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豊嶋 健史 院長の独自取材記事

豊嶋歯科医院

(高松市/高松駅)

最終更新日:2021/10/12

豊嶋健史院長 豊嶋歯科医院 main

高松駅から徒歩7分の「豊嶋歯科医院」。一般歯科はもちろん、専門性の高い口腔外科疾患やインプラント治療にも対応するクリニックだ。同院の3代目院長である豊嶋健史先生は、日本口腔外科学会口腔外科専門医であり、ドイツ留学を経てインプラント治療を専門的に学んだエキスパート。「奇をてらわず、医学的根拠に基づいた治療を着実に行うこと」をモットーとしており、患者の生活背景まで考慮しその人に合わせた治療を提供しているという。今後の歯科医療の在り方について、真剣な表情で語る豊嶋先生。その姿勢からは、真摯に患者と向き合う様子が伝わってきた。

(取材日2021年6月26日)

専門的な口腔外科・インプラント治療を身近な場所で

クリニックの概要について教えてください。

豊嶋健史院長 豊嶋歯科医院1

当院が開業したのは1945年。祖父から父、私へと3代にわたって診療を続けてきました。虫歯や歯周病に対する一般歯科に加えて、口腔外科の専門的な治療を提供しているのが特徴です。親知らずの抜歯、のう胞の摘出やインプラント治療など、さまざまな治療に対応しています。一般的な歯科診療を行う地域のクリニックと、市中病院の中間的な立場にあるのが当院の役割と意識しています。大きい病院に通院するのが難しい方、近隣のクリニックから紹介された患者さんなどにご来院いただいています。歴史の長いクリニックですから、患者さんはビジネスマンから近隣に住む高齢者、最近はそのお子さんや孫世代の患者さんもよく来られるようになりました。院内で治療を完結させていくため、歯科用CTなど検査機器も一通りそろえています。

先生はなぜ、口腔外科を専門に?

口腔外科というと患部を切り取るというイメージが強いかもしれませんが、私が興味を持ったのは「再建」です。咬合再建と言いますが、舌がんを切り取った患者さんにおなかの肉を移植したり、顎の骨のがんを切除した後に腰の骨を移植して、再び食事したり、見た目もできる限り元の形に近づけていくよう治療を行います。その延長でインプラントにも興味を持ち、ドイツに留学して知識を習得しました。歯が1本抜けた後にインプラントを入れるのも「再建」の一種です。インプラントを入れることで、再び歯が生えたかのように、噛めるようにしていきます。噛めることで患者さんの“生活の質”を高められるのがこの仕事の魅力です。

診療モットーは何ですか?

豊嶋健史院長 豊嶋歯科医院2

患者さんが訴えている症状、つまり「主訴」をなるべく早く治すことを大切にしています。歯をできる限り残すことを念頭に、患者さんの希望を踏まえて診療しています。治療の後も定期的な診療を行うことで生涯、口から食べるお手伝いをします。重要なのはEBM、すなわち「医学的根拠」に基づいた治療を着実に実践することです。話題の治療法や奇をてらった技術に飛びつくのではなく、学術的な裏づけのある治療を行うほうがトラブルは少ないと考えます。例えば下顎の歯が全部ない患者さんにインプラント治療で入れ歯を使う場合には、インプラントを2本入れてそれを軸に入れ歯を支えていく方法を取るのが一般的です。もちろん顎の骨の状態にもよりますが、無理にインプラントを増やそうとすると患者さんの体の負担も増え費用もかかります。治療を受ける患者さんも私もお互いできるだけ無理しない着実な方法を用いるのが私の考えです。

重視すべきは奥歯で噛む機能

治療の際に重視していることは何でしょう?

豊嶋健史院長 豊嶋歯科医院3

見た目の美しさはもちろん、左右の奥歯でよく噛めるようにすることを大事にしています。口の中で特に重要なのは、奥歯で噛む機能なんです。前歯だけでは力が十分に入らないため、麺類などやわらかいものばかり食べたり、飲み物でカロリーを補ったりするので、糖尿病のリスクが高まるなど全身の健康にも影響が出ることがあります。奥歯でしっかりと噛める状態に持っていけば、食べられる物のバリエーションが増えて栄養の偏りもなくなります。何でも噛んで食べられるほうが全身に関する医療費が低い、つまり健康であることが知られています。また最近ではよく噛むことが認知症の予防につながることもわかりました。なので全身の健康管理にも目を向けて診療を提供するよう心がけています。私は口腔外科の出身で入院患者さんの全身管理をしていた経験もあり、健康面の変化を感じるのは得意なんです。

患者さんと接する上で、他にも気をつけていることは?

