外科を標榜しているのですが、診療のウエートが大きいのは一般歯科診療ですね。虫歯の治療や根管治療、詰め物などの治療が8割ほどだと思います。

先生のご専門は口腔外科だそうですね。

歯科医師をめざした時から、いずれは開業をしたいと考えていたので、まずは全身管理や医学的な知識を身につけたいと思い口腔外科を専門にしました。ですが実際のところ、現在は口腔外科の割合は少ないと思います。クリニックによっては手術をたくさん行っているところもあると思うのですが、私は何がなんでも自分のクリニックで頑張るというよりは、専門性の高い治療が可能な大きな病院に紹介するのが良いと考えています。ですから私の役割としては、患者さんが安心して手術を受けられるように、適切なタイミングで大きな病院を紹介する窓口になることだと思っています。

先生が特に力を入れている治療は何ですか?

吉田孝史院長 よしだファミリー歯科4

特に力を入れている治療は予防歯科ですね。残念ながら現状は痛くなってから来院する患者さんが圧倒的に多いのですが、本来は予防によって良い状態を維持していくのが理想的です。そのためには、患者さんの口腔衛生に対する意識を高めることが大切で、正しい歯の磨き方はもちろん、メンテナンスの大切さを丁寧にお伝えしています。また、当院では治療がひと段落した患者さんについては、歯科衛生士が同じ患者を受け持つ担当制でメンテナンスを行っています。継続して見ていくことで患者さんのちょっとした変化にも気づきやすいですし、蓄えている過去の記録の中から早期発見など治療に役立てていくことができるからです。とはいえ、私たちがどれだけ頑張っても、患者さんの頑張りなしでは良い状態を維持することはできないので、歯科医師、歯科衛生士、そして患者さんがチームとなって一緒に頑張っていくことができたらと思います。

先手を打つ歯科治療で患者の歯の健康を守っていく

診療の際に心がけていることはありますか?

吉田孝史院長 よしだファミリー歯科5

再治療を少なくするということだと思います。歯というのは治療を繰り返すとどんどんダメージを受けてしまうので、必要最小限の侵襲で治療をすることが大切なのです。ミニマルインターベンションと言って、本当に悪くなった所だけを削除して修復するという考え方が、今の歯科医師の主流になっていると思います。また、患者さんの多くは、今問題がなければ、今噛むことができていれば、将来も問題がないと考えがちです。例えば、虫歯で奥歯を失ってしまった場合、私たち歯科医師は入れ歯を入れるのが良いと考えるのですが、患者さんの中には「今はほかの歯で噛めているから大丈夫」とおっしゃる方も少なくありません。そのような方が将来的に歯を失って、「こんなことになるなら、あの時治療しておけば良かった」と後悔しないためにも、将来的なリスクについてもきちんと説明することが私の役割だと思っています。歯科治療は先手を打つことが大切なのです。

歯科医師としてどのような時にやりがいを感じますか?

お口の中の問題や不具合を解決するために、一つ一つ段階を踏んで健康な口腔環境をめざしていくという、歯科治療のプロセスそのものに、大きなやりがいを感じています。自分の中で、100点満点というくらい満足いく治療ができた時には「よし!」と思わずガッツポーズをしたくなりますね(笑)。そして、経験を重ねていくことで、上達していることを自分でも実感することができるのもこの仕事の面白いところです。患者さんに「ありがとう」と言われるともちろんうれしいですけど、たとえその言葉がなかったとしても、十分にやりがいのある仕事だと思います。

最後に、今後の展望について教えていただけますか?

吉田孝史院長 よしだファミリー歯科6

患者さんの予防意識を高めることができる歯科医院にしていきたいと思っています。そのためにはまず、患者さんに継続して通ってもらえる「かかりつけ歯科医院」であることが大切です。また、良い治療を提供していくためには、私自身だけでなくスタッフみんなが働きやすい場所でなくてはいけません。特に女性は出産や子育てなどライフステージの影響を大きく受けてしまいますが、スタッフ一人ひとりに合わせて柔軟な働き方ができるようにしていきたいと思います。その上で、歯科医師と歯科衛生士が力を合わせて、患者さんに寄り添いながら治療のモチベーションを高めていく、そんな診療が提供できたらいいですね。

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