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志摩 隆之 院長の独自取材記事

志摩整形外科

(松山市/伊予和気駅)

最終更新日:2023/04/03

志摩隆之院長 志摩整形外科 main

「志摩整形外科」は、松山市の城北エリアで40年以上地元の人々の健康を見守り続けてきたクリニックだ。2021年4月に建物をリニューアルし、装いも新たになった。父の後を継ぎ、院長として就任した志摩隆之先生は、「当院では、手術を受けたくない、入院しない患者さんに対し、通院しながら受けられるさまざまな治療法を提案し、手厚いサポートを行っています」と語る。これまで県内外で20年以上医師としての研鑽を積んできた志摩院長が感じた「手術の限界」とは。その先で見つけた整形外科医としての、開業医としての在り方について詳しく話を聞いた。

(取材日2022年12月8日)

さまざまな医療現場での経験から感じた「手術の限界」

最初に、クリニックのこれまでの歩みを教えてください。

志摩隆之院長 志摩整形外科1

当院は私の父が1980年にこの地に開業しました。城北地区と呼ばれるこのエリアにはもともと整形外科が少なく、当院が開業したことで、地域の皆さんにとても喜ばれたそうです。以来これまで40年以上、大勢の地域の方々が治療や診療に通ってくださっています。私がそれまで勤務していた松山赤十字病院を辞め、当院で診療を開始したことをきっかけに、長年診療を続けてきたクリニックを完全に新しく建て直し、リニューアルしました。これまで当院に通ってくださっていた方にも、これから訪れてくださる方にも、より快適にご利用いただけるようなクリニックをめざしていきたいです。

志摩先生ご自身の医師としての歩みはどのようなものだったのでしょうか。

小さな頃から整形外科医として診療を行う父の姿を見て育ちましたので、自分の将来を考えた時、選択肢の一つに父と同じ整形外科医がありました。医師になることを決め、生まれ育った愛媛を離れ鳥取大学医学部に進学しました。大学を卒業した後は約15年、山陰地区で関連病院を回って勤務医として診療経験を積み、その後広島の安佐市民病院で1年半勤務してから愛媛に戻り、松山赤十字病院に着任したんです。そこで4年間ほど総合病院の整形外科診療に携わった後、父の後を継承するかたちでこのクリニックへと帰ってきました。

病院での勤務経験を経て、開業医になろうと思ったきっかけはあるんですか?

志摩隆之院長 志摩整形外科2

医師になると大学のほかに関連病院を回って経験を重ねていきます。整形外科は手術も行うので、薬による保存治療と手術治療の両面を学ばねばなりません。私が医師になった頃はすでに開業医が手術を行うことは少なくなっていましたから、手術も経験できる総合病院で働くことに面白みや醍醐味を感じていました。しかし年数を重ねると、予定どおり手術を行っても十分な改善が得られない患者さんもいること、手術は決して完全ではないことに悩むようになりました。手術だけで解決する患者さんばかりではなく、こまめな経過観察と状態に合わせた治療を続けることが必要な患者さんもいるのですが、総合病院の外来では頻繁に通院してもらうことは困難です。その点、開業医ならそこに対応することができます。勤務医時代にそういう限界を感じていたので、手術を受けた患者さんがより良い結果にたどり着けるように日々の治療で手助けをしたいと考えるようになりました。

開業医だからこそできるきめ細かなサポート体制

どのような症状で来院される方が多いですか?

志摩隆之院長 志摩整形外科3

整形外科は基本的に、首から下を扱います。領域は広く、脊椎および四肢の関節にわたり、骨・筋肉・神経に由来する症状を診ることになりますが、患者さんが来院するときの主な訴えは「痛み」です。これらに対して、まずは薬物療法、注射療法、物理療法などの保存治療を行います。理学療法士によるリハビリテーションを行うこともあります。薬物療法は鎮痛剤を中心に、その周辺領域の薬と組み合わせて、良好な効果が得られることが期待できる処方を考えます。注射はトリガーポイント注射、関節注射、ブロック注射などを行います。電気治療などの物理療法やリハビリテーションで改善が期待できる方もおられます。上肢や下肢のしびれ痛みで受診される方の中で、薬物療法の効果が乏しい方には、レントゲン透視下に神経根ブロック注射も行っています。これらの保存治療による改善が得られない方には、手術的治療を提案することになります。

