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佐々木 雅敏 院長の独自取材記事

佐々木整形外科

(松山市/鎌田駅)

最終更新日:2021/10/12

佐々木雅敏院長 佐々木整形外科 main

松山市の中心部から車で南に15分ほどの余戸南エリア。石手川と重信川の合流地点に発展した地域で、重信川にかかる「出合橋」の高架下では、毎年「出合のいもたき」が開催され、松山を代表する秋の風物詩の一つとなっている。通勤や通学の利便性も高く、近年はベッドタウン化が進むこの地域に、1993年開業の「佐々木整形外科」はある。院長の佐々木雅敏先生は日本整形外科学会整形外科専門医で、愛媛大学医学部や愛媛県立中央病院をはじめ複数の病院で研鑽を積んだベテランドクターだ。普段は物腰がやわらかく優しい雰囲気だが、1982年には愛媛大学山岳会のヒマラヤ・マンダI峰遠征に登山隊長として参加した異色の経験を持つ。生まれ育った地元での医療貢献をめざす佐々木院長に診療に対する思いを聞いた。

(取材日2020年2月13日)

生まれ育った地元で、医療を通じた地域貢献をめざす

まず、先生のご経歴と開業までの経緯についてお聞かせいただけますか?

佐々木雅敏院長 佐々木整形外科1

愛媛大学医学部を卒業後、1981年に同大学医学部整形外科に入局し、愛媛県立中央病院や市立宇和島病院の整形外科で勤務医をしていました。市立宇和島病院では救急に呼ばれることも多く、夜間の緊急手術などを多数経験しました。ちょうどその頃に開業を決意したのですが、同じタイミングで西条市立周桑病院が一般病院から総合病院になるということで、整形外科の医師として来てほしいと頼まれたのです。それで、西条市立周桑病院で勤務するために開業を1年ほど先延ばしにしました。この地で開業することを決めたのは、私がもともと生まれも育ちも松山市ということで、お世話になった地元に医療で地域貢献したいという思いがあったからです。

先生が医師を志したのはなぜですか?

子どもの頃に体が弱かったので、近所にあるかかりつけの内科にお世話になることが多かったのです。そこの先生がいつも本当に優しく診てくださっていて、自分もこんなふうになりたいなと思っていました。実際に医学部へ進もうと思ったのは、高校生になってからですね。もともと大工仕事のようなものが得意で、手先が器用だったこともあって整形外科をめざそうと思いました。大学時代には山岳部にも所属していて登山をしていたので、骨折をはじめとする手足のケガが身近だったというのも、整形外科を選んだきっかけの一つになっていると思います。

現在はどのような患者さんが受診されていますか?

佐々木雅敏院長 佐々木整形外科2

当院は整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科を標榜していますが、現在は整形外科とリハビリテーション科の患者さんがほとんどです。年齢層としては高齢者が中心で膝や腰の痛みに悩む方が多いですね。それ以外では、部活やスポーツでケガをした若い患者さんや、腰痛などの痛みを訴える30代、40代の患者さんもいます。リハビリテーションにも力を入れているので、大学病院などでの手術後に機能回復のために当院へ通院される方もいます。それから、近頃はパソコンやスマートフォンを長時間使うことで、首の痛みを訴える方も増えている印象です。当院では指の骨折など局所麻酔でできる手術については対応していますが、それ以外の大きな手術は大学病院をはじめ信頼できる病院をご紹介しています。

運動療法の指導にも注力し、根本的な回復をめざす

先生が診療の際に大切にされていることは何ですか?

佐々木雅敏院長 佐々木整形外科3

当たり前のことですが、「できる限り丁寧に診察をする」ということを常に心がけています。例えば、腰の痛みを訴えて来院された患者さんに、きちんと話を聞かないまま「すぐエックス線写真を撮りましょう」という対応ではいけないと思うのです。エックス線写真に写らなくても問題が隠れていることもあるので、問診をいい加減に済ませてしまうと問題を見逃してしまいます。腰が痛いと言って来院された場合でも、実はもっと上の部分に問題が隠れていることもありますし、高齢の方は知らないうちに骨折をしているケースもあります。肩の痛みを訴えているけれど、実際には首が悪くて肩に痛みが生じていることもありますから、痛いという部分だけに注目をするのではなく、一人ひとり丁寧にじっくりと所見を取ることが大切です。

運動療法にも力を入れていると聞きました。

患者さんの中には頻繁にリハビリテーションに通うことが難しい方もいますので、腰痛体操や肩凝り体操をはじめ、股関節や膝、肘の運動療法など、患者さんそれぞれの症状に合わせて、自宅で簡単にできるトレーニングを指導しています。普段から患者さんには、「痛み止めの薬や注射などに頼るのではなく、なるべく自分で治すことが大切」ということをお伝えしています。確かに、リハビリテーションに通うことも重要ですが、それだけでは良くはなりません。症状をきちんと改善するためにも、生活習慣など「ご自分でもこうした部分に気をつけてください」ということを具体的にアドバイスするように心がけています。

指導をする上での難しさを感じることはありますか?

佐々木雅敏院長 佐々木整形外科4

一人ひとりに応じたアドバイスや指導をするためには、普段の生活などについても詳しく話を伺う必要があるわけですが、患者さんによってはそういうことを嫌がる方がいるのも事実です。例えば、足が痛いという若い女性の方の中には、ハイヒールが原因で外反母趾になってしまっていることもあります。そのことを指摘しても、お仕事柄仕方なく履いていたり、ファッションとして好きで履いている方にとっては、否定されたくないと感じてしまう場合もあるわけです。「医療機関というのは痛みを取るために行くところ」と考えている患者さんもいますから、そういう方に日常の生活習慣の改善に対するアドバイスをお伝えする時には難しさを感じることもありますが、それは仕方のないことだと思っています。

頑張り過ぎず、自分に合った運動を取り入れる

開業から20年以上がたちますが、何か変化を感じることはありますか?

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超高齢社会に突入しているなということを日々感じています。開業した二十数年前は、70歳を越えている方はもうご高齢だなあと感じていて、80歳を越えたらいつ何があってもおかしくないという雰囲気がありました。でも現在では80歳を越えているような方でも皆さん本当にお元気です。平均寿命の年齢がどんどん高くなってくると同時に、健康寿命の大切さも取りざたされていますが、より元気に過ごされるためにご高齢でも手術をされる方もいますし、元気なお年寄りが増えているなと実感しています。

今後の展望についてもお聞かせいただけますか?

そうですね。今まで続けてきたことを変えることなく、ずっとこのまま続けていくことでしょうか。今までと同様に、一人ひとりの患者さんに対して丁寧な診察を行い、その方に合った適切な治療を提供していきたいと思っています。注射や薬だけに頼るのではなく、患者さんご自身が生活習慣を見直したり、自分でできるリハビリテーションなどを取り入れて治療していくことを、今後も指導し続けていきたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

佐々木雅敏院長 佐々木整形外科6

普段から健康のために運動をされている方も多いと思うのですが、ご高齢の方の中にはスポーツクラブなどに通われて運動をし過ぎたり、ウォーキングを頑張り過ぎたりして体に負担をかけてしまっている方も少なくありません。健康のために、と運動をしすぎて、関節を痛めてしまったり……。大切なことは「自分に合った適切な運動をする」ということ。軽い運動はプラスになりますが、頑張り過ぎてしまわないように注意していただきたいと思います。

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