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原田 健司 院長の独自取材記事

原田リハビリ整形外科

(広島市安佐南区/中筋駅)

最終更新日:2021/10/12

原田健司院長 原田リハビリ整形外科 main

市中心部から電車でおよそ20分。広島市のベッドタウン安佐南区で、1991年から診療を続ける「原田リハビリ整形外科」は、ケガやスポーツ外傷、腰痛・肩痛などの一般的な整形疾患から骨粗しょう症までカバーする、町のかかりつけクリニックだ。昨年2代目院長に就任し同院を切り盛りしているのは、涼しげな目元が印象的な原田健司先生。昭和大学大学院で研究に従事した後、総合病院で診療経験を積み、2019年地元広島に帰ってきた。診療ではエコー下の神経ブロック療法を得意とし、若いスタッフたちとともに、リハビリテーションに励む患者たちを明るくサポートしている。これまでの道のりや診療スタンス、プライベートでの意外な趣味まで、たっぷり語ってもらった。

(取材日2021年4月10日)

エコー下での神経ブロック療法で疼痛治療に注力

まず、先生が医師をめざしたきっかけからお聞かせください。

原田健司院長 原田リハビリ整形外科1

家族に医師が多かったんです。父が整形外科医、父方祖父は外科医、母方祖父は皮膚科医でした。親戚にも医師が多く、自然な流れで小さい頃から「僕も医者になるんだ」と思っていましたね。今でも覚えているのは、外科医だった祖父が話していた「胆石」の話です。小学校低学年くらいだったと思いますが「体の中に石ができる病気」というのが子ども心にとても不思議で、今思えば、あれが人間の体というものに興味を持った最初の出来事だったかもしれません。大学は北里大学に進み、広島市立安佐市民病院での研修を経て、昭和大学大学院第一病理学教室へ。ここでは大腿骨頭壊死という疾患を研究し、博士号を取りました。なぜ数ある診療科の中から整形外科を選んだかというと、もともと外科に興味があったからです。医師といえば手術をしたり、外傷の治療をしたりするイメージが強くあって、自分の力で治すことに何か特別なかっこ良さを感じていましたね。

こちらで診療を開始したのはいつですか?

原田健司院長 原田リハビリ整形外科2

東京の総合病院で診療経験を積み、2019年に広島に帰ってきてこのクリニックで診療を開始、昨年父から引き継ぎ院長となりました。ここは1991年の開設で、今でこそ周りは見渡す限り住宅地ですが、開設当時はまだ田んぼや畑があちこちに残るのどかな地域だったんですよ。広島市のベッドタウンとして開発が進み、住宅やマンションがあちこちに建ち始めてからはファミリー層が増え、今も人口は増え続けています。近くに小学校もあるので、ちょっとしたケガやスポーツ外傷などで来られるお子さんや若い世代の受診が増えつつありますが、やはり患者層の中心は長く住んでおられるご高齢の方たちです。農家を営まれていた方が多いこともあって、腰痛や肩痛、膝痛など慢性の関節痛でお悩みの方が目立ちます。

力を入れている診療は何でしょう。

超音波検査機器、エコーを使った治療ですね。ひと昔前までは整形外科といえばエックス線検査から診断・治療するのが主流でしたが、10年ほど前から診療にエコーを使うことが一般的になってきました。エックス線は骨しか映りませんが、神経や筋肉もしっかり観察できるのがエコーの特徴です。当院ではエコーを検査診断のためだけでなく、座骨神経痛や椎間関節性疼痛といった疼痛に対して行う神経ブロック療法でも活用しています。ブロック注射は、以前であれば体を触って「だいたいこのへんかな?」という感じで、医師の経験や勘を頼りに行っていましたが、今はエコーで映し出された画面をリアルタイムで確認しながら行うので、筋肉や神経など、ねらった箇所にピンポイントで打つことができます。精度の向上につながり、患者さんの負担軽減にも大いに役立っています。

リハビリスタッフと連携し、患者をきめ細かくサポート

明るく広々としたリハビリ室ですが、スタッフは何人いますか?