日々の診療で心がけていること、診療スタンスを教えてください。

問診は大切で、患者さんの言葉に診療のヒントが隠されていることも少なくありません。当クリニックでは初診の患者さんはまず看護師が問診を行い、私の診察でそれをさらに掘り下げることもしばしばです。再診で来られる患者さんの言葉からも、何が起こっているのかのヒントが得られることがあります。診察して検査を行いますが、説明するときは、私自身が聞いても納得できるような話し方を心がけています。たいていの患者さんは保存治療で落ち着きますが、どうしても痛みしびれが落ち着かず手術を考えるべき場合は、総合病院などに紹介します。このとき、手術適応であっても「手術はしたくない」と言って戻ってこられる患者さんや、手術を終えた後、まだ十分でないと言われる方がいることも考えられます。これらに対しても、クリニックであればこまめに治療を調整して行うことで改善をめざすことができると考えています。

クリニックのリニューアルには、そういった先生のお考えも大きく反映されているのでしょうか。

志摩隆之院長 志摩整形外科4

そうですね。待合室やトイレを広くし、過ごしやすい雰囲気づくりを心がけました。さらにリハビリの方にも利用していただきやすいように、リハビリテーション室には十分なスペースを確保しました。通院中の患者さんの中で経過を見ていくうちに手術が必要になることもありますから、そのタイミングを逸さないようできる限り早く正確な診断を出すために、クリニックとしてはまだ少ないMRIを新設し、圧迫感の少ないオープン型を採用しました。これにより、診断の精度と判断スピードを上げ、患者さんになるべく幅広い選択肢を提案し、治療方針を一緒に考えられたらと思います。手術を希望される患者さんを総合病院へ紹介した後、術後経過の診療やリハビリが必要な場合は、私たちのほうで引き続き手厚くサポートしていきます。

これまでの良さも残しつつ、新たな一歩を踏み出す

建物自体もそうなのですが、スタッフさんたちの和気あいあいとした雰囲気も非常に印象的です。

志摩隆之院長 志摩整形外科5

これはリニューアル以前からの特徴ですね。当院はスタッフがとても明るいんです。全般的に勤続年数の長い職員が多く、スタッフ間の風通しもとても良いので、スタッフ一丸となって、患者さんのかゆい所に手が届く対応を心がけ、今後も継続していきたいですね。実は今回のリニューアルで、職員の休憩室やスタッフルームをかなり広く作りました。スタッフのムードは想像以上に患者さんに伝わりますから、皆がより働きやすい環境をつくることが、ひいてはこのクリニックを利用してくださる患者さんのためになると考えたんです。父の代からそのような良い環境を維持してくれたことには感謝しかありません。リニューアル後もずっとこの明るい雰囲気を継続していきたいですよね。

先生のお休みの日の過ごし方についても、少しだけ教えてください。

最近の休日はゴルフをして過ごすことが多いです。整形外科の先生には、体育会系が多く、私も例に漏れず学生の頃はサッカーやテニスなどの運動部で活動をしていました。サッカーやテニスもまたやりたいんですが、なかなか体力が追いつかなくて……。なので最近は医療関係の知り合いや友人たちと、月に1、2回ほどラウンドするかたちでマイペースにゴルフを楽しんでいます。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

志摩隆之院長 志摩整形外科6

一番は体の痛みについてぜひ気軽に相談してください、というところでしょうか。先ほどもお話ししたとおり、当院では手術という選択をしない方に対しても、日常の通院治療で患者さんに寄り添うようにサポートするという姿勢を大事にしています。痛みや体のことについてじっくりと丁寧にお話を聞かせていただく中で、患者さんご自身にも自分のことをあらためて見つめ直したり、新たな気づきを得てもらえれば幸いです。それを通して痛みの緩和や、生活の質の改善という点に重きを置いて、一緒に治療を進めていけるクリニックをめざしていますので、気になることがあれば、まず気軽にご相談いただければと思います。

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