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食物アレルギーが疑われたら 
専門家に早めの受診、相談を

おおぜき医院

(高槻市/高槻駅)

最終更新日:2023/11/13

おおぜき医院 食物アレルギーが疑われたら   専門家に早めの受診、相談を おおぜき医院 食物アレルギーが疑われたら   専門家に早めの受診、相談を
  • 保険診療

特定の食べ物を食べたり、触れたりすることでアレルギー反応を引き起こす食物アレルギーは、近年増加傾向にあるという。乳幼児期に発症することが多いことから、離乳食の開始や進行に戸惑う小さな子を持つ親も多くみられる。そんなアレルギーの診療を得意としているのが、2023年に移転リニューアルした「おおぜき医院」。リニューアルと同時に加わった大関ゆか副院長は、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を専門に診療を行う。自身も2人の子どもの母親でもある経験を生かして悩みや不安に寄り添い、「お子さんも親御さんもストレスのない生活をしていただきたい」と語る大関ゆか副院長に、食物アレルギーや食物経口負荷試験などについて詳しく解説してもらった。

(取材日2023年10月20日)

気になる症状があれば専門家に相談。問診と検査で食物アレルギーの原因を見極め、適切な指導へ

Q食物アレルギーになると、どのような症状が出るのでしょうか?
A
おおぜき医院 穏やかな口調で丁寧に説明してくれる大関ゆか副院長

▲穏やかな口調で丁寧に説明してくれる大関ゆか副院長

食物アレルギーとは、食物によって起こる好ましくない反応のうち、免疫による反応を指します。多いのは、特定の食べ物を摂取して2時間くらいで起こる「即時型」というもの。かゆみ、発疹、じんましんという皮膚の症状、咳や喘息などの呼吸の症状、口やまぶたが腫れるといった粘膜の症状、吐く、下痢をするといったおなかの症状などがあります。そして、一気に複数の臓器に重篤な症状が出現した状態をアナフィラキシーといい、さらに血液の低下や意識障害を来す場合はアナフィラキシーショックとなり、命の危険を伴う場合もあります。

Q食物アレルギーをどのように診断するのか教えてください。
A
おおぜき医院 血液検査やプリックテストを実施する場合も

▲血液検査やプリックテストを実施する場合も

まずは症状が出た時の状況をよく聞き取ります。食物アレルギーが疑われた場合、必要に応じて血液検査とプリックテストを行います。血液検査では原因食物のIgE抗体の量を測定します。一方、プリックテストは専用の針で皮膚に小さな傷をつけ、食物のアレルゲンエキスを染み込ませる方法で、15分後に腫れた部位の大きさを測定します。低月齢の赤ちゃんでは血液検査が陽性になりにくいことや、採血時に苦痛を伴うことから、負担が少ないプリックテストは有用だと考えます。いずれの検査が陽性でも、食べて症状が出るとは限らないため、確定診断は実際に食べてみる負荷試験ですが、十分な準備が必要となるため近隣の総合病院と連携して行います。

Q食事指導についても教えてください。
A
おおぜき医院 食べた量や体調をメモしておくことが重要

▲食べた量や体調をメモしておくことが重要

食物アレルギーでは原因食品の除去が基本ですが、必要最低限の除去が重要です。負荷試験の結果をもとに食事指導を行います。例えば負荷試験で卵1個は食べられなくても、10gは食べられた場合、「ドーナツ1個やハンバーグのつなぎならOK」と、どんな食品が食べられるか具体的にお伝えします。その後また時期をあけて負荷試験を実施。卵1個が食べられれば、マヨネーズや加熱が緩めの卵も食べてもらいます。最終的には風邪気味の時に食べたり、食べた後の運動でも問題ないことが確認できれば、給食の解除が可能になります。ただ体調によって症状が出る場合もあるので、食物アレルギー日誌に食べた量や体調を記録しておくことが大切です。

Q食物アレルギーはアトピー性皮膚炎との関連性がありますか?
A
おおぜき医院 一人ひとりに合わせた治療方法を提案している

▲一人ひとりに合わせた治療方法を提案している

肌が荒れている乳幼児を持つお母さんは、「自身が食べているものが原因では」「ミルクが合っていないのではないか」と思う方も。乳幼児期は食物アレルギーとアトピー性皮膚炎が合併していることがありますが、この場合も食物アレルギー日誌が役に立ちます。例えば、お母さんが卵の摂取を止めてみるという「除去試験」を行った上で、症状が改善しないのであれば関連性はないと考えられます。一方止めて症状が良くなるのなら関連があるかもしれないので食物アレルギーの検査をします。また表皮のバリア機能が弱っている状態では、何を食べても皮膚の症状が出る場合もあるため、標準的なアトピー性皮膚炎の治療をした上で評価をしていきます。

Q気になる症状があれば、早めに相談することが重要なのですね。
A
おおぜき医院 落ち着きのある雰囲気の院内

▲落ち着きのある雰囲気の院内

肌が荒れているから食物を不必要に除去する親御さんもいらっしゃいますが、過度な食物制限は栄養障害のリスクになります。ミルクや離乳食を極端に遅らせたり、症状が出たら怖いからとお米しか食べさせなかったりすると、体重が増えなかったり、発達面で少しずつ遅れが出てきたりすることもあります。悩んで不必要な除去をしないという面でも、適切な相談ができるところを探していただけたらと思います。逆に特定の食べ物を摂取すると症状が出るけれども、家で食べさせているという方もいらっしゃいます。場合によっては命に関わることもありますので、症状を重くしない、長引かせないためにも早めにご相談いただけたらと思います。

ドクターからのメッセージ

大関 ゆか副院長

食物アレルギーに悩んでいるお子さんや親御さんはたくさんいらっしゃいます。自己判断でこれは食べられないからと不必要な除去をしたり、外食を控えているという方も多いですね。今は上手に治療していけば、食物アレルギーがあっても少しは食べられる可能性はありますし、最近は食物アレルギー対応レシピ本やアレルギー対応の食品もいろいろ売っています。ついつい頑張り過ぎて疲れてしまう親御さんも多いので、うまく活用して子どもさんも親御さんもストレスのない生活をしていただけたらと思います。気になる症状があれば、ぜひアレルギー疾患の専門家にご相談ください。

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