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林 克実 院長の独自取材記事

林クリニック

(広島市中区/舟入川口町駅)

最終更新日:2022/03/03

林克実院長 林クリニック main

広電6号線・舟入川口町電停から徒歩3分。「林クリニック」は広島電鉄の通る幹線道路に面しており、近くにはスーパーをはじめとした商業施設がある。内科や外科のほか、消化器疾患や肛門疾患を扱い、日帰り手術や短期入院も可能な町のかかりつけクリニックだ。1970年に開業した同院を2006年に継承したのは林克実院長。物腰がやわらかで、なんでも相談できそうなドクターだ。祖父や父の代からの患者も来院しているという、地域に根差したかかりつけ医の役割を今後も存続させるべく、患者との信頼関係を大切にした診療を続けている林院長に、これまでの道のりや、同院の診療内容、地域医療への思いについて語ってもらった。

(取材日2021年11月25日)

1970年開業。クリニックの歴史と心構えも継承

医師をめざしたきっかけから教えてください。

林克実院長 林クリニック1

父が医師だったから、というのが大きな理由ですね。幼い頃から、医師とはどういうものか、医師として人と接するときはどうしたらいいのかなど、教えてもらうこともあれば、自然と父の背中を見て学ぶこともありました。祖父も医師をしていたので、父は祖父の診察について回って学んだそうです。大げさかもしれませんが、親子で医師としての思いや技術を伝承しているような気がします。当院があるこの場所も父が開業した場所ですからね。

先代から引き継いだ場所で開業されたんですね。

そうなんです。建物は改装しましたが、場所は父の代から変わっていません。私は福岡の久留米大学医学部大学院を修了して、しばらくは福岡で勤務していました。でも舟入は3歳から過ごしている土地ですから、結局戻ってきましたね。父と一緒に診察することもありましたが、2006年に父から引き継ぎ、2007年に院名を「林外科」から「林クリニック」に改称し、建物を改装して、内視鏡も新しいものに買い換えるなど、設備や機器も少しずつリニューアルしました。福岡から舟入に戻ってきてしばらくは、自分に何ができるかを模索していたのですが、その手始めに行ったのがクリニックのリニューアルでした。ただ、建物や設備は一新しても、地域に根差した診療を行うというスタイルは大切にしていて、父の代から通ってくださっていた患者さんも来院されています。

現在の診療内容やクリニックの特徴についてお聞きします。

林克実院長 林クリニック2

診療内容は、消化器内科・肛門外科・外科・内科のほか、訪問診療にも対応し、地域の皆さまのかかりつけ医・ホームドクターとして診療を行っています。肛門外科では、内痔核・外痔核をはじめとする肛門疾患の手術治療を数多く扱っています。病床登録もしていますので短期の入院も可能ですが、ほとんどは1日の日帰り手術で対応しています。消化器内科では、胃や大腸の内視鏡検査に力を入れ、外科ではケガややけどの治療に対し、当院では湿潤療法という方法で診療しています。湿潤療法というのは傷の環境を整えて治すための方法で、傷を乾燥させず生傷のまま治療していくやり方です。どの診療科でも、自分の体調や体で気になったことがあれば、気軽に来ていただきたいと思っています。

スムーズな治療や検査には患者との信頼関係が不可欠

診療をする際に大切にしていること、心がけていることはありますか?

林克実院長 林クリニック3

患者さんとの信頼関係です。それが一番大切だと思っています。当院は内視鏡検査も行っていますが、内視鏡検査は苦手だと感じている人は少なくないと思うんです。昔痛い思いや苦しい思いをしたから内視鏡検査を避けようとする患者さんもいらっしゃいます。だからこそ内視鏡検査には患者さんとの信頼関係が重要だと考えています。カメラを入れるタイミングであったり、患者さんがえづいた時の声かけだったり、一つ一つは小さなことですが、心がけていることですね。内視鏡検査はマイナスイメージが多い検査だけに、患者さんの不安を一つずつ取り除いていくことが不可欠です。まずは検査を受けてもらわないと、何も始まりませんから。

クリニックのホームページにある「地域の保健室」という言葉は、先生が理想とする地域医療の姿なのですね。

「保健室」というとわかりやすいですし、身近に感じてもらえると思ったので。学校には保健室が必ずあって、担任には言いづらいことも保健室の先生になら言えるという生徒は少なくないと思います。相談事がなくても、話す場所として保健室を訪れていた人もいるでしょう。そんな感覚で、患者さんには当院に来院してもらいたいんです。当院が掲げている診療科目にはすべて全力を注がせていただいていますから。もちろん、大規模な手術や入院といったことはできませんから、そこは地域のクリニックと連携して進めていきます。

クリニック同士の連携についてはどのようにお考えですか?

林克実院長 林クリニック4

当院でできないことや、苦手なことは、それを得意とするクリニックに任せることにしています。特に具体的なシステムを構築しているわけではありませんが、私個人としてそういう考えを持っています。患者さんを取った取られたという考えではなく、互いに知恵を出し合っていきたい。それが本当の意味で患者さんに対して責任を持つということではないでしょうか。患者さんを紹介されたらできることをすべてやりますし、逆に患者さんを他のクリニックに紹介したらそれで終わりではなく最後まで責任を持ちたいと考えています。連携は大切ですよ。すべてを診ることのできる医師はいませんから、互いに補っていかないといけません。現在は新型コロナウイルス流行の影響で難しくなりましたが、以前は地域の医師が集まって話すこともありました。電話やメールでは伝わらない、顔を合わせることで初めて伝わることもあるので、再びそういう機会が持てたらいいですね。

地域に根差したクリニックをめざして

訪問看護ステーションを立ち上げられたのですね。

林克実院長 林クリニック5

当院の2階に訪問看護ステーションを併設しました。笑顔と思いやりをモットーに取り組んでいます。先ほど父の代からの患者さんも来院すると話しましたが、そういった患者さんが、高齢になって通院できなくなってきたんです。私たちは地域に根差したクリニックをめざしているので、高齢化が進み、在宅療養となる方が増えるであろうこれからの時代は、訪問看護は必要だと思って立ち上げました。実際に運営を始めると、医療と福祉は同じであると感じるようになりましたね。医療と福祉が連携し、患者さんが良い最期を迎えられるように力を尽くしています。当院は幹線道路に面した立地でわかりやすい場所にあると思うので、クリニックと同様に、気軽にお立ち寄りいただけたらと思います。往診の時間も長めに取っていますよ。

お休みの日は何をされていますか?

バイクが好きで、ツーリングに行くこともあります。一番好きなのはオートバイで山道を走ることですね。キャンプも好きで、子どもがまだ小さい時はファミリーキャンプを楽しんでいました。今ではソロキャンプに行きます。大きなバイクにキャンプ道具を乗せて、キャンプ場まで走るんです。バイクもキャンプも楽しめて一石二鳥ですよ。あとは写真ですね。今ではスマートフォンでもきれいな写真が撮れますから、手軽に楽しめます。一眼レフカメラを使って撮るのも好きです。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

林克実院長 林クリニック6

何かあったときに、いつでも気軽に相談できるかかりつけ医を持つことは大切です。普段から通院していれば、例えば、肛門疾患などのお尻のトラブルで言いにくいような話でも、気後れせず気軽に相談できると思うんです。患者さんにはあまり負担をかけずに治療していきたいというのが当院の思いですから、治療方法で疑問や不安に感じたことも躊躇せず質問してください。祖父や父は昔ながらの医師という感じでしたが、私は話すことも好きなんです。医療用語は難しいですから、患者さんに納得してもらえるよう、できるだけ平易な言葉でかみ砕いて説明しています。不調を感じてずっと不安を抱えているのは苦しいと思うので、とにかくなんでも気軽に相談に来てほしいです。診察して何もなければそれでいいじゃないですか。まずは診察してみないと何もわかりませんからね。

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