全国のドクター9,343人の想いを取材
クリニック・病院 158,554件の情報を掲載(2024年6月15日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 西宮市
  4. 西宮駅
  5. 医療法人社団 星野耳鼻咽喉科医院
  6. 星野 哲朗 院長

星野 哲朗 院長の独自取材記事

星野耳鼻咽喉科医院

(西宮市/西宮駅)

最終更新日:2023/01/12

星野哲朗院長 星野耳鼻咽喉科医院 main

西宮駅の南側、クリニックモールの2階にある「星野耳鼻咽喉科医院」。睡眠時無呼吸症候群をはじめ睡眠障害の専門的な診療を行う耳鼻咽喉科だ。院内は絵画やアンティークのオルゴールが飾られた落ち着いた空間で、睡眠障害に関する検査機器が多数そろう。初代院長から2022年2月に同院を継承した星野哲朗院長は、さまざまな睡眠障害の診療と研究に取り組み、中でも睡眠時無呼吸症候群の多様性に応じた治療に注力してきた。「それぞれの患者さんの病態を適切に把握して根拠に基づいた治療を行うことで、質の良い睡眠をサポートしたい」と語る。取材では一般にはあまり知られていない睡眠時無呼吸症候群の病態や、同院で実施できる検査・診療について、詳しく話を聞いた。

(取材日2022年12月8日)

睡眠時無呼吸症候群を専門的に診療

最初に、貴院の診療内容をご紹介ください。

星野哲朗院長 星野耳鼻咽喉科医院1

耳や鼻、頸部の日常的な耳鼻咽喉科疾患とともに、睡眠時無呼吸症候群をはじめとするさまざまな睡眠障害に対して専門的な診療を行っています。睡眠障害には睡眠時無呼吸症候群以外にもむずむず脚症候群、レム睡眠行動障害、過眠症などさまざまな疾患があります。私の母校には、さまざまな睡眠障害を専門に扱う診療科があり、そこで睡眠時無呼吸症候群の臨床や研究に従事してきました。当院では先代院長の時代から睡眠時無呼吸症候群の診療に力を入れてきた歴史もあり、今後はさらに特化していきたいと考えています。

安心して受診できる診療環境づくりに努めているそうですね。

耳鼻咽喉科では感染症の診療は必須ですし、普段から鼻や喉の診察では飛沫が発生しがちです。そのため院内は感染症とその他の疾患で動線を分け、強力な院内換気システムや無人の問診システムを設置。さらに患者さんと医療者が対面する診察室や処置室には局所換気が可能なクリーンパーティションや空気清浄機を配置して、安心して受診できる診療環境をめざしています。検査に関しては睡眠障害の精緻な診断に欠かせない終夜睡眠ポリグラフ検査を実施しており、4床の入院検査施設を備えている点が特徴です。鼻や喉の精密な評価に欠かせないCT検査装置やアレルギー性鼻炎のレーザー治療器なども導入して、睡眠時無呼吸症候群の多彩な症状や患者ニーズに対応しています。

睡眠時無呼吸症候群を耳鼻咽喉科で診てもらうメリットは何でしょうか?

星野哲朗院長 星野耳鼻咽喉科医院2

現在、睡眠時無呼吸症候群は基礎疾患や付随する症状に応じてさまざまな診療科で治療が行われています。当院でも状況に応じてさまざまな診療科の先生方と連携しながら検査や治療を進めています。また、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、鼻から喉にかけての上気道に何らかのトラブルがある可能性があります。従って、耳鼻咽喉科で上気道の評価を早い段階で行っておくことは、治療を進めていく上でメリットがあると考えています。他にも鼻呼吸が安定しないために、CPAP療法やマウスピースがうまく継続できない場合には、鼻の治療をまずご提案しています。

