全国のドクター9,343人の想いを取材
クリニック・病院 158,554件の情報を掲載(2024年6月16日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 神戸市須磨区
  4. 妙法寺駅
  5. 丸山内科クリニック
  6. 知っておきたい脂肪肝の原因太る体質でなくても日頃から検診を

知っておきたい脂肪肝の原因
太る体質でなくても日頃から検診を

丸山内科クリニック

(神戸市須磨区/妙法寺駅)

最終更新日:2024/05/27

丸山内科クリニック 知っておきたい脂肪肝の原因 太る体質でなくても日頃から検診を 丸山内科クリニック 知っておきたい脂肪肝の原因 太る体質でなくても日頃から検診を
  • 保険診療

肝臓がんや肝硬変として知られる脂肪肝。以前はB型肝炎やC型肝炎によるものが多かったが、最近はアルコールやその他の原因が増えている。「脂肪肝」という名称から、太る生活習慣などとの関連がイメージされがちだが、実際には太っていなくても脂肪肝が進行することもあるそう。このため、「全身の健康とも深く関わる肝臓についてよく知り、ご自身の肝臓を健康に保ってほしいのです」と「丸山内科クリニック」の丸山勝也院長は話す。ただ、肝臓の変化は自覚しにくいという特徴も。そこで同クリニックでは、専門的な画像診断機器を活用した「脂肪肝検診」を開始した。手軽な検査で肝臓の変化を具体的に確認し、その人に合った生活改善や治療を提案するという。今回は肝臓の役割や、脂肪肝が注目されている理由も含め、丸山院長に詳しく教えてもらった。

(取材日2024年4月19日)

過度の飲酒がなくても、太っていなくても脂肪肝になることが。脂肪肝検診から早期発見・治療につなげて

Q脂肪肝の原因には、いくつか種類があるそうですね。
A
丸山内科クリニック 「肝臓についてよく知り、健康に保ってほしい」と話す丸山院長

▲「肝臓についてよく知り、健康に保ってほしい」と話す丸山院長

脂肪肝はかつてはB型肝炎やC型の肝炎によるものが多かったのですが、これらが治療できるようになり、最近はアルコール性肝障害や非アルコール性脂肪性肝疾患が中心になっていました。さらに新型コロナウイルス感染症による生活変化が、脂肪肝の増加につながっています。「家飲み」での飲酒量の増加や、運動不足や過食を背景にしたメタボリック症候群のような代謝異常、この両方が関係しているのですね。そこでアルコール量や代謝異常の程度に応じた詳しい分類が新たに提唱され、これまでNAFLDと呼ばれていた代謝異常がメインの脂肪肝は、代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD)という新たな名称に変更されています。

Q脂肪肝の有無や程度は、太りやすい体質や生活と関連しますか?
A
丸山内科クリニック 患者一人ひとりに時間をしっかり取り診療を行う

▲患者一人ひとりに時間をしっかり取り診療を行う

関連している場合は多いですが、やせている方でも脂肪肝はあります。肝臓にはもともと、体のエネルギーとして使われる糖を消化管から直接取り込み脂肪にも変換して蓄え、必要なときに利用するという働きがあります。ですから、脂肪肝がすぐに病的だというわけではありません。一方、皮膚の下や内臓の周囲についた脂肪は、体内に増えてしまった余分な脂肪が徐々にたまった結果ですから、不要なものですし、脂肪を落とすのも簡単ではありません。そして、肝臓への脂肪のたまり方は、その方の消化管の体質によって差があるといわれています。このため、内臓や皮下には脂肪がついておらず見た目はやせていても、脂肪肝になる方がいるのです。

Q脂肪肝が悪化すると、どうなりますか。
A
丸山内科クリニック 肝臓の線維化は全身の健康にも悪影響を及ぼす

▲肝臓の線維化は全身の健康にも悪影響を及ぼす

確かに、脂肪肝であること自体は病気ではありません。ただ、過度に脂肪がたまりさまざまな原因で脂肪肝に炎症が起きるとその部分は硬くなり、「線維化」という変化を起こします。肝臓では、エネルギーの貯蔵のほかに、栄養素から体内で必要な物質を作る代謝、有害物質の解毒、胆汁の生成などが行われていますが、肝臓で線維化が進むとこれらの機能が低下し、全身の健康にも悪影響が生じます。例えば解毒できなかった有害物質は、がんや動脈硬化、高血圧や糖尿病などの全身疾患に関わる可能性が指摘されています。また、肝臓は一部分が傷んでも再生できる珍しい臓器ですが、線維化が進んで肝硬変になると、それも難しくなってしまうのです。

Qこちらでは、脂肪肝の詳しい検査が受けられると聞きました。
A
丸山内科クリニック 高性能な超音波画像診断装置を導入し、検査を行う

▲高性能な超音波画像診断装置を導入し、検査を行う

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、線維化が進んでも自覚症状はほぼなく、あるときから体調が一気に悪化しがちです。ですので無症状であっても、肝臓の状態を調べておくことは非常に重要です。一般的には、超音波検査で脂肪肝の有無を確認することが多いのですが、当院で導入している高性能な超音波画像診断装置では、肝臓の硬さを測定したり、脂肪量を数値化することができます。こういった検査はMRIでもできますが、当院の装置は体表から超音波を当てるだけで放射線の使用もなく、診察室で横になり5分ほどで終わります。導入している医療機関は少ないのですが、脂肪肝の状態を把握でき、時間や費用面でも手軽であることが強みですね。

Q脂肪肝はどのように治療するのでしょうか。
A
丸山内科クリニック 患者に合わせて、具体的な指導や改善方法を見つける

▲患者に合わせて、具体的な指導や改善方法を見つける

当院ではご紹介した画像診断と血液検査から、その方の脂肪肝が治療すべき段階にあるのかどうか最初に診断します。血液検査では肝炎ウイルスや腫瘍マーカーを確認し、肝臓を悪くする他の要因がないかどうか調べることも重要です。そして生活習慣の改善や治療が必要であれば、まず患者さんの生活や食事内容を詳しく確認していきます。脂肪肝を改善するために何をどのように変えればいいのか、実は個人差が大きいと私は考えています。甘いものを控える、30分歩くといった一般的なアドバイスに加え、「夕食ではこの食材を控える」「運動はこのメニューを何分程度行う」などの具体的な指導を行いながら、その方に適した改善方法を見出していきます。

ドクターからのメッセージ

丸山 勝也院長

やせていてもお酒を飲まなくても、脂肪肝が進行する方はいます。また、新型コロナウイルス感染症以降の生活の変化に加え、活動量が急に減る世代、例えば社会人になった20代後半や退職された60代以降の方では、脂肪肝が増えると感じています。ただ、脂肪肝の脂肪は内臓脂肪とは異なり消費されることを前提に蓄えられるので、食事や運動を適切に見直せれば大きな改善が期待できます。また、脂肪は再生できる臓器ですから、早期から対策ができれば病的な変化を防ぐことも可能です。そこで、当院ではこのほど、独自に「脂肪肝検診」を開始しました。まずは気軽に検診を受け、ご自身の肝臓がどういう状態にあるのかを知ってもらいたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

脂肪肝検診/500円

Access