原田健司院長 原田リハビリ整形外科3

現在、理学療法士と作業療法士が3人、来月にはもう1人増えて4人になる予定です。そのほかにもリハビリの補助スタッフが6人在籍しています。リハビリを受ける患者さんは高齢の方が中心で、主訴で多いのは腰痛と肩痛と膝痛です。皆さん機能回復や痛みの緩和を目的に通われていますが、当院ではリハビリを指導する作業療法士と理学療法士を担当制にしており、指名も可能です。お一人で暮らしているお年寄りも多いですから、ここに来て気心の知れたスタッフとおしゃべりするのを楽しみに通ってくださっている方も少なくないようです。僕も診療が立て込んでいない日は、リハビリ室に顔を出し患者さんと話をします。診療室とはまた違っていろんな話ができますし、「先生、湿布出してよ」「先生、痛み止めがほしい」と声がかかれば、すぐお出ししています(笑)。

若くて元気なスタッフに先生も加わって、なんだか楽しそうな雰囲気ですね。

原田健司院長 原田リハビリ整形外科4

そうですね。リハビリ室が診療室のすぐそばだからできることかもしれません。この物理的距離の近さは、診療をする上でも役立っています。先ほどお話しした疼痛に対するエコー下での神経ブロック療法は、リハビリも一緒に行いながら症状の緩和を図ることが望ましいのですが、治療後リハビリ室への移動も患者さんの負担が少ないですし、僕とリハビリスタッフの距離も近いので、患者さんの診断結果やリハビリの様子を互いにフィードバックできます。そういった情報を共有し、治療やリハビリに役立てています。

院内からはきれいな中庭が見えますが、ここは患者さんも入れるのですか?

はい。時々ここで休憩されている患者さんもいらっしゃいますよ。この庭は当院の自慢の一つで、患者さんからの評判も良いんです。父の時代は和風庭園だったのですが、僕がここに来てから、洋風に趣をがらりと変え、芝生をはってガーデンチェアとテーブルを置きました。いずれ新型コロナが落ち着いたら、スタッフのみんなとここでバーベキューをするのが夢ですね。

地域の人々が集うクリニックをめざして

日々の診療で心がけていることは?

原田健司院長 原田リハビリ整形外科5

気をつけているのは言葉遣いです。なれなれしいのは目上の方に失礼ですし、かといってあまりかしこまって距離を感じさせるのも良くないと思うんです。患者さんはお子さんからご高齢の方まで、幅広い世代の方がいらっしゃいますから、患者さんお一人お一人の年齢や性格などを見ながら、ちょうど良い言葉遣い、ちょうど良いコミュニケーションのとり方を探るようにしています。医師もある意味サービス業ですから、コミュニケーションが仕事の中でも大きな比重を占めますし、患者さんと信頼関係がうまく築けなければ診療にも影響します。気持ち良く通ってもらい、治療が終わってもまたどこか調子が悪くなった時に「あの先生のところへ行こう」と選んでもらえる、そんなクリニックにしたいと思っています。

先生ご自身、何か健康のために行っていることはありますか?

原田健司院長 原田リハビリ整形外科6

現在、ボクシングジムとキックボクシングジム、パーソナルトレーニングのジム、3つのジムに通っています。キックボクシングを始めたのは大学時代です。ちょうど空手やキックボクシングなど打撃系の異種格闘技がはやっていた頃で、僕もすっかり夢中になり、プロのライセンスも取りました。プロの試合は出たことありませんが、来月アマチュアの試合があるのでそれに出る予定です。練習とはいえ、ケガもするし、今も肘が痛くて曲がりません。でも整形外科医なので「このケガなら1週間もすれば治るな」とだいたいの見当はつきます(笑)。鍛えているとかそういう意識はなく、ただただ楽しいから続けています。ケガや打撲で痛い思いをしても、スパーリングで汗をかくのは気持ちいいですし、キックボクシングは僕にとって大事な趣味ですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

現在、木曜の午後を訪問診療にあて、膝や腰の痛みで通院が困難な何人かの患者さんのお宅を回っていますが、地域医療に携わる医療機関としては、訪問診療とリハビリテーションには今後さらに力を入れていきたいです。訪問診療は内科の領域というイメージがありますし、実際、この地域でも整形外科で訪問診療に対応しているところは多くありません。ですが需要はあって、内科の先生の依頼を受けて神経ブロック注射をしに患者さんのお宅を訪問することも。この地域もさらに高齢化が進んでいくと思いますので、訪問診療やリハビリテーションなど、地域の方に必要とされる医療の提供に努めていきたいです。私たちがめざすのは、患者さんがまた来たくなるクリニック。体の不調や不安があれば気軽にご相談いただきたいです。自慢の中庭でどうぞくつろいでいってください。

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