全国のドクター9,312人の想いを取材
クリニック・病院 158,508件の情報を掲載(2024年5月23日現在)

  1. TOP
  2. 福岡県
  3. 中間市
  4. 筑豊中間駅
  5. 医療法人 桑原産婦人科医院
  6. 桑原 正裕 院長

桑原 正裕 院長の独自取材記事

桑原産婦人科医院

(中間市/筑豊中間駅)

最終更新日:2023/10/26

桑原正裕院長 桑原産婦人科医院 main

県道61号小倉中間線沿い、中間市役所近くにある「桑原産婦人科医院」。「患者さんの目線で診療を行うこと」と「誠実で礼節のある対応」を大切に、中間市を中心としたエリアの産婦人科医療を担っている。「地域の皆さまに必要とされるクリニックであり続けたいです」と力強く語るのは、2021年より2代目院長を務める桑原正裕先生。腹腔鏡手術や細径硬性子宮鏡による検査などの経験が豊富なベテランドクターだ。出産においては4Dエコーや無痛分娩など、患者のニーズに合わせた対応を続けている。真摯な姿勢と時折見せる優しい笑顔が印象的な桑原院長に、これまでの経歴や地域への思いなどを聞いた。

(取材日2023年9月20日)

中間市の出産を長く見守ってきた地域の産婦人科

学生時代や勤務医時代のエピソードを教えてください。

桑原正裕院長 桑原産婦人科医院1

福岡大学医学部へ入学し、一人暮らしをするために引越しした時の話になるのですが、引越し業者の方に「医学部生なんだね。名医ではなく、良医になってください」と言われました。この言葉を聞いたことで、患者さん目線からすると、本当に望まれる医師は「良医」なのだと気づけたのです。技術や知識の一辺倒ではなく、患者さんの目線になって物事を考えられる医師になれているか、今も心がけながら診療にあたっています。福岡大学を卒業した後は、九州病院や九州大学病院、北九州市立医療センター、福岡市立こども病院、別府医療センター、浜の町病院にお世話になりました。勤務医時代は腹腔鏡や細径硬性子宮鏡を用いた手術、子宮摘出手術など、専門的な技能を多く身につけさせていただきましたね。そして2021年に父から当院を継承し、2代目院長に就任したのです。

お父さまの代からある歴史あるクリニックを継がれているんですね。

ええ。当院は、父である桑原吉高理事長が1985年に開院した産婦人科のクリニックです。最近は「こちらのクリニックで生まれたと親から聞いたので、自分が妊娠したらここに来たいと思っていました」という妊婦さんもいらっしゃいます。父が積み上げてきた信頼と歴史を大切にしながら、今後も地域に愛され続ける桑原産婦人科でありたいと思っています。

診療時に心がけていることはありますか。

桑原正裕院長 桑原産婦人科医院2

先ほどお話しした「良医」の話とつながるのですが、医師と患者である前に、人と人の関係を大切にしています。つまり、しっかりと相手に寄り添った対応や、マナー・礼節を大切にした診療を心がけているのです。これについては自分だけでなく、スタッフにも常に話しています。また、福岡大学の同窓会長の先生がよく「フィデス(信義・信頼)」という言葉について語られていました。「医師として、人として信頼できる診療を大切に」というメッセージが込められていおり、私もこの言葉を意識しながら働いています。自分が信じているものを常に心に留め、患者さんに対しても「自分が患者さんの立場なら、自分の家族が患者さんの立場なら、どうするか」という視点で、相手の立場に立って診療、お話をするようにしています。

経験を生かし腹腔鏡手術や無痛分娩に専門的に対応

勤務医時代から、腹腔鏡手術を専門にされていると伺いました。

桑原正裕院長 桑原産婦人科医院3

はい。腹腔鏡手術とは、おなかを大きく切るのではなく、へそや下腹部をわずかに切開し、そこからカメラや器具を挿入することで内部を確認するという手術法です。当院ではこの方法を用いて、子宮摘出などの大きな手術を実施しています。腹腔鏡手術は術後の傷が小さく済みやすかったり、早い復帰が望めたりするだけではなく、手術中に拡大視野で行えるのでより丁寧に手術を進めやすいというメリットが期待できます。ただ、直接患部に触れずカメラや器具を通して手術を行うので、より繊細な技術が求められるのです。私は勤務医時代からこれまで、数多くの症例を担当してきたので自信があります。その点はご安心いただけるでしょう。

