安全面に配慮した体制を整える
ガイドを用いたインプラント治療
いくま歯科医院
(京都市伏見区/伏見桃山駅)
最終更新日:2023/06/30
- 自由診療
「インプラント治療」は以前に比べて知られるようになったものの、手術が必要な治療だからと怖さを感じる人は少なくない。歯を失ったらインプラントにすれば大丈夫、といった一面だけを取り上げた考えも根強く残っている。しかし、歯科治療の技術の進歩は早く、新しい技術を活用して精度にこだわった施術を行えるようになっていることから、「インプラント治療をむやみに恐れる必要はない」と「いくま歯科医院」の伊熊直記院長は話す。ただし「長く持たせるには患者さんの頑張りが欠かせない治療でもある」とも先生は言う。新しいデジタル技術を活用したインプラント治療にはどのような特徴があるのか。治療を受ける人が知っておくべきことは何か。新しい技術を積極的に取り入れるなど、負担の少ないインプラント治療に取り組む伊熊先生に話を聞いた。
(取材日2021年11月15日/情報更新日2023年6月26日)
目次
ガイドシステムを活用することで、安全性に配慮しながらインプラント治療を行っていく
- Q歯を失った場合の治療法を教えてください。
-
A
主な選択肢は入れ歯、ブリッジ、インプラントです。入れ歯は費用を抑えて比較的手軽に作ることができますが、自然な噛み心地を得ることが難しく、他の歯や歯茎の状態が悪化しやすいのが難点です。またブリッジは、治療する歯の両隣、場合によってはそれ以上の健康な歯を削らなければならないことがデメリットです。保険で治療すれば費用は抑えられますが、見た目を重視してセラミックなど保険適用でない素材を使うとやはり高価になります。一方インプラントは他の歯を削る必要がなく、周りの歯に負担をかける心配がありません。自然の歯に近い噛み心地もメリットです。ただし費用がかかり、手術が必要な点はデメリットですね。
- Qインプラント治療にデジタル技術を活用するメリットは?
-
A
患者さんと事前に結果を共有できることが最大のメリットだと思います。シミュレーションを行うことで、歯を失ったところに、どのような歯がどういう状態で入るのかを3D画像で確認でき、インプラントを入れてから「考えていた結果とは違う」といったトラブルを未然に防いでいきます。また、設計が精密に行えるのもデジタルの強みですね。当院では大抵の場合、歯の模型を作製してから、模型をスキャンしてデータ化し、インプラントを正確に埋め込むためのマウスピース型のガイドを作製します。インプラントを埋め込む際には、このガイドを口腔内に装着して、ガイドが定める位置に、計画どおりの角度、深さでインプラントを埋め込んでいきます。
- Qガイドは安全性の面でもメリットがあるそうですね。
-
A
ガイドの使用により治療の精度が大きく向上し、手術の負担を大幅に軽減できます。従来の方法では、歯茎を切開して骨の状態を見ながらインプラントを入れます。一方、ガイドを使用するとピンポイントで入れられるので、歯茎の切開が不要で、出血や腫れも抑えられるのです。傷痕は歯を1本抜歯した時とほぼ同程度か小さいくらいです。また治療の安全性を高めるためには、その患者さんは手術が可能な状態なのか、インプラント治療が適しているのかしっかり見極めることが欠かせません。全身疾患があると手術ができないこともあり、インプラントは虫歯にはならないものの歯周病にはなるので、きちんとメンテナンスを行えない人にはお勧めできません。
- Qセカンドオピニオンも対応しているそうですね。
-
A
「インプラントはできないと言われた」「治療の計画に納得できない」といった方がセカンドオピニオンを求めて来院されます。しかし、ガイドを用いるなど負担をできる限り少なくするための工夫をすれば、本当に治療できないというケースはほとんどありません。従来の方法では、高度な技術が要求される難易度の高いケースでも、ガイドを使用することでより精密で負担の少ない治療が可能になるからです。インプラントを埋め込むための骨が不足している場合は、骨を増やすための処置も行います。ただし、骨造成をするためには顎を切開する必要があるので、短めのインプラントを使うなど、できるだけ骨造成を伴わない治療法を検討します。
- Q実際のインプラント治療の流れを教えてください。
-
A
当院では、まずカウンセリングでお口の中の状態、生活習慣病の有無など全身の健康状態、インプラントの定着率を低下させる恐れがある喫煙をはじめとする生活習慣をチェックします。治療は、虫歯や歯周病の治療、抜歯が必要な場合はその処置など、インプラント治療を始める前に済ませておくべき内容から始めます。こうした治療が必要ない場合は、2〜3回の来院で治療計画を作成し、リスクも含めて患者さんに説明し、同意の上で手術を行います。インプラントが入るまでの期間は、他の治療を行わない場合で3〜4ヵ月程度です。治療を受けられる場合は、インプラントの特性やメンテナンスの重要性などをしっかりと理解することが大切です。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1歯33万円~、骨造成/1本5万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。