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直原 廣明 院長の独自取材記事

直原ウィメンズクリニック

(豊中市/桃山台駅)

最終更新日:2024/05/15

直原廣明院長 直原ウィメンズクリニック main

新千里南町にある「直原ウィメンズクリニック」は、リラックスできる環境のもと、一人ひとりに合った優しい自然分娩をめざすクリニックだ。分娩以外に婦人科や不妊症治療なども行っており、幅広い世代の女性の健康をトータルにサポートしている。安産のために最も大切なことは「自分が赤ちゃんを産むぞ!」という気持ちを強く持つことだと話すのは、院長の直原廣明先生。「心身の健康を整え、産む力を引き出すことで、自然と安産につながっていくもの」と、出産に対して不安を抱く女性たちを優しく勇気づける。直原院長が考える「産む力」を引き出す安産とは何か話を聞いた。

(取材日2024年3月14日)

あまりいきまず、陣痛の力を使った出産を

開業前はどのような分野に力を入れておられたのですか?

直原廣明院長 直原ウィメンズクリニック1

産婦人科の医師だった父からクリニックを引き継ぎ、2004年に診療を始めました。それまでは大学の付属病院や市民病院で勤務し、お産、不妊症治療、婦人科腫瘍、女性医学など、さまざまな分野の臨床に携わってきました。高度な周産期医療を行う周産期母子医療センターでは、異常妊娠や胎児異常の症例に関わり、現在の診療ではハイリスク妊娠は診ていませんが、早い段階で周産期の異常に気づくための知識を身につけることができたと思っています。3年間ほどアメリカに留学し、妊娠により変化した子宮内膜である脱落膜の研究を通じて生殖内分泌学を専門的に学んだ時期もあり、これまで経験を積ませてもらったことがすべて、現在の診療に生かされていると思っています。

クリニックのコンセプトを教えてください。

産科や婦人科だからといって子宮や卵巣だけに注意を払うのではなく「全人的に診ること」を大事にしています。体の不調や痛みには必ず原因があります。さらに、例えば更年期障害の症状の出現に差があるのは、女性ホルモンの減少という直接的な要因に加え、その人自身が本来持つ“治す力”も関係していると考えます。その“治す力”が低い場合は、より症状が出やすいといえるでしょう。“治す力”が低い場合には、その原因を探り、自然治癒力を高め、根本からの改善をめざすことが大切。そこで当院では、栄養指導を行ったり、漢方薬を取り入れながら体内の余分なものを排出し、免疫力を高めるためのアプローチをすることで、人間が本来持つ力の回復や、体全体の健康管理に役立てています。

出産スタイルについてお聞かせください。

直原廣明院長 直原ウィメンズクリニック2

出産は人それぞれ異なり、何が起こるかわからない命がけの大仕事です。そのためクリニックでは一人ひとりを大切に診るお産をモットーに診療にあたっています。基本的にフリースタイルですが、ソフロロジー法を取り入れた自然分娩で、おなかの中にいる赤ちゃんとの絆を深めながら、母子に優しい出産をめざしています。陣痛の力を使ってあまりいきまずに、妊婦さんの産みやすい体勢でお産に臨んでもらえるようサポートします。痛みに弱い方、陣痛に不安のある方には無痛分娩も行っていますのでご相談ください。

出産を迎える妊婦さんは、入院後どのように過ごされるのでしょうか?

入院したら基本的に助産師がつき、出産に備えてサポートしていきます。そして、出産前はなるべくリラックスすることが重要です。リラックスできていると産道の緊張が取れ、子宮口の開きも早く、スムーズな分娩が期待できます。そのためにはできるだけ眠ってもらうようにします。緊張で胸がドキドキ、興奮して目がギンギンの状態だと「お母さんスイッチ」が入るまで時間がかかってしまうからです。お母さんスイッチが入るというのは、ほかのことをすべて忘れて、本能のまま赤ちゃんを産むことだけに意識が集中する状態です。いわゆるフロー状態になることです。自然にそうなればいいのですが、お産に対して不安があり、緊張や興奮が強いと、なかなかお母さんスイッチが入りません。腹式呼吸を行い、陣痛を受け入れ、赤ちゃんに意識を集中し、赤ちゃんと一緒に出産する気持ちでいるとお母さんスイッチが入りやすくスムーズに分娩が進んでいきやすくなります。