4Dエコーや無痛分娩なども取り入れてるそうですね。

4Dエコーについては、父の代から導入していました。赤ちゃんを立体的に、リアルタイムの動画で見ることができる超音波検査が可能です。撮った動画は、ご家族とご自宅で、赤ちゃんの成長を見守ってほしいという思いから、検診の際にプレゼントしています。無痛分娩については、昔からこの地域で無痛分娩をご希望される方が多い印象だったので導入を決めました。学習と臨床をしっかり行い、麻酔に関する知識を得て、院内の設備を整えたので、安心して無痛分娩を受けていただけるでしょう。多様な選択肢をご用意して、ご希望に合わせて出産をサポートさせていただきます。

無痛分娩を選択するメリットについて教えてください。

桑原正裕院長 桑原産婦人科医院4

出産の時に苦しみが少ないのが一番だと考えています。出産時に痛みがあることに価値を置く意見も理解できますが、私は患者さんから「痛みが少なく楽に出産ができて助かりました」と言っていただくことを一番重視しています。痛みがほとんどなければ出産に対しても前向きになれると思うのです。また、無痛分娩だと産後の回復が早い傾向があるのではないかと考えています。なぜなら、出産時に痛みを数時間我慢するというのは、かなりの体力と心の疲労が伴うのですが、無痛分娩ならそれらの軽減をめざせるからです。何時間も全力でダッシュをした後の状態が続くとイメージしていただくとわかりやすいでしょう。ただし、無痛分娩で見込める効果は個人差があるので、必ず希望通りの結果になるとは限らないことを知っていただきたいです。それでも多くの方にご要望をいただいていますので、今後も提供を続けたいと思っています。

産院選びの際に気をつけておいた方がいいことはありますか?

「遠くの親戚より近くの他人」という言葉があるように、病院も近い方がいいと私は思っています。 家から近いと何かあったときに安心で、健診などで通うときに負担が少なくなるなど、利点が多いんです。まずは人として信頼できることですが、できれば30分以内でかかれる産院をお勧めしています。もしそれで当院が対象外になったとしても、母子の安全を考えると、そうしてほしいと思っています。

地域に求められる産科・婦人科のクリニックをめざして

日頃のお悩みなどでも受診される患者さんはいらっしゃいますか。

桑原正裕院長 桑原産婦人科医院5

もちろん多くいらっしゃいます。生理痛や生理の量が多いとき、性行為後の不正出血が続くとき、おりものの色や臭いに違和感があるとき、腹痛があり内科や泌尿器科を受診したけれど解決しなかったときなど、婦人科に関する多様な理由でご来院いただきますね。子宮筋腫や子宮内膜症、月経前症候群いわゆるPMS、更年期障害など、手術が必要なものから投薬中心のものまで幅広い治療を提供しています。高齢の方や合併症のある方、リスクの高い方については、当院で検査を行った後、必要に応じて提携している総合病院にご案内しますのでご安心ください。

院内や患者さんへの支援でこだわりなどはありますか。

当院は出産を中心にご入院いただけるように12床確保しているのですが、すべて完全個室となります。そのうち3室は特別室をご用意。入院される方はもちろん、通院の患者さんも使えるインターネット環境も整えてあります。また、父の代より入院時の食事は力を入れており、より良い出産経験となるような産後食を提供させていただいているのです。これは祖母が「出産後、病院で食べることしか楽しみがなかった」と話していたのを参考にして取り入れたと聞いています。他にも、院内で産後ヨガ教室も開催しています。産後2ヵ月以降の体調が良い方を対象としており、純粋に楽しんでほしいという思いはもちろん、骨盤底筋群を鍛えて産後の子宮下垂感や尿漏れなどの不調緩和にもつながってほしい、ママ同士の横のつながりをつくるきっかけになったらうれしいという思いを込めています。

今後取り組んでいきたいことや展望について教えてください。

桑原正裕院長 桑原産婦人科医院6

これからもスタッフ一同、患者さんのお声を大切にしながら、常に少しでも改善しようという意識で取り組んでいこうと思います。ちなみに最近は、助産師でありアロマセラピストでもある私の妻からヒントをもらい、新しい取り組みを練っているところです。地域に、そして患者さんに支持されるクリニックを目標に頑張っていきます。また、患者さんにとって心地の良いクリニックとなるためには、スタッフにとっても心地の良いクリニックであることが重要だと考えています。ですから、スタッフにも少しずつ新しいことにチャレンジしてもらい、当院に勤務しながら確かなキャリアアップが図れるようサポートしていきたいですね。

Access