NBM、つまり「物語と対話による医療」と言いますが、患者さんが語る言葉に耳を傾けて治療していくことが、特に開業医には求められていると考えます。例えば歯の神経を抜く場合でも、その日に治療したい人、後日に心算をして来たい人など、患者さんの思いはさまざまです。その患者さんの背景や思いをくんでアプローチの仕方を変えることが大事だと思っています。当院ではまず問診票にご希望を書いていただくようにしていますし、そこに書き切れないこまやかな気持ちは診療の回数を重ねる中で把握していけるように注力しています。歯科医師に直接言いづらいこともあるかと思いますので、スタッフにも積極的に話しかけてお気持ちを伺うように頼んでいます。

後進の育成にも力を注いでいると伺いました。

豊嶋健史院長 豊嶋歯科医院4

大学で教員をしていた頃、大学のインプラント研究会のインストラクターを務め、勉強会などで講演する機会も多かったんです。初学者や研修医を対象に教える中で、初めに受ける教育の大切さに気づいたんです。歯科医師も価値観は人によって異なりますが、初学者がまず習得すべきは安心安全、基本に忠実な治療だと考えています。特にインプラントに関しては、一部にトラブル例が報告されていることからネガティブな印象を持つ人もいますので、正しい技術を普及させていかなければと思うのです。トラブルの多くは悪い条件下での治療が原因で発生しているようです。インプラントは約40年の歴史ある治療法なので、その間に培われたエビデンスに基づき、背伸びせず、地に足のついた治療ができる歯科医師を増やしていきたいと願っています。今はその想いを持って勉強会などで講演し、初学者に対してここ高松でも勉強会を開いています。

ドイツ留学で学んだ効率性と有言実行の大切さ

ドイツへの留学ではどんなことを学びましたか?

豊嶋健史院長 豊嶋歯科医院5

治療技術はもとより、価値観や仕事に対する姿勢も大いに学ぶところがありました。例えばドイツでは、自分の思っていることを口に出さないのは、考えていないのと同じだとみなされます。職場でも近所付き合いでも、求められたことに対して自分の言葉でリアクションすることが大切なんです。また、分業の徹底にも驚かされました。私が一つ目に留学した大学病院では写真室があり、プロのカメラマンが3人いて患者さんの治療前後の顔や口の中を撮影していました。ドクターが治療だけに集中できるシステムを目の当たりにして、すごく効率的だと思いました。そして何より、仕事に対する責任感にも感銘を受けました。彼らは約束したことは必ず守ってくれて、遅くても着実に仕事を全うしてくれます。そのじっくりと丁寧な仕事ぶりはまるで器に漆を塗る職人のようでした。そんな異文化に触れたことも、今の仕事感につながっています。

ご自身の口腔ケア法と休日の過ごし方を教えてください。

口腔ケアで気をつけているのは、とにかく歯垢や歯石を残さないことです。歯垢は毎日取り除いでいかなければ歯石になって歯に残ってしまいます。ですから朝は歯磨きだけでも、夜はフロスを使って念入りにきれいにするなど、1日1回はしっかりとクリーニングしています。フッ素入りの歯磨き粉を毎日使うのもお勧めです。休日は妻と子ども2人とキャンプに行くのが楽しみです。もともと体を動かすのが好きで、大学時代はオールデンタルという歯学部の野球の全国大会で3回優勝、2回準優勝した経験があるんですよ。自宅では靴磨き、掃除、アイロンをするのが大好きです。仕事では行き詰まることがあっても、その3つはやれば確実にそれなりの結果が出るのでいい気分転換になるんです(笑)。

今後の展望についてお聞かせください。

豊嶋健史院長 豊嶋歯科医院6

開業医になって7年目。今までは得意な治療を中心にやってきましたが、これからの歯科は予防が大切なので、悪くなる前のメンテナンスにも力を入れていきたいですね。口腔外科の分野に関しては、香川では高度な治療を受けられる病院が限られてますから、病院の負担を軽減するためにも当院や連携しているクリニックが受け皿になっていければと考えています。将来的には入院できる設備もつくって、より広いニーズに応えていければいいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療(1本あたり)/421,300円〜税込
セラミッククラウン(1本)/73,700円〜税込
金属床による入れ歯(1つ)/242,000円〜税込
セラミックインレー(1本)/52,800円〜税込
ホワイトニング(片顎)/25,300円〜税込
など

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