女性が本来持つ「産む力」を引き出す

患者さんと接する中で感じていることがあるそうですね。

直原廣明院長 直原ウィメンズクリニック3

自分が産婦人科を学び始めた頃に比べると、近年は無痛分娩を望む方が増えています。それ自体が悪いわけではありませんし、欧米諸国では麻酔を使った無痛分娩が一般的です。しかし、欧米諸国と日本では無痛に対する考え方に大きな違いがあります。欧米諸国では、楽をするために無痛分娩を選ぶのではなく、陣痛の痛みを和らげるための一つの手段と考えます。無痛分娩でも自分でいきんで産む気持ちはしっかり持っている人が多い。ところが日本人の場合は、出産への恐怖心から無痛分娩を選択するという人が多く、「自分で産む」という気持ちが薄れているようにも感じます。無痛分娩は一つの補助として考えて自分で出産する準備はぜひ妊娠中から行っておきましょう。

妊娠や出産に「不安」を感じている人が多いのですね。

特に初めて出産する方にとっては、不安は大きいでしょう。ですが、自然分娩と無痛分娩のどちらを選択するにせよ、妊婦さん自身が出産することには変わりありません。まずは「自分が産むんだ」という意識を持ちましょう。麻酔にもメリット・デメリットがあります。メリットは、痛みでパニックになってしまうと呼吸もいきむこともできませんが、麻酔で痛みを和らげることを図れれば、落ち着いて出産に臨めることですね。デメリットは、麻酔薬による中毒や血圧が下がりやすかったり、吸引や鉗子などの器械分娩の頻度が上がったりすることといわれています。そういうメリットとリスクがあることをきちんと理解した上で分娩法を選択してほしいですね。

先生が妊婦さんの不安に対して工夫していることはありますか?

直原廣明院長 直原ウィメンズクリニック4

安産を望むのであれば不安なことよりも、母体の心身状態を整えることが大事です。精神状態にも栄養は関与しているので、不足している栄養素を食事やサプリメントなどで補給するアドバイスを行っていますし、また「出産は右脳」ともいわれるように、自分の意思とは関係なく全身をコントロールする自律神経がつかさどっています。自律神経がバランス良く働くよう、早寝・早起きなど生活習慣の改善などを妊娠初期から伝え、少しずつ妊婦自身に“どういうことをすべきなのか”という「気づき」と「自覚」が芽生えるよう促していきます。さらに妊婦に対し不安を和らげる工夫も。陣痛は意味なく痛いわけではありません。赤ちゃんを産み出すためのエネルギーであり、エネルギーを赤ちゃんが受け取ることによって、一人の人間が誕生すると私は捉えています。赤ちゃんと一緒に出産を乗り越えられるように、前向きな気持ちになってくれたらうれしいですね。

未来につなぐ産婦人科医療をめざす

クリニックではさまざまな教室やイベントが開催されているのですね。

直原廣明院長 直原ウィメンズクリニック5

はい。子どもの発達・成長や病気などに関する疑問や心配事などを、気軽に助産師や保育士に相談できる「子育てサポート」や、安産に向けたエクササイズ教室なども開催しています。また隣接する場所に小児科を開設したのは、生後間もない赤ちゃんの診療から、育児に不安を抱える保護者へのアドバイスまで一貫して提供できれば、ご家庭全体をサポートすることにつながるのではと考えたためです。今後も、産婦人科のみならず、未来につなぐ医療とサービスを提供していきたいですね。

こちらにはスタッフさんが多くいらっしゃいます。

院長である私のほか、複数の医師、助産師や看護師、看護助手、管理栄養士、出産の前後で大きく変化する骨盤のケアなどを行う理学療法士、妊婦や産後の方のメンタルをサポートする臨床心理士など約40人にも及ぶスタッフが在籍しています。「女性の生涯の健康を守りたい」と考えて、自然と集まってきた心強いメンバーです。

最後に、読者へ向けてメッセージをお願いします。

直原廣明院長 直原ウィメンズクリニック6

一人ひとりに幸せなお産をしてもらいたいとの思いから、安産をテーマに本を出版予定です。今後も私の考えを知っていただくために、さまざまな取り組みをしていきたいと思っています。当院ではお産だけではなく不妊症治療、婦人科一般、検診、更年期障害の治療なども行っています。また思春期の外来では、学校生活の困り事など心身の悩みを相談できる場所として、女性医師がスタンバイしています。「産婦人科へ行ったことがなくて不安」という若い世代でも利用しやすい環境にも配慮していますので、何か体の悩み事がありましたら、ご自身の健康を守るためにも気軽に受診していただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

乳がん検診/3300円
精液検査/5500円
※詳細はクリニックへお問い合わせください。

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