詳細な検査で病気の「多様性」に応じた治療を実践

睡眠時無呼吸症候群の問診から治療にかけての流れを教えてください。

星野哲朗院長 星野耳鼻咽喉科医院3

問診で症状やこれまでの経過をお聞きし、鼻や顎、上気道に構造上の問題がないか視診、触診、またCTを用いた画像診断で評価していきます。そして、睡眠中の状態を調べるために、ご自宅で行う簡易検査や、当院へ1泊入院して行う終夜睡眠ポリグラフ検査を実施します。これらの検査でどのようなタイプの睡眠時無呼吸症候群か分析して、それぞれの患者さんに適した治療法を提案しています。対処法はさまざまでCPAP療法や上気道の外科的治療、マウスピースや横向きの睡眠姿勢をサポートする枕を用いたアプローチ、また肥満が原因であれば減量や胃を縮小する手術を検討することも。最近では、舌下神経に刺激を与えて無呼吸を防ぐための装置を植え込む手術も保険適応になりました。同時に睡眠衛生指導も重視しており、カフェイン摂取や入浴のタイミングなど、より良い睡眠に向けた生活習慣の改善にも注力しています。

睡眠時無呼吸症候群の検査方法についてお聞かせいただけますか?

星野哲朗院長 星野耳鼻咽喉科医院4

まず、ご自宅で装置を一晩装着して寝てもらう簡易検査で睡眠中のさまざまなデータを解析します。簡易検査で中等症以上の睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合や、睡眠時無呼吸症候群以外の睡眠障害の合併が疑われる場合には、終夜睡眠ポリグラフ検査を行います。終夜睡眠ポリグラフ検査は1泊入院が必要です。患者さんには午後7時に当院にお越しいただき、夜8時頃から脳波、心電図、筋電図、呼吸センサーなどを装着して就寝してもらいます。寝返りや、トイレに行くことはできますよ。8時間の計測が終われば、早くて朝5時頃には退院し、その日に出勤も可能ですので、仕事への影響が心配な方もご安心ください。別室では専門の臨床検査技師が終夜データを解析。睡眠時無呼吸症候群だけでなく周期性四肢運動障害やレム睡眠行動障害といった他の睡眠障害が見つかることもあります。患者さんの病態を把握し、適した治療法を選ぶためには重要な検査です。

睡眠の改善を図り、全身の健康へ

そもそも、なぜ健康のために睡眠が大切なのでしょうか?

星野哲朗院長 星野耳鼻咽喉科医院5

睡眠は、単なる活動停止の時間ではありません。人は寝ている間に「脳や体の休息」「記憶の固定」「疲労回復」「免疫機能の増加」「感情の整理」など、日中の活動に向けて必要な調整や回復を行っていると考えられています。つまり、睡眠不足や睡眠障害で睡眠の量や質が低下すると、これらの回復に影響が及びます。さらに、その状態が長く続くとさまざまな病気と関連してきます。ですので、人が健康的に活動するためにはしっかりと睡眠時間を確保することや、睡眠の質を高めることが大切です。

今後の展望をお聞かせください。 

当院には近畿圏一円から患者さんが来られ、睡眠障害に対する治療のニーズの高さを実感しています。また、睡眠時無呼吸症候群への注目度は高くお困りの患者さんも多いですが、睡眠時無呼吸症候群以外の睡眠障害を合併していることもまれではないので、包括的な睡眠医療を実践していきたいと考えています。多くの患者さんに専門性の高い治療を安心して継続していただくことが、当院の重要な役割。一人でも多くの方の睡眠をサポートしていきたいと思います。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

星野哲朗院長 星野耳鼻咽喉科医院6

睡眠時無呼吸症候群はいびきの問題だけでなく、高血圧、不整脈、冠動脈疾患、脳血管障害、糖尿病、認知症など全身のさまざまな疾患と相互に関連しています。また居眠り運転による事故を防ぐためにも早急に治療をしなければなりません。CPAPに関しては多くの機種を扱っているので患者さんの病態やライフスタイルに合わせた機械を選択します。マスクも豊富に種類をそろえているので、トラブルがあれば外来受診時にその場で対応します。睡眠時無呼吸症候群でお困りの方はお気軽にご相談いただければと思います